自宅にある夫のレコード棚からひとつまみ・・・
そんな感じでその時々に気持ちのよい音楽をご紹介します。
棚の奥底に眠る忘れ去られた
そんなレコードが ご紹介できるかも・・・
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vol.9 安井かずみ「ZUZU」

まったりとした雨の日、ふらりと街へ出かけた。
あまりにもお腹が減っていたのでファーストフード店に入り
ハンバーガーをモグモグとほおばっていたら、
隣の席の会話が耳に入ってきた。
20代前半くらいの女の子二人、彼氏の肩を揉まなかったがために、
別れ話となったという女の子に友人はえらく驚いていた。
「3日後にはもとに戻ったんだけどね。でもそれが原因て訳じゃないけど、
今ね他の人ともデートとかしてて・・・分かってるの自分が幸せだって、
すごく幸せだって・・・でもね・・・」
女の子がそう言った瞬間
“しあわせなんか、うそつきだと知ってるくせに〜
また〜 探しているのは私のわるいくせねぇ〜”
と安井かずみの「わるいくせ」が私の頭の中で
グルグル回りだした。
作詞家として超売れっ子だった安井かずみが自ら歌ったアルバム
「ZUZU」(ZUZUは彼女の愛称)に収められてるボサノバ調の
アンニュイな一曲。
う〜ん全くなんて良い曲だ・・・ぜひ女の子にプレゼントしたい・・・
とハンバーガーをモグモグモグ。
先日とあるリサイクル屋で安井かずみの本を3册購入した。
1970年代のもので当時30代だった彼女のいわゆるエッセイなのだが、
そのまま曲がつけられそうな流れるような、だけどちょっと難解な
文章が、70年代という時代性も感じられて面白かった。
例えばこんな感じ
「時間」は人生のディテール。だから、私は絵を学んだ者らしく、
とても注意を払うし、楽しむ。
女だから人生の構図はなかなか図りにくいけど、
テーマは愛・・・そして、光と影の遠近法に、キュービズムが混って、
フォービズムや、シュール・レアリスムまで、
ふと、まとまりのない私の時間の手法を発見する・・・
「かっこいいオンナ」を地で行っていたZUZUの大親友だった
加賀まりこさんが今年の始めに出した「とんがって本気」
という本に、安井かずみについても触れている。
どんなに収入があっても「宝石は男性に買ってもらうもの」
と考えていたような、実はものすごく乙女チックな女性だったらしい。
やがて「かっこいいオンナ」は「かっこいい夫婦」へ。
加藤和彦とのストイックなまでに自分達のスタイルを貫いた
結婚生活についても、この本に少し描かれている。
かっこよく生きるのも楽じゃないね。
彼女が亡くなって早いもので今年で10年。「あんの頃は、ハッ!」
だって「格子戸をくぐりぬけ〜」だって「今日まで二人は恋という名の〜」
だって彼女の作品。女の子の永遠の憧れZUZUの作品をこの秋もういちど
聞き直してみようかな。
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著:キタオカ ヨウコ
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