編集発行人 コサカが贈る勝手きままな
つれづれ日記です。ハッピーな日もブルーな日も
美味しい珈琲で、一息いれてください。

11月9日 満員御礼

<2013年9月 対談風景>

閉店前、心労の為、髪の毛が抜けてしまった
大坊さんが森光さんに「俺にも帽子をくれ!」と
申し出て、無事にゲットした図。




森光宗男メモリアルコンサートに
お越しいただいた皆さま、そして来られなかった
けれども陰ながら応援してくださったり
情報発信してくださったりした方々、ありがとうござます!
おかげさまで、動員数300人超、
予定の枚数が売り切れたなか、なんとか一枚
都合してくださいというお客様の申し出を
断腸の思いでお断りした事務局です。
席が足りないからパイプ椅子を急きょ足して、
それでも立ち見の人がいたくらい盛況でした。
森光さんを慕う人達の層は、こんなにもあついのですね。
あらためて森光さんの偉大さを実感いたしました。


二部の北口大輔さんのチェロ演奏は、さすがの完成度。
楽屋では「一人で弾いてると、今、どこを
弾いてるのかわからなくなるんですよねえ」と
緊張の面持ちでしたが
本番はうまくいったとホッとしておられました。
次のつのだたかしさんのリュート&冨山みずえさんのソプラノは
もう本当にいつまでも観ていたい、聴いていたかった。
グレーのドレスを着た冨山さんは、
女神のように神々しくて美しくて、うっとりでした。
森光さんとご縁のある人は素晴らしい方々が
そろってなさると誇らしかった。


で、問題の大坊勝次×小坂章子のトーク。
相当に緊張していたせいか、私の第一声は
「こんにちは!」でした。
開演午後6時半だから、
どう考えても「こんばんは」なんですが。
それすら気づかなかったパニッカーKでした。
でも、「対談本は、まだできていません」と話したら
それだけで、どっ!と皆さんが笑ってくれた時は
なんか嬉しかったし、ホッとした。
長年の課題だった「笑い」、クリア!
皆さん大爆笑しながら、あたたかく耳を傾けていただき、
私も大坊さんもほんっとに嬉しかったです。
何よりホッとしました。
大坊さんなんて、話し終えて舞台袖に引っ込んだ途端、
スタンバイしていたリュート奏者の
つのだたかしさんの胸に乙女のように頭をあずけ、
「あ〜っ、緊張したあ〜」と脱力していたんですから。
可愛かったなあ。
ええ、このふたり、この日が初対面ですよ。
なのに、この親密度は一体!?
実は、控え室でつのださんが大坊さんに
「大坊さんは昭和22年生まれですか?僕は21年です。
お互い年をとりましたねえ(笑)」と話していたのだ。
その時から大坊さんも、つのださんに
同志のような気持ちを抱いたのだそうです。



大坊さんとの詳しいトークは、
せっかくなので、文章おこししたものを
路地裏でぼつぼつ紹介しますね。
今日は、舞台裏の話をさせてください。
大坊さんとは都合2回、私が作ったレジュメをもとに、
電話で打ち合わせしました。
当初、「ボクは聞かれたことに答えるだけでしょ」と
余裕をかましていた大坊さんですが、
だんだん事の大きさが分かってこられたようで。
コンサート当日の午後4時20分。
福岡空港にお迎えに行ったら、キムホノさんと
大坊夫妻が到着口から出てきました。
若干、足取りも重く、うかない顔をしておられます。
私も同様で、胸に大きな鉛でも抱えているよう。
キムさんとは博多駅で別れ、我らは「あいれふ」へ。
「あのさ、天草のトークでうまく喋れなかったんだよ」
「・・・そうですか」
「うん」
「それ、どんな感じだったんですか」
「うん、ピンポイントの質問をされたんだけど、
それについて、なんかつまらないことしか返せなくって」と
ちょっとナーバスなご様子の大坊さん。
大坊さんも私も基本おしゃべりじゃないし、
私もここ何年か人前で話すたびに笑ってもらえないことを
苦にしてきたので、今回も同じ過ちを繰り返すのかと
暗たんとした気持ちであった。



大坊「ああ、困るよねえ、大体、300人もの人の前で
喋ったことないからねえ。あなた、ある?」
小坂「いや、私もないですよ!前に大坊さんが
森光さんと文化学会で喋った時も、あれは
150人くらいですから、今回の方が多いですもんね」
「あの時は緊張しなかったんだよね、なんでだろ」


「だけど、もうしょうがないですよ。
最初から喋るようになってたし、断わる権利も
なかったですからね。大体、なんで大坊さん
受けたんですか」
「なんでって、日程があったから。
天草から福岡に戻ってくる日だったからさ、
何も考えずに引き受けたんだよ。でもねえ、うーん」
悩む大坊さんと私に、大坊恵子さんが
「まあ、なるようになるわよっ、アハハハッ」 と
あっけらかんと笑いながら励ましてくれるのだが、
私と大坊さんは、緊張のため、目が泳っぎばなし。
せめて気持ちを落ち着かせようと
充子さんがいれてきてくれた美美の珈琲をちびちび飲んだ。




けれど、ここまできたら運命共同体だ。
私は大坊さんに言った。
「大坊さん、とにかく一方が話して、
一方が黙ってるっていうのはやめましょう。
掛け合いみたいに、どんな一言でもいいから
言葉を発するようにしましょう」
「そうだね」
「(内心ホッとして)みんな大坊さんの言葉を
一言でも多く聞きたいわけですから!」
「えっ、それは違うでしょ。あなたのまわりが
そういう人が多いだけであって、300人中、
オレの話を聞きたい人なんて10人いるかどうかだよ。
あとの290人は音楽を聴きにきてるんであって」
「いやあ、10人ってことは、まずないですって」
「うーん。そうなのかな」
「あのですね、とにかく私が言ったことに対して
何言ってんだ?みたいなしらけた態度は
とらないでくださいね。反応してくださいね」
「それは、もちろんだよ!でもさあ、うまく
喋れないんだよ、俺」
「私だってそうですよ。敬語も満足に喋れませんし」
「敬語って、俺に敬語使う必要なんかないよ!」
「あ・・・そうですか。まあそうですよね。
そんなとってつけたようなこと言ってもね」
「そうだよ!」
と、横にいた恵子さんが笑いながら、一言。
「なんか私、ステージママみたいな気になってきた」



実は、このトークを行うにあたって、
私は生涯初といっていいほど真剣に真摯に
神社にお参りしたことを告白します。
神様に「頑張るから助けてください」と祈りました。
前に森光さんが能楽殿で坂田和實さんの
イベントを開いた「住吉神社」を筆頭に、
今泉時代の「美美」の脇にあった「若宮神社」、
そして前日は「太宰府天満宮」&「蘭館」コース。
当日も「住吉神社」へ。
やれるだけやって、あとはとにかく
自分が普段どおりでいることが大切と覚悟を決めた。
服装もしかり、大坊さんへの話し言葉も然り、
とにかく普段どおりを心がけた。
森光さんの肉声が入った美しい「美美」の映像を
みんなで観るところから始まった第一部。
どうなることかと思ったが、皆さんに
たくさん笑って盛り上げてもらい、
大坊さんからも味わい深い言葉をたくさん頂戴し、
もっともっと話を聴いていたかったと、多くの人に
嬉しい言葉をかけていただくことができました。
今朝、友人から届いた感想を大坊さんにFAXでお送りしたら、
「ありがとう、本当に嬉しいねえ」と電話が。


私の友人、感性が素晴らしい方が多くいまして
感想も素敵なのでご紹介させてください。

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とっても良い時間を過ごせて幸せでした。
大坊さんの姿、立ち居振る舞い、発せられる声、
すべてから一つのことをコツコツとつみ重ねてきた人の
静かな強さが感じられて、嬉しかったな。
手が大きかったね。
あの手で、焙煎器をまわし続けていたんだね。
会場があんなに笑いの渦に包まれるなんてね。
一生懸命が故のそこはかとないおかしみ、みたいなものが
そうさせたのか・・。
とってもチャーミングだった。
しょうちゃんと大坊さんの芯にある上品さが
噛み合っていて、とってもよかったよ。
『大坊珈琲の時間』をじっくり読み返してみよう。

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大坊さんとのお話、とても良かったねえ。
大切な言葉がちりばめられていて深い感動がありました。
あんなふうに大坊さんのユーモアを引き出しながら、
場をゆるめつつ、 とても本質的な話ができるというのは
章子さんならではだったし、
対談の雰囲気は普段章子さんの文章を読んでいる
ときの感じそのまんまだったよ。
お二人の話のなかから、森光さんが笑ってるところが
見えるみたいだった。
聞きに行けて良かったです。

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対談本には、あの30分では語りきれなかった
両者の味わい深い話がたくさん入っていますので
早く読んでもらえるようにしなきゃねと
大坊さんと話しました。
紆余曲折ある対談本ですが、これもきっと
何らかの意味があるに違いありませんので、
皆様、もう少しお待ちください。
またトークを文字おこししたのをご紹介しますね。
ありがとうございました。それではまた明日。




                   (編集発行人 コサカ)



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