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●風水別館 Annex version 2004

旧車の抜けたストラットとタイロッドのナゾ
旧車の詰まったラジエーターのナゾ
旧車のダンパー交換とマルチリンクのナゾ
印刷不良を防ぐインクジェットセーバーZのナゾ
始動不良な発電機とファンヒーターのナゾ
始動不良な超高回転バイクのナゾ
ベストセラー機械式時計お手入れのナゾ
?ハテナ?な設計の高級一眼レフのナゾ(CONTAX RTSの修理編)
老眼にやさしい風水間接照明のナゾ
お年玉スペシャル−春日大社のお告げ2004のナゾ
お年玉スペシャル−音楽CDオプティカルダンパーZのナゾ


旧車の抜けたストラットとタイロッドのナゾ

いよいよ我が旧車もリアダンパー、ラジエーターに引き続きフロントストラットの交換である。まだダンパーはある程度効いてはいるが、タイロッドエンドブーツやダストカバー、ウレタンバンプラバーなどの老化が激しく、それらの交換時にフロントダンパーも変えてしまおうという計画である。

190Eのフロントサスはストラット式である。しかしバネとスプリングは別体になっていて、W126のダブルウイッシュボーンのアッパーリンクを省略してストラットとしたように見える。

単なるコストダウンかと思っていたが、バネとダンパーを分離して最適のブッシュを選択するとか、レバー比の大きいところにダンパーをなるべく垂直に立てるなど、メルセデスらしくそれなりの工夫はされている。

このサスのメリットは、ダンパーの交換が簡単なことである。おそらく車の寿命の間にダンパー交換されることが設計の前提なのであろう。実際にはスプリングコンプレッサーも使わずボールジョイントもタイロッドもはずさずにハブをロワアーム上に残したままで交換できる。緩めるネジはたった4個である。

今回用意したのはフロントダンパーストラット(モンロ−リフレックス)、アッパーマウント、蛇腹状ダストカバー、バンプラバー、タイロッドエンド、などである。高価なパーツは輸入もしくはネットで安く調達できた。タイロッドエンドブーツは入手できず、タイロッドエンドアッセイとしてヤナセで調達したのだが、パーツセンターは妙なことを言う。

タイロッドはそもそも左右、右ネジ左ネジ、内側外側がきっちり使い分けられていて塗色も違う。従って部品は特定できるハズなのだが、メカニックがモゴモゴ言っている。聞き出すと、タイロッドの左右や内外が正しく無い個体があるらしく、ディーラー車であっても仕様通りの保証がないと言うのだが、とにかく仕様通りの部品を手当した。

問題は7mmのアレンレンチが無く、ストラット上端のネジがゆるまないことである。ここは掟破りの電動インパクトレンチで緩めることとした。ネジは完全ににはずさず、いきなりストラットが落ちてこないようにするのがコツである。

次にタイヤのスタッドを緩めジャッキをかける。落下しないようにシルにはウマもかけておいた。タイヤをはずし、ストラットの配線ホルダーから配線類をはずす。ロワアームにパンタジャッキをかけて、ボルト3個をはずしてストラットを取り外す。ハブはブレーキチューブに負担がかからないようにヒモで吊っておく。

ここでアッパーマウントとダストカバーを交換する。見た目ではアッパーマウントはさほどヘタっていないようだ。ストラットに樹脂製の配線ホルダーを移植し、ジャッキでロワアームの高さを調節しながらボルト3個を固定する。ボルトは新調するかネジロック中強度を塗る。締め付けトルクは100Nm以上とかなりなものだ。

ブレーキディスクは耳が出ていない所をみると一度交換されたようである。非力車のせいか質素なソリッドだが、その割にガーリング製のキャリパーが立派である。この手の作業にありがちだが、今回も片方のバンプラバーを忘れて一部やり直しとなった。

次はタイロッドである。ナットを完全に緩めずにボルト上端より少し出し、タイロッドリムーバーをナットにかけるのがコツだ。ガタが無ければタイロッドエンドを再利用できるが、ボルト上端が変形するとやっかいだ。タイロッドリムーバーには飛ばないようにヒモをかけておくのが無難である。

ブーツの片方はヒビが入り、もう片方は破れかけていた。タイロッドエンドを交換するとアライメントが狂うので、今回はブーツだけを移植した。問題はブーツのビックエンドを固定するワイヤーだが、ワイヤー端を固定して細いマイナスドライバーでワイヤー内側を回転させるとうまくいく。

ロワアームのボールジョイントのブーツも用意したが、シリコンゴム製でまったく痛んでいなかった。タイロッドブーツもシリコン製にすれば良いと思うのだが、必要とされる変形が大きいなど、それなりの理由があるのだろう。

ストラットの交換は以前手がけたRX-7に比べると、スプリングコンプレッサーも不要で簡単である。部品同志にも遊びがなくきっちり収まる。ナックルもハンマーで叩いた痕が残らず、材質も硬いようである。

今回のチェックでは、ロアアームブッシュやスタビライザーブッシュのダメージは軽度のようだった。車が非力で軽く、標準タイヤを履いていたことが幸いしたのだろう。太いタイヤを履いたW124を見かけるが、190Eと多くの部品を共用することを考えると、ブッシュの消耗は早いと思われる。

肝心の乗り心地は初期なじみのせいかザックスのリアよりも堅い感じで、ステアリングも軽くなった。以前はサスペンションで曲がっていたのがタイヤで曲がる印象である。以前よりNVHを拾うがシートのバネが働くようで不快ではない。つくづくシートもサスの一部であると感じる。

旧車をメンテすると、90年代初頭までのメルセデスの考えがよくわかる。頑丈なボディーと硬めのブッシュである程度のNVHを伝える乗り心地。それがどうした、という考えなのだろう。ダンパーやブッシュを交換しながら30万キロを目指す設計である。

次のCクラスからはブッシュにスグリをいれてコンプライアンスを確保し、NVHの遮断を重視するようになる。快適性は向上するが、古くなると当初の性能を確保するのが難しくなる。複雑な電脳制御も調子を崩すと修理がやっかいである。ト○タが仮想敵の時代にはそうせざるを得ないのであろう。

この旧車は20万キロをめざしている。この車はWebmasterにとってまさに実物大のおもちゃである。今後予想されるトラブルは燃料系、駆動系、バルブ系、オートマなどで、そのいくつかは既に部品を手当すみで、ある意味トラブルが出ることを待っているフシもある。

整備のやり易さは車歴のなかでKP61スターレットに次ぐ。6気筒が載るエンジンルーム、W124と共用の余裕ある部品、出尽くした故障情報、ネットや輸入で調達できる部品、そして何より10万キロにして錆が見あたらない頑丈なボディである。

これより古いメルセデスでは整備や部品調達が難しいし、これより新しいメルセデスは電脳が多くなりやっかいである。おそらくメルセデス史上もっとも質素な車は故障する部分が少なく良い題材だ。さて今後順調に距離を重ねることができるであろうか。

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旧車の詰まったラジエーターのナゾ

10万キロを迎え20万キロをめざす旧車190Eであるが、やはり寄る年波は隠せない。今回のトラブルはラジエーターサイドタンクのクラックである。

ある日車を降りると、クーラントの焼けるいやなにおいがしていた。みるとラジエーター左サイドタンクの上部、サーモスタットからホースで繋がる部分に細い前後方向のクラックが見えた。エンジン揺動による応力で割れたようである。材質は繊維強化ナイロンと思われる。

そこでハンダコテで厚みの半分までクラックをさらい、一番近い材質であるタイラップを埋めた。そして応力の方向にタイラップを数本溶着したところが写真である。

これでもしばらく問題は無いようだが、部品が手当できたところで意を決して交換となった。

手順は比較的簡単である。

1.ボトムカバーと下部ゴムパッキング3個をはずす(ネジ4本)。
2.シュラウドカバーをはずしファン側にずらす(クリップ2個)。
3.ラジエーター下部のATF配管ステイをはずす(ネジ1個)。
4.右サイドタンクのATF配管ユニオンをはずす。(上下2カ所、下からはATFが漏れるのですぐビニール袋に入れ輪ゴムで縛る。
5.クーラントホースをはずす(2カ所)。
6.ラジエーターを上部にまっすぐ持ち上げる。

装着はその逆だが、キモはATF配管のユニオンを締め過ぎないことだと思われる。ユニオンの材質は銅、固定ナットはアルミだから力加減がいる。

トルクレンチが入らないから、手で回るまで緩めた角度とその感触を参考にして締めるしかない。狭いところで腕一本が発生できる力は20kg程度である。だからスパナで中心から10cmのところに腕一本でトルクをかけると20 x 9.8 x 0.1 = 約20Nmになる。

点火プラグが15Nm、オイルパンのドレンボルトが20Nm程度だから、ここは10Nmで締めるべきだろう。通常、スパナの長さはボルト口径に比例していて、スパナ中央を持って力を入れた時のトルクがそのボルトのリミットになる。

だからスパナで締めるのは比較的安全だが、細いボルトをソケットレンチで締めるのが意外に危険だ。もうひとつは材質で、口径が大きくても銅やアルミは鉄製の1/3程度のトルクである。

新しいラジエーターのタンクは相変わらず国産に比べ品質の悪そうな繊維強化ナイロン製だが、金属リングが仕込まれていて強化されている。しかし、今回のクラックはもっと根本だったから、また10万キロで交換することになるかも知れない。

クーラントを補充しATFレベルをチェックしてアイドリングを続けると、水温は80度を超えたところで安定している。ファンは電磁カップリングがオフなのでベアリングの粘性で回っているだけだが、それ以上水温が上がらないところをみると前のラジエーターは詰まり気味だったのだろう。

古いラジエーターを両方向から何度か洗ってみると、灰色の湯垢が出てきて流れが良くなった。どうやら西独B社のラジエーターは純正クーラントを使い指定間隔でディーラー整備していても詰まりやすいようだ。フィンを洗ってみると、おびただしい埃が流れ出た。

防衛策は高品質なクーラントを頻繁に交換して錆や詰まりを減らすことである。次回ホースを交換する時にはラジエーターの内外を洗ってみることにする。我慢強いユーザーが旧車を放棄する理由はオーバーヒート、クーラー故障、そしてATF故障だと思われる。水温を低く維持すればエンジンやAT、ドライバーをはじめとして多くのパーツの老化を防ぐことができる。

ビータと物々交換でやってきた92年式190Eにはヤ○セへの膨大なお布施を示す証拠書類の束が付いて来たが、その後7万キロ以降に交換した部品も多い。

主なものではエアコンコンプレッサー(ネット3.8万)、エバポレーター(輸入2.5万)、エクスパンションバルブ、リキッドタンク、ヒーターファンモーター(輸入2万)、ラジエーター(ネット2万)、ヒーターバルブなどである。幸い新品をネット調達と直輸入により約15万ほどで手当できたが、ヤ○セで修理すれば工賃と余計な部品交換で大衆車一台分になるだろう。

今後出番を待っている部品は、前ダンパーストラット、タイロッド、エンジンマウント、ミッションマウント、フレキシブルディスク、燃料ポンプ、フィルター、オルタネーター、ブッシュ類などである。この190Eには余計なデラックス機構が無く、エンジンも非力で軽いことがサバイバルに有利である。

部品番号を子細に追っていくと、現行Cクラス、Eクラスの機構の多くはW201で出現しW124で確立したものを改変(主に簡略化と軽量化、電脳化)して引き継いでいる。部品にはW201より古い車種から由来したものも多い。

多くの工業製品と同様に、自動車の品質もバブル後期にピークを過ぎたと言われる。その理由の一つは、制御を個々の部品の品質に頼る考え方から、電脳に頼る考え方に変化したことがあろう。コストや地球環境の観点からも、大量生産を前提した製品では部品の品質に妥協せざるを得なくなっている。

そして、原始的な旧車ほど電脳に起因する奇怪な不具合に遭遇せずに長い寿命を全うする可能性も高い。ということで、Webmasterは整備を楽しみながら今しばらくこの旧車を維持するつもりである。

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旧車のダンパー交換とマルチリンクのナゾ

我が家にビータと物々交換でやってきた190Eであるが、13年落ちの車検を受けた際に寄る年波の形跡が見つかった。中でも最大の問題はリアダンパーの油漏れである。

ネットでちょうど出物(SACHS)があったので、早速交換することにした。その途中で複雑怪奇なマルチリンクのナゾにも迫ってみることにする。上の写真は古いダンパーをはずした状態である。ダンパー下端のブッシュはジオメトリーにより捻れるようで、写真の如く寿命を迎えていた。

さてマルチリンクは一見ダブルウイッシュボーンの変形に見える。ただ、古典的なAアームを上下に重ねたモノではなく、5本のリンクとハブはすべて独立した支点で結合されている。

これにより仮想キングピン位置をタイヤの中心に近づけることができるし、リンクのアレンジによってハブをバンプ、リバンプ、駆動時、ブレーキ時にいろいろな方向に回転させることができる。

190E以降のCクラス、Eクラスのリンクの部品番号は殆ど同じである。ということは構造もジオメトリーも変える必要が無いほど完成しているとメルセデスは考えているのだろう。

最近は国産にもマルチリンク式のリアサスは増えている。アレンジの差はあるが、RX-8のマルチリンクは190Eに似ている。ハイブリッド車が普及し内燃機関も黄昏を迎える今日この頃であるが、サスペンションも長い歴史のなかで落ち着くところに落ち着いたようである。

ところで、マルチリンクの正式名称は、1.プリングストラット(別名トルクストラット、通称アッパースラストロッド)2.キャンバーストラット、3.プッシングストラット(別名スラストアーム、通称ロワースラストロッド)、4.トラックロッド(別名タイロッド)、5.スプリングリンク(通称ロワアーム)と言うらしい。5番は大きく、この上にスプリングとダンパー、スタビライザーアームが載っている。

基本的な動作は一見では下方を5番、上方を1番と2番で支持されるダブルウイッシュボーンに見える。前後方向の支持は3番が大半を、そして1番が一部を負担する。

おもしろいことに1番、2番は5番よりかなり前進している。このため、バンプ(縮)でホイールベースが縮み、リバンプ(伸)でホイールベースが伸びる。 これで発進時に下がる車のお尻を持ち上げ、ブレーキにはあがるお尻を下げるように働く。一種のアンチノーズダイブである。

問題は4番で、他のアームに比べ薄く水平に走っている。これは引っ張りには強いが前後には支持力を持たない構造である。この構成だとバンプ、リバンプ時にハブの前端を内側にひっぱりトーインとなる。

前後を支持する1番、3番には乗り心地のためにある程度の変位が許されている。通常はブレーキ時にはサス全体が後方に回転しトーアウトになるが、4番は前後方向にたわみ1番、3番と協同してハブをトーインに回転させる。

国産車と異なりスプリングとダンパーが別体なのは、それぞれに最適なコンプライアンスを持つブッシュによって車体と結合し、入力を分離するためだろう。もちろんメンテも簡単になる。

国産車ではストラット式のようにスプリングとダンパーが一体となったものが多い。これは構造を簡単にするためだが、ワゴンでは上部のスプリングが荷室を圧迫する。そのため最近はオペル流にコーン状の板金でスプリング位置を下端に置くものが多い。

さてダイナミックな動きをみると、古典的なダブルウィッシュボーンというよりは、3番と5番を台形アームとし、ダンパーを軸とするストラット式サスが本性であって、その他のリンクはハブの向きを積極的に制御するためのものと考えられる。

つまり3番と1番が前後方向、2番と1番がキャンバー、3番と4番がトーインを制御すると考えると、それぞれのアームが特定の名前をもつ理由に納得が行くのである。もちろん、このサスにはさらに多くのナゾがかくれているようだ。

以前ジムカーナに出場したときに、グリップの悪いエココンタクトではサスの位置決めが非常にタイトのように感じられた。

その後にまともなグリップを持つタイヤに交換したところ、リアサスのクセを感じるようになった。つまり最低限のグリップがあってはじめて意図されたコンプライアンスステアが発生するのだろう。

190E以後、同じ型番のリンクのままでより大きなパワーとより重い車体とタイヤを制御しており、そのせいか3番が早々に痛むそうである。確かに3番は前後動に対する仕事の多さからすると、もう少し長くそして大きいブッシュが必要のような気がする。

この旧車では近々フロントダンパーとタイロッドエンド、ラジエーター交換を予定している。そのときに、メルセデスの部品のナゾに迫ってみたい。

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印刷不良を防ぐインクジェットセーバーZのナゾ

Webmasterは相当頭に来ている。

それはE社のインクジェットプリンターである。Webmasterは過去に書いたように、インクジェットのノズルが掃除できないタイプのプリンター、特に詰まりやすいE社製は買わない方針なのだが、他人が買ってしまったものはしかたがない。

これ以外に、E社製プリンターは買わないハズのwebmasterのまわりに計3台も来てしまっている。

それぞれ週に数枚印刷するのだが、印刷まで長い時間ウィーンウィーン唸ったあげくに高い確率でインク詰まりしている。そこでクリーニングをかけるのだが、1回で掃除が済まないこともあるし、かなりのインクと紙と時間をロスする。

E社のプリンターが詰まりやすいのは、ピエゾ式のアクチュエーターのストロークが小さく、一定の吐出圧を確保するためにインク経路が細いからである。

ピエゾ式にはインク吐出量が調節しやすいなどいろいろなメリットもあるようだが、Webmasterの環境では詰まりやすいことの方が気になる。個人的には詰まりの頻度は家電製品としての社会的通念の限界を越えていると思う。

それだけでは無い。インクの減り方は印刷枚数よりは電源投入回数とインク掃除回数に依存する。このプリンターでは100%白黒印刷しかしないのに、黒色カートリッジ交換2回に1回の割合でカラーカートリッジも交換になってしまう。

概算ではあるが、Webmasterの印刷環境では電源を入れる度に約1頁、クリーニングの度に10頁分弱のインクを浪費するようである。新品カートリッジでも15回ほどクリーニングをかけると空になる。

そして印刷に使われないインクは、写真右のシリコンチューブをしごくペリスタルティックポンプで吸い取られ、筐体内の巨大な吸収体に蓄積される。ここに収容される無効インクを100円/mlと計算すると、膨大な金額になるだろう。

そこでwebmasterは非常手段をとることとした。それが通常の使用環境でのインク詰まりを根絶するために開発されたインクジェットセーバーZ(PAT. PEND.)である。

ご注意

インクジェットセーバーZによりあなたのプリンターに回復不能なトラブルが生じても本ページはいっさい責任を担保しない

さて、モノは写真のような赤い液体だ。これを、カートリッジのインク量の10%程度加えるだけで、通常の使用頻度では殆ど詰まらなくなる。カラーインクはもともと量が少ないから、加える量を丁寧にはかった方がいいだろう。

インクジェットセーバーZには他に緑色や青色、そして無色のものもある。今回の赤いものは我が家の不良債権である。というか、普段使っているものが緑色なので使わずに残っていたのである。

副作用としてインクは10%ほど薄くなるハズだが、見た目はっきりしない。紙に印刷した場合、わずかに乾きにくくなる。薄色のインクには、インクジェットセーバーZの色の影響がでるかも知れない。

他の副作用も考えられる。インクジェットセーバーZには消泡剤として微量のシリコーンが、また防錆剤も入っているらしいが、試した範囲ではE社、C社、HP社とも問題ないようだ。もちろん、Webmasterはいっさいの責任を担保しない。

ともあれ、インクジェットセーバーZの効果は確実であり、これによりインクは通常の使用頻度でも最後の1滴まで(E社の場合はインク終了と表示されても数ml残るのだが)使えるだろう。どちらかというと、カラー印刷よりは白黒印刷を多用するユーザー向きである。

小さな親切大きなお世話コーナー

インクジェットセーバーZの正体はLLC(自動車の不凍液。主成分はエチレングリコール)である。添加剤が気になる向きにはイチジクカンチョー(主成分はグリセリン)をインク量の5%加えることをおすすめする。この場合は容器がアプリケーターになっていてさらに便利である。インク詰まりの心配がいらない環境は実に快適である。

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始動不良な発電機とファンヒーターのナゾ

新潟県で大きな地震があった。災害が起こると電気、ガス、水道が遮断されてしまう。個人的には、世界有数の豊かな国では食料、毛布、テントの類が空を埋める多数なヘリコプターから大量に投下されるのかと思っていた、そうでは無いようだ。どうやら最大2日は援助が来ない可能性がある。

ただし、昔と異なるのは各家庭には自家用車があることで、ガソリンさえあれば雨露をしのぐことができる。しかし我が家を省みると水と食料が心もとない。テントはあるしコンロは携帯用が使えるだろう。電気は発電機が動くハズだ。。。

そう、動くハズなのだが、スターターのヒモを何度引いても一向にエンジンがかかる気配が無い。プラグがカブっているというよりは、燃料が来ていない感じだ。たしか夏に一度始動し、そのあとにキャブのガソリンを抜いていたはずなのだが。

試しにプラグをはずして見ると煤けているが火花は飛んでいる。とすると、燃料が来ていないのだろう。

何度かスターターを引いているうちに、底からガソリンが垂れてきた。キャブのドレンボルトが緩んだままかと思ったが、そうでは無かった。フロート室のニードルバルブが開いたまま固着してオーバーフローしているのだ。ドレンボルトを緩めてもガソリンが出てこないところを見ると、ドレンの経路も詰まっているようだ。

キャブをバラしてフロート室を見ると、底には黒いガム質が固着している。ジェットをはずして見るとやはり完全に詰まっている。しばらくシンナーにつけてテグスでつつくと開通した。エア経路にもキャブクリーナーを吹いて組み上げると快調に始動するようになった。

今回の故障の原因は間違いなくフロート室内の汚れである。この手の発電機では保存時にキャブのフロート室のガソリンを抜いておくのが定石なのだが、それは必ずしもベストとは限らないようだ。

この発電機で運転レバーを停止にすると燃料コックもoffになる。フロート室のガソリンをドレンから抜くと確かにフロート室は一旦カラになる。しかし、ニードルバルブから燃料コックの間パイプ内のガソリンはゆっくり降りてくる。

そしてフロート室は再度ガソリンで満たされるが、そのうちにガソリンは蒸発してガム質が残ってニードルバルブが固着し、ジェットも詰まるわけである。もしフロート室からガソリンを抜かないとどうなるだろうか。

やはりフロート室のガソリンは次第に蒸発していくが、少なくともニードルバルブから燃料コックの間のガソリンはゆっくり降りてきて、しばらくはフロート室はガソリンで満たされるだろう。もちろん、その後にガソリンが蒸発してジェットが詰まるのは同じことである。

つまり、フロート室からガソリンを抜いておくというのは次善の策ではあるが、完全では無いということだ。完璧を期すには、燃料コックからニードルコック間のガソリンも抜いておかなければいけないが、それでもニードルバルブの固着はかなり高い可能性で起こる。

とするとベストな保存法は、ガソリンを抜かずに月に1度はエンジンを始動させることなのだろう。エンジンもキャブも生き物。動くように設計されているものはやはり動かし続けないといけないのだ。

復調したエンジンの音に機嫌を良くしたwebmasterであったが、”そんなものを直す前に、立ち消えするファンヒーターを直せ!”という家人の命令である。たしかに、いつ来るかわからない災害用の発電機よりは、毎日使うファンヒーター修理のほうが先決だろう。

例のごとく、バーナーを分解すると立ち消えを検出するフレームロード、そして点火電極が酸化珪素のために真っ白である。年に一度はワイヤブラシで掃除をしないと調子が悪くなる感じだ。

とすると、我が家のどこかからシリコーン質が出ているに違いない。以前にシリコーンの出所を捜ししたことがあるが、予想外に多くの家庭用品にシリコーンが含まれているのである。

ありがちなのは床ワックスや艶出し作用のある家庭用洗剤で、それに次ぐのが整髪用スプレーである。しかし、現在ではシャンプーやリンス、コンディショナーなどのヘアケア製品の多くにシリコーンが含まれていて、それが付着した髪をブローするだけでかなりのシリコーンが飛散する。

他にも壁紙クリーナー、ガラスクリーナー、化学ぞうきん、衣料の柔軟剤などにもシリコーンが含まれている。つまり、ツヤが出てしっとり柔らかと称する製品の多くにシリコーンが含まれているのだ。

快適な生活が当たり前の現在であるが、それを実現するための機械はすべて厳しいサバイバルに直面している。便利な機械は増えれば増えるほど、またメンテの負担も増えるのである。修理するのは手間であるが廃棄すれば産業廃棄物となる。

webmasterの方針としては、少しでも地球リソースを消費し、またトラブルの原因となるハードウェアとケミカルの数を少なくするように努力しているのだが、それでもいろいろな製品がつましい風水生活の中に入り込んで来るのである。

実にシンプルな風水生活の実現のためには多くの機械のメンテと戦う必要があるのだ。

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始動不良な超高回転バイクのナゾ

秋のある日、友人がK社のバリオスとか言うバイクに乗って遊びに来た。そのバイクは250ccの4気筒で少し古いものだが、webmasterの注意を引いたのはタコメーターである。なんとレッドゾーンが19000rpmからであり、15000rpmで45馬力を発生すると言う。

そう、バブル末期には超高回転でリッター180馬力のバイクが大量に販売されていたのである。今でもこのシリーズはデテューンされて続いている。

さっそく試乗してみると、シートは低く両足は地面にべったり着く。姿勢も直立に近く車重も軽いので、前輪16インチで前傾姿勢の強かったVTに比べても取り回しは楽である。超高回転エンジンということでスカスカの低速トルクを予期してクラッチをつなぐと、あっさり走り出した。意外に低速トルクもあるようだ。

流れを見ながらアクセルを開くと、6000rpmくらいから一瞬にして最大馬力の回転数まで駆け上がる。爆発的な加速と排気音にびっくりするが、速度をみると大したことは無い。そう、超高回転バイクのギアリングでは倍の回転数でやっと普通の速度なのである。

戻って来ると熱負荷のためにラジエーターのファンが回り始めるが、エンジンは粛々と回っている。超高回転エンジンとしてはラフなアイドリングを予想したが、排気量が極小ということで高い圧縮比とオーバーラップの大きいタイミング、そして安定したアイドリングが成立しているのである。

しかし、オーナーの悩みは始動性の悪さだという。安定したアイドリングなのに始動性が悪いのは理解に苦しむが、冷えるのを待って始動させるとやけに時間がかかる。最初は全く火がついてなくて、10秒近くまわすとポッポッポッポッとか細く始動する。いったん始動すると安定してアイドリングする。何かヘンである。

始動性だけが悪いバイクの原因として、エンジンとキャブを結ぶインシュレーターからのエア漏れがある。これだと始動時に負圧が漏れてキャブからガソリンを引く力が弱くなって始動が悪くなる。しかし一旦始動すると、漏れよりもキャブから吸うエアの方が優位になって問題なくなる。

そこでインシュレーターをチェックするとヘンなチューブが生えている。観察すると、1番と4番のインシュレーターを結ぶチューブは負圧式の燃料コックへつながっている。2番と3番とはお互いに結ばれている。この構造物は本来はキャブ同調用のようだが、負圧コックの駆動にも使われているのである。

しかし4気筒が吸気するタイミングは異なるから、このシカケでは一つの気筒が吸気時にほかのインテークからもエアを吸い負圧が弱くなる。もちろん、昔からY社がYICSと称していたように、インテークチャンバーや気筒間を結ぶチューブによって、特定の回転数のトルクを稼ぐ方法はあるのだが、ちょっと目的が違うようだ。

そこで写真のように、2番と3番間をつなぐチューブ、そして1番から負圧コックに通じるチューブを紙クリップで遮断してみた。これだと負圧コックは4番だけで駆動され、それぞれの気筒間のエアの交通は遮断される。これによって始動時のインテークの負圧が高まるハズだ。

この場合、1気筒あたり60cc弱の排気量で負圧コックを駆動することになって心細いが、放置車両でもなければ通常キャブのフロート室にはガソリンが残っている。一旦始動すれば一気筒でもコックを駆動するのに十分な負圧が発生するだろう。

ごく簡単な対策だが紙クリップの効果はテキメンで、セルを回して2、3秒ほどであっけなく始動するバイクになった。1気筒で駆動される負圧コックの動作には問題がなく、またパワーの変化は実用上ははっきりしないようだ。もしパワーに影響があるなら始動後にクリップをはずせばよい。ここでは1番から負圧コックへのチューブを遮断したが、もちろん4番を遮断しても同じである。

現代のバイクの始動は昔より荷が重い。それはヘッドライトが常時点灯のため、セルモーター以外に数アンペアの余計な電流が必要だからである。さらに始動性を悪くするのが負圧コックなのである。

負圧コックとそのチュービングが吸うエアの量は始動時にこそ負荷になるが、一旦始動すれば大したことは無い。多気筒エンジンであれば気筒間の遮断が簡単だが、単気筒のエンジンでは負圧コックとの連絡を遮断することができない。

おそらく、単気筒バイクでは負圧コックのチュービングの途中にオリフィスを設けるのが正しい設計だと思われるが、図のように始動時だけクリップで挟めば目的を達成することはできる。高度な設計の超高回転エンジンと、ハテナ?な設計の負圧コックを見比べて、K社の意図が計りかねるwebmasterであった。

このように、どこも悪くないないのに始動困難なバイクでは、負圧コック系統を疑ってみるのも一つの方法である。

インターネットで情報を漁って見ると、250ccクラスでは4気筒のバイクは2車種しかない。4気筒で先鞭をつけたY社では既に廃番となっており、S社ではなんとK社からのOEMに頼っている。250cc以下ではスクーターとスカバイクと称する単気筒モデルが中心だ。少なくとも小排気量ではスーパースポーツと称するバイクは絶滅に瀕しているのである。

さらに、フレーム構造も先祖がえりしている。最近のモデルではセパレートハンドルではなくバーハンドルが、またあれほどメリットが強調されていたリアのモノサスも古典的なダブルクレードル+ツインダンパーに戻っている。水冷エンジンであっても空冷エンジンのような深い冷却フィンが切られている。おそらく仮想ユーザーのターゲットは過去のCB750FやZあたりなのだろう。

すでに電動バイクが出現し、燃料電池バイクの出現も近いと言われる。近い将来にはバイクは騒音も振動も発生せず、わずかに風だけがライダーのバーチャルな喜びとなるのであろうか。実に寂しい話ではある。

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ベストセラー機械式時計お手入れのナゾ

時計が止まった、と言いながら子供がBABY-Gを持ってきた。これは簡単に分解できる構造になっていて、厳重なガードのおかげでガラスもムーブメントもほとんど痛んでいないが、電池切れはどうにもしようが無い。

そこで、電池を交換する間、以前渡しておいたボーイズサイズのセイコー5を使うように言ったが、翌日1日に30分も進むと言ってきた。一通り機能を確かめると、時刻合わせ、カレンダーも正常に動作するが、なんとなく秒針の動きに元気が無い。

音を確かめると、湿った"コチコチ"という音の間に時折"カシャ"とヘンな音がする。輪列の動きに何らかの抵抗があり、そのためテンプの振れ角が減って進みが出ているのだろう。

裏蓋を開ける前にセイコー5(7S26)の輪列を確認しておく(図C)。7S26では香車(ゼンマイ)から中央の2番車(分針を駆動)へ、また2番車から3番車へ、そして再度2番車と同軸の4番車(秒針を駆動)へトルクが伝わる。そして4番車からガンギ車、アンクルを経てテンプが駆動される。

この構造はパテック、ファウンテンメロンを経てわが国に導入され、国産機械式時計の殆どに採用されている。同軸の2番車、4番車に対し、香車、テンプ、そして3番車が最適化された配置のためにほぼ120度間隔に並ぶのが特徴だ。

基本的には安定で作り慣れた構造だが、敢えてネックとなる部分を挙げると、同軸になった2番車と4番車付近の潤滑であろう。

早速中をあけてみる。手荒い扱いを受けた外観に比して内部はきれいで汚れが見当たらないところを見ると、4番車軸の油切れのため振れ角が減って進みと異音が出ているのだろう。今回は何とか注油だけで調子を戻したいところだ。

最初に手をつけるのは自動巻きの重りである。これを薄いマイナスドライバーではずすと、3番車とガンギ車の受け石(ルビー)と、マジックレバーの巻き上げ機構を持った3番受けが見えてくる。意外なことに2つの受け石にはアンチショック機構が組み込まれている。

たかだか市価4千円の機械式には贅沢な設計だが、受けに重量がある自動巻き機構が組み込まれていることから、これに対するショック対策であろうと勝手に推測する。

ここから3番車とガンギ車の受け石に注油(SYNT-A-LUBE)する。と言ってもアンチショック機構があるから直接軸受けには注油できない。そこで、受け石の合わせ目に注油し、アンチショックを揺らすと油が軸受けに進入する。ちょうど良い量であまった部分を吸い上げれば良い。

試しに音を確認するが異音は直っていない。やはり問題は4番車と2番車の同軸部分であろう。この部には裏(時計学的には表)から注油することができない。そこでムーブメントをはずすために竜頭の軸付近のオシドリを押して竜頭を抜く。

さてダイヤル面を拝むことができた。値段の割にダイヤルのインデックス類は非常に良くできている。正しい注油のためには針、ダイヤルをはずし、カレンダー輪列をはずす必要がある。しかしメインの輪列よりカレンダー機構の方がはるかにデリケートで複雑である。

そこをズルするには、秒針と分針の軸の間に注油するのが賢い。オイラーでダイヤルにつかないように注意して秒針の軸に少量注油(SYNT-A-LUBE)する。同様に分針と時針の軸付近にも注油するが、分針の転は秒針の1/60なので油切れの可能性は少ない。

これで異音が完全に消えた。個人的にはここまでが普通のユーザーの到達範囲だろうと思う。もちろん、これでは2番車の表裏、3番車の表、4番車の表裏(それぞれ時計学的には逆)の受石に注油ができていない。

しかし工学的には硬質の軸とルビーの間には殆ど注油は殆ど要らないという説もある。それでも、という方のために3番受けをはずす手順を書いておく(お勧めしない)。ラチェットを解除してゼンマイを緩めたあとに香車の角穴車のネジ(順ねじで角穴にはなっていない)をゆるめてはずす。マジックレバーがじゃまになるので2番伝え車のうえにどけておく。

そうすると3番受けを自動巻き機構を含めてはずすことができる。これでダイヤルをはずさずに殆どの部位に注油が可能となる。

さて裏蓋を戻して見ると、秒針は元気良く音も乾いてきたが、肝心の歩度の進みは直っていない。テンプのヒゲゼンマイに油が周り接触して歩度が進んでいるのだろうか。

再度裏ブタをあけてヒゲゼンマイを見ると、最外周で接触している部分があった。油によるものでは無くて最初からゆがみが大きめで、経年変化で接触に至ったのだろう。プラスティックの爪楊枝で最外周の形を整えて、こんどこそ修理は完了である。振れ角も大きく、乾いて元気の良い音がしている。

このアジア製セイコー5を見ると、各パーツは見栄えはともかくかなりの精度で作りこまれているが、注油やヒゲゼンマイの仕上げは最低限のようだ。Webmasterの手元にあるもう一個の調子が良いことを考えると、加工技術が発達した現在でもアタリハズレがあるのだろう。おそらくヒゲゼンマイの整形に手を入れればかなりの精度になると思われる。

価格と、それにかける手間の関係に迷いがあったためか、些細な故障のわりに調子を取り戻すのに時間をかけてしまった。ある意味、完全にコスト割れである。

しかし、寿命のある電池に依存せず、手入れによって長い寿命を持つ機械式時計の魅力を子供に伝えることはできたと思う。その意味では、かけた時間なりの風水学的な教育効果はあったと考えるべきなのだろう。

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?ハテナ?な設計の高級一眼レフのナゾ(CONTAX RTS の修理編)

Webmasterの仕事の範囲でも銀塩カメラは黄昏を迎え、次第にデジカメが主流となっている。電脳技術の進歩により、一般に寿命が長い高額医療機器も更新を迫られる今日このごろである。

古い機械を処分していると、ひょっこり古いカメラが姿を見せる。それは内視鏡用に改造されたカメラだったり、あるいは一般用の一眼レフ+特殊レンズであることもある。

やはり、もっともタフなのはニコンFであろう。20年ぶりに姿を見せたニコンFは、最初の数ショットこそシャッタースピードが遅かったが、すぐに調子を取り戻した。チタン製のシャッター幕も健在である。次にタフなのはニコマートFTNである。最初はスローシャッターのガバナーが固着していたが、すぐに調子が良くなった。

残念ながらニコンに比べて生存率が低いのはオリンパスOMシリーズであろう。もともとニコンに比べ安価であるし、作りも華奢なので生存率が低いのはしかたが無いと思う。

しかし、納得がいかないのはコンタックスRTSモータードライブだ。数千万円のドイツ製機械に付属するそれは今まで3台故障で全滅修理不能で廃棄されており、その価格を考えるとどうしても納得がいかない。

そして、このほど大掃除をしていたところ、またまた壊れたContax RTSが発掘された。ぜひ、今まで全滅のコンタックスの故障の原因を突き止めて修理し、心のモヤモヤを晴らそうというのである。結論を書くと、故障の誘因は全てが重いモータードライブが装備されていた所にあったようだ。

さてカメラの巻き上げレバー付近に大きな凹みがある。レバーがびくとも動かないのは、凹みが干渉しているのだろうか。

さっそく軍艦を開けてみる。参考までに手順を書くと、巻き戻しクランクはパトローネにかみ合う部分にドライバーをかけてねじるととれる。その下のプラスティックねじを10円玉ではずし、さらにねじ3本、隠れたねじ1本ではずれる。

巻き上げレバーは化粧フタをはずしてねじをゆるめる。フィルム感度も同様に化粧フタをはずし、ねじをゆるめる。X接点は周りのリングを回す。あとは軍艦を止めるネジ4本を取り除くとはずすことができる。

しかし、軍艦の凹みは動作自体に干渉していなかった。迂闊なことに、故障は底部のシャッターチャージ機構にあったのである。軍艦を戻した後で、忘れたパーツを見つけて軍艦を再度はずすのは、毎回のことながら実にありがちである。

底板をはずしてみるが、シャッターをチャージする歯車はびくとも動かない。見ると三脚メネジを固定している板がほんのわずか曲がっている

その貧弱な板をはずしてみると、三脚メネジの隣に電磁レリーズを有効にするための電気接点をセットするカムがついていた。このカメラでは三脚メネジへの加重で板がわずかに曲がり、カムが傾いて噛み込んだのである。

そこで板の曲がりを修正するとシャッターはチャージし始めたが、残念なことにプラスティック製のギアは歯こぼれしていた。コンタックスRTSは修理に出しても部品が無いとか修理不能とかで戻ってくる。このカメラはこの板のほんのわずかな曲がりで全損する構造なのである。

今回の故障の原因は、三脚ネジを堅く締めたオートワインダーの重みで三脚メネジを固定する板が微妙に曲がり、カムが歯車に噛み込み、ワインダーが動作してギアの歯が欠けたものと思われる。

通常のカメラでは、三脚のメネジはボディーのダイキャスト、もしくは底板に固定されている。しかし、このカメラでは貧弱な鉄板のブリッジに三脚のメネジがある。それ自体はさほど責めるべきでは無い。

問題は加重がかかる板に、最もデリケートかつ致命的な電磁レリーズ接点のセットカムを同居させたことだろう。値段を考えればこの設計は明らかに問題である。

本来、このカムは三脚の穴とは分離すべきである。同居させるなら、底板を共締めするなど補強をすべきであった。高額でありオートワインダーや重いレンズを装備する可能性が高い機種であることを考えると、トホホな設計である。

さらに構造を解析すると、このカムはもともとメカニカルレリーズではまったく不要な部品であることがわかった。三脚ネジが付いた板を除去しても、シャッターリリースカムを直接動かすと自動露出などを含め完全に機能することがわかった。

要するに、このカムは無用なだけでなくトラブルを呼び込む盲腸なのである。このカムはもともとがメカニカルレリーズで完璧に動作するヤシカ製の安物カメラヤシカエレクトロAXをレンズに見合う値段のポルシェデザインの高級品に変身させるために電磁レリーズを最悪の設計で最悪の部位に追加するためにやってきた盲腸なのである。

リアルタイムシステムと称していても、露光はミラーが上がる前のものであるし、電磁レリーズも電磁石がメカニカルレリーズを押す設計でまったくリアルタイムでは無い。現在のデジカメでもレリーズ半押しで測距や露光がロックされる機構があるが、それができないなど全く意味の乏しい設計である。

通常のレリーズ延長ケーブルが使えないのも痛い。振動を加えないためには、セルフタイマーを使う必要があるし、露出の確認には別のボタンを押す必要がある。つくづく、電磁レリーズは祟るのである。ネットで検索してみると信頼性に対してユーザーの怨嗟が伺える。

もし電子レリーズでなければ、電池が消耗していてもX接点のメカガバナーの速度ではシャッター動作が保証されるのがカメラの生命線なのだが、コンタックスではそれさえも不可なのだ。

このカメラは三脚にセットしたまま倒すと確実に壊れる。三脚のネジを絞め過ぎても不調になる。ブラケットや望遠レンズなどで三脚穴にモーメント加重がかかると壊れる。まずフイルムのコマ送り間隔がバラ付き、次に巻き上げが重くなり、そして最後には固着し、それを無理に動かそうとするとギアが欠ける。三脚が使えない高級一眼レフとは実につらいものである。

というわけで、もし不調なコンタックスRTSをお持ちの方は、この部分をチェックしていただきたい。板の曲がりを修正して歯車を交換すれば直すことができる。ヒントとして、欠けた歯車はヤシカ製安物一眼レフと同じ部品で、ヤシカ製ではシャッターが機械式のために、このセットカムは存在しない。

高価な交換レンズ群をお持ちの方は、ぜひカメラを輪廻させてほしい。ただし三脚穴を使ってはいけない。オートワインダーをはずし、手持ち撮影になるが、それでもレンズには価値があるのでそれなりの用途はある。

蛇足:結局、歯が欠けたギアはハンダコテで整形して修復することができた。なお、安定動作のために上記のカムが押す電気接点の裏のゴムスポンジも交換する必要がある。

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老眼にやさしい風水間接照明のナゾ

最近は電球型蛍光灯が普及してきた。そういえば電球型蛍光灯については、

    ●山本式万年電子電球の製作

で取り上げたことがある。一つ付け加えるとすれば、我が家で同時期に購入した電球型蛍光灯にもかなり寿命に差があることだ。温度上昇のためなのか、蛍光灯の管球にガラスの球が被っているものは寿命が短いようである。一方、蛍光灯が剥き出しのものは明るく寿命も長い。

しかし、である。家族から苦情が出た。むき出しのものはまぶしいというのである。それに、むき出しの明るい照明があるはずなのに、何となく部屋の隅が暗いような印象がある。

考えてみれば当たり前である。写真でも同じことであるが、視野のなかに一カ所明るい部分があると、人間の自動露出機構がそれに合わせて虹彩を絞ってしまう。そうすると、隅の方はむしろ暗く感じるのである。

というわけで、光度の分布を改善するために、管球に反射鏡をつけてみた。何かデザインが良いものを、と探してみると、お菓子に使うアルミニウムのカップがあったので、木工用接着剤で貼ってみた。これだと1枚5円以下なので、使い捨てにもできる。

写真がその様子である。傘の向きは間接照明を効かせたい時には上向き、そうで無いときは下向きがいいようだ。間接の度合いは傘の開き具合でも調節可能だ。

とすれば、Zライトにも応用が効くのではないか?というわけで、試してみたのが写真である。この場合は、傘を上にして深くかぶせてみた。

その結果はなかなか上々である。我々が手術の時に使う照明に無影灯と呼ばれるものがある。これは幅広い範囲から照明することで、手術野に影ができるのを防ぐ仕掛けだが、このZライトの場合もかなり広い光度分布になるようだ。

最初は直接照明より暗く感じるのだが、しばらくたつと広い範囲が心地よく照明されて、本なども読みやすく、ディスプレーへの映り込みも気にならない感じである。

Webmasterは米国で3年ほど生活したことがある。彼の地ではトイレや台所をのぞくと間接照明が主なので最初は暗くて仕方がなかった。そのために照明を追加したりしたが、そのうちに暗さは気にならなくなった。照明には慣れの要素もある。

間接照明といえば、なんとなく光エネルギーを損するような印象がある。しかし、逆に均一な照明が行き届けば、目の虹彩も開いてむしろ明るく感じることもある。ぜひ試してみてほしい。

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お年玉スペシャル−春日大社のお告げ2004のナゾ

疾風怒濤の1年が経つた。

今年のマーケットは大手金融セクターの不良債権処理に目処がつき、注目は地銀に移っている。そして、不良債権は次々と外資の手に底値でおちている。たとえば、不良債権の象徴であったゴルフ場のうち100施設以上が外資の所有になっている。

今年は1999年以来初めてプラスに終わった。今年も昨年と同様に外資の影響下にあるメディアの恣意的な情報に惑わされることなく、かれらの投資ポリシーを知る必要がある。

早速、春日大社のお告げ2002のナゾ

を検証してみよう。昨年のお告げは、

”眞昼間星を捜す 暗中模索脱却か けふはここあすこはどこあさっては 裏を見せ表を見せて散る紅葉”

であった。webmasterは”全般的な景気回復のなかに急成長を見せるセクターがある。一方、成熟した規制産業の中には内情を明らかにしながら黄昏をむかえるものがある”と解釈した。

実際には、企業再生によって急速に経営が改善したセクターがある一方、電力危機によって規制産業の問題点があぶり出された1年でもあった。

さて、マーケット(日経)の推移はどうだろうか。

一月 堅調   X
二月 持ち合い ○
三月 急伸注意 X
四月 波乱   △
五月 下押す  X
六月 底値探り X
七月 横這い  △
八月 ゆさぶり △
九月 だめ押し △
十月 じり高  ○
十一月 上伸  X
十二月 しっかり○

前半はともかく、後半に上伸したので結果オーライというところか。本来は2002年夏に底を打つはずの波動が金融危機、持合解消、年金代行解消によって遅れたものの、外資の買いによって回復したと言われている。

さて、ネットで収拾した2004年のお告げは次のようである。(お告げの著作権は放棄されていると解釈している)。

一月  軟調
二月  一段安
三月  反騰
四月  堅調
五月  上伸
六月  急落
七月  小反発
八月  往来
九月  下押す
十月  底固め
十一月 上向く
十二月 じり高

だそうである。どうやら年初は下押すが後半に回復するらしい。

そして、文言だが、

”政治、経済に うす灯り 腹八分で 慎重姿勢 明日は明日のことにして 寝ませう”

と、ここ数年の厳しい文言に比べると楽観的である。期待されるセクターについての言及も無いところから、全般的に回復するとも読める。

腹八分ということは、深追いせずとも十分な成績が得られると言うことなのだろう。最近ではネット証券の発達により素人が信用取引で思わぬハイリスクをつかむ可能性もある。

Webmasterは依然として再生銘柄に注目している。昨年は外資の動向に注目することで借金生活から脱却できた。従って、今年は腹八分の方針である。

この1年がみなさまにとっても良い年になるよう祈りたい。

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お年玉スペシャル−音楽CDオプティカルダンパーZのナゾ

音楽CDのジッタ−の話はすでに昔話のように感じる。メカニカルな要素に起因するジッタについてはかなり解析が進んでいるが、まだやり残したプロジェクトが残っていた。それは、

   ●音楽CDの音質とジッタの関係のナゾその6(緑に塗ったりカットしたり編)

の解析である。以前よりCDの端を緑に塗ると音質が良くなるという神話があった。個人的にはあまり信じていなかったのだが、ジッタをみると効果が無いことも無い。

もちろん、CDとプレーヤーの軸の噛み合わせでも数値のブレを生じるのだが、マークをつけて噛み合い位置を一定にしてみてもわずかな変化はある。

歴史的にはCDプレーヤーの音質の改良は電気的なものから始まり、次第にメカニカルなものに移っていった。

ハイエンドCDプレーヤーではCDを重いスタビライザーで固定して振動を制御したり、ピックアップの振動を減らす工夫が行われている。

しかし、これらの改良にはコストがかかる。他に何か重要なアプローチが忘れられているのではないか。今回は新たな視点からジッタ軽減法の開発が鋭意進められたのである。

今回の山本式オプティカルダンパーZ(PAT PEND)はレーザーの散乱に由来する光学的ノイズの削減を目的としている。この装置によりCDに毎回処理を加えなくとも主に2KHz以上で最高4dBのジッタ低減が期待できる。

ジッタの低減はわずかであっても決してバカにはできない。それは音楽CDと、それから複製したCD-Rのジッタの差に相当するからである。高級CDプレーヤーはこの程度のわずかな改善に対して高い価格を課している。

もちろん、その差はかなり上等なオーディオ装置か、あるいは電池式のポータブルCDプレーヤーのヘッドホンで感じとれるかどうかの程度である。電池の持ちも100ppmほど改善するかも知れない。

ただし、主にCD偏心やベアリングノイズなどの回転系に由来する2KHz以下のジッタにはほとんど効果が無い。

一方、光学的なノイズが関係する2KHz以上のジッタはオプティカルダンパーZによって減少すると考えられる。

このように、山本式オプティカルダンパーZとはCDピックアップのレンズ近傍の光学的な散乱を効果的に減らす装置である。

もちろん、この装置が地球リソースを消費するならば風水工学の見地から価値は乏しいが、少なくとも風水指数(=地球リソース削減効果/コスト)は無限大に近い水準にある。

写真はオプティカルダンパーZの設置状況である。世間の光学的円盤に対する興味は次期DVD規格に移っているが、依然としてエンジニアリングにはまだまだ工夫の余地が残っているものだ。

それでは、年末年始のひとときをオプティカルダンパーZでより純度の高い音楽を楽しんで欲しい。

なに、オプティカルダンパーの説明が無い? そもそも何も見えないではないか? いやいや、レンズ付近を良く見ていただくと何か見えてくるかも知れない。

蛇足:レンズの枠が黒く塗ってあるのが見えるだろうか。細字の油性ネームペンが良いようだ。くれぐれもレンズ自体に塗らないようにして欲しい。レンズに付着した場合はプロピルアルコールで拭き取ることは可能ではある。

オプティカルダンパーZの前に、ピックアップ付近に散乱を防ぐ射光テープを貼るなどいろいろ試してみたが、意外なことに枠を黒く塗るのが一番簡単で効果が高かった。この方法は光学円盤の殆どの形式で効果があると思われるが、本研究所はこの変造に起因する問題についていっさい担保しない。

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