Flower Lei Aloha Room
レイの神秘(初級の生徒さんの心得)



 ハワイイのフラの大会メリー・モナークは、フラ再興の尽力者カラカウア王のニックネーム 陽気な殿様=メリー・モナークを記念して 大会ネームとしたハワイイの超一流のフラ大会ですが、ここに参りますと、踊り子さんたちは とても美しく煌びやかなレイを身に付けて、頭、首、手首、手足を飾っています。

 頭のレイはレイ・ポオ、首のレイはレイ・アイ、手足のレイはレイ・クペエといいますが、レイの場合も『アロハの心』同様、深くて多様な意味と約束事が内包されているのです。

レイ・ポオは、心が集中する様に
レイ・アイは、声がナヘナヘになる様に、つまり美しく優雅になる様に
レイ・クペエは、身体全体が大自然のマナを戴いて心豊かに踊れる様に、という願いが込められています。

 こうした約束事は、レイを作る植物全体 ひいては自然全体が キノ・ラウ(神の化身)だからです。神から戴く 神の宿る植物のレイは、当然 神の分身となる訳です。そこで それを身に付けると、神からマナが伝わり、そのレイの 身体の位置にふさわしい 神聖な力と働きが 生れてくるのです。

 そして、レイに選ばれる植物は、勝手に決められるものではありません。その時 奉納されるされる オリの中の神々によって 決められるのです。神々の キノ・ラウ である植物が、そのオリにふさわしいものとして、精密に定められているのです。

では その代表的な植物について 見ていきましょう。



■まずはマイレです。
祭壇を飾るレイは 神への崇拝と お清めをするために マイレを捧げます。(これは京都のアオイ祭の神官が烏帽子の上に差すアオイのかずらと同じ発想です。)

 そして マイレは当然、様々なチャントの貴重なレイとして 登場しますが、それにも、ちゃんとした決まりがあるのです。
例えば 神話の中で死者(ロヒアウ)の魂を蘇らせた 女神ヒイアカをたたえるオリ(朗唱)の場合、マイレなら何でも良いわけではありません。
マイレには 色々な種類があり、ハワイ島産の葉の大きい マイレ・ラウ・ヌイ や、オアフ島産の葉が中位のマイレ・ラウ・リイ、そして カウワイ島産のマイレ・ラウ・リイリイ等がありますが、ヒイアカの神話を讃えるメレには、マイレ・ラオリ・イリイ を戴いてレイを作るそうです。

そして これ等のマイレは 香りが大変高貴で、これを身に付けて踊ると 香りの渦があたり一面に拡がり、見ている人々は、その香りに陶然となります。ハワイアンは その香りも キノ・ラウ だと信じています。
マイレの匂いがしたら そこにはフラの女神ラカの神殿があるといわれるほど、マイレは女神ラカの化身だとも されているのです。
ですからダンサーは、フラの大会等に於いては マイレを身に戴いて、常にフラの女神ラカに 深い敬意を示すのだそうです。



■次はハワイ島を象徴するレフアです。

火山が噴火した後、一番最初に根付くのがオヒア・レフアです。
オヒアは風に乗って 溶岩に辿りつき、懸命に岩の隙間に根を張り 岩を砕いて土を作ります。その後で色々な植物の種が又やって来て、その土に根を張り、更に土を豊かにします。何万年か判らない程の歳月を経て、溶岩の島は熱帯雨林の島となります。
そこへ虫が来て、鳥が来て、やがて人間がやって来ます。
つまり オヒアは ハワイイ諸島での 生物たちの先達であり 果敢なフロンティアの旗じるしなのです。
そこでレフアは 不滅のシンボルとして、火山の女神“ペレ”と、フラの女神ラカのメレに使います。今でもハワイアンは“レフア”を摘む時は、ペレにオリを捧げてから摘みます。“レフア”は力のシンボルで、昔は王族のための高貴なレイと定められていました。
 

■次はティです。
ティは神々の力の象徴として、神聖を公布するシンボルです。
フラの大会など 人の集まる所では、カフナ(聖職者)は現在でも 2本のティ・レイを首にかけ、悪魔祓いをします。

悪魔は人の心に 嫉妬や悪意を生み、その視線で人を傷つけるからです。(こうした考え方は、古来から 地中海沿岸 や中近東にもあります。)
そうした邪心を 清々しい心に変えるのが ティの力です。

ハワイアンは今でも良い未来を願って 家の周りに“ティ・ソープ”を栽培します。そして気分が優れない時などは ティを煎じて飲むそうです。
その他 物を包んだり、料理、屋根、ロープ、サンダル、バッグ等々、日常生活用品としての用途は多様です。
ティはオヒアレフアやマイレと共に レイの原点となるハワイイ古来の植物です。


■次はニイハウ島を象徴するシェルです。
勿論ニイハウ島に伝わる神秘のチャントにはかかせません。ニイハウ島はカメハメハ5世の時代に、今の所有者のロビンソンの祖先が シンクレアー夫人と1万ドルで手に入れたものです。以来禁断の島となりました。それだけに、唯一ハワイイ語が日常語として使われている ハワイイ文化が色濃く残っている秘境です。

その浜辺や岩場で 嵐の高波で打ち上げられるのが、ニイハウシェルで、高級な宝石店で扱われる貴重品です。カヘレラニ貝、モミ貝、ライキ貝がありますが、この中で古代のニイハウの酋長の名の付いたカヘレラニ貝が最高級品とされています。

そして、ニイハウ島の女性たちは、婚約をすると 結婚式の一年前から ニイハウ・シェルのレイを作り始めます。
20連ほどのレイを飾り付けた花嫁は 華麗をきわめ、そして面白いことに そのレイは花嫁の能力として 持参金として 評価されるそうです。

またニイハウ・シェルのレイは、真珠と並んで古来から王族たちに愛され、殊に、カメハメハ4世の王妃エマラニや 王朝最後の王女カピオラニは、幾重にもかけて、こよなく愛したそうです。


■次はカウアイ島の象徴 モキハナです。
モキハナは カウアイ島を象徴する木で、カウアイ島の森の中のみで育ちます。ですからモキハナのレイを 他の島で見る事は ほぼ出来ません。モキハナのレイは オレンジ科の香りの良い木の実で 大変希少価値のあるものです。そしてロヒアウとペレとヒイアカのメレには 必ずモキハナが使われます。

余談ですが小笠原諸島の父島には この貴重なモキハナが自生しています。明治初頭、白人5名がこの無人島に ハワイイ人を20数人連れて移住してきました。その折カウアイ島から渡ったのかも知れません。


■次はオアフ島の象徴イリマです。
このイリマのレイを身に付けたのは、神話に出てくる女神ヒナです。巨大な鰻クナ・ロアに、暗いほら穴に閉じ込められたところを 息子の半神マウイに助け出され、ヒナはその喜びに 黄金の花イリマのレイで身を飾ったのです。
また女神ラカはイリマに変身すると言われており、こうした神秘のチャントにはイリマが使用されます。

そして イリマのレイは アパパネや オオの小鳥たちの 羽毛で作るレイの代わりとして、オオ鳥たちが絶滅してからは、アリイ階級(王族)のレイとして愛されました。
羽毛のレイ同様 大量の花びらと 迅速で高い技術を要するイリマのレイは 大変貴重なものなのです。

ここで一寸 羽毛のレイについてお知らせします。
古来 宝石のなかったハワイイでは、王族たちは己の高い地位を誇示するために、オオ鳥などの羽毛を何年もかけて大量に集め、何年もかけて緻密な作業を重ねて、現在では判らないような精巧な技術で、美術品 芸術品ともいえるレイを作りました。それは気の遠くなるような作業でした。

たとえば 王族に皇子が生れると、すぐ羽毛を集め始め、成人して親の座を引き継ぐ時までに完成させるといった作業だったのです。
そのために 美しい小鳥たちは、次々と乱獲されて、遂に絶滅したのです。今では アヒルやガチョウや鶏の羽毛を染めて、作っているそうです。

ビショップ博物館に展示されている 豪華な芸術品 羽毛のレイには、小鳥たちの悲しい声が聞こえてくるようです。


■次はモロカイ島の象徴ククイです。

モロカイ島は友好的な島と言う意味で、ハワイアンが マルケサス諸島から大航海の末に 最初に移住した島と 言われています。
その折に ククイは移植されました。
大航海の技術、星の観測、雲の色、風の匂い、波のかたち、等々の
様々な技術は 海の神カナロアが人間に与えたと 神話に記されています。
ククイは、こうした神話のメレに選ばれると思います。(ククイのキノ・ウラの神を知っている方は どうぞ教えてください。)

ククイもマイレと同様 生活用品として貴重なものでした。
根 葉 そしてその樹液は、皮膚炎や水かぶれの治療として使われ ククイナッツのオイルは カヌーや漁網の防腐剤として使用されました。


■次は、ラナイ島の象徴カウナオアです。
パイナップルの島と言われたラナイ島では (最近はリゾート開発に転換中) カウナオアがオレンジ色のアサガオに寄生して、黄金色のツルを張りめぐらしています。カウナオアは ラナイ島だけではなく、ハワイイの島々に 火の女神ペレが贈りものとして、ピーチに小さな花を咲かせたと神話に記されています。したがって、カウナオアはこうした神話のメレに登場すると思います。

レイの作り手 ナンシー・フラの話にカウナオアの不思議なお話があるのでお知らせします。
ナンシーは、ある夫婦にカウナオアのレイを頼まれました。
素材として、子供がカウアイ島生まれなので そこのカウナオアを、母親は ライナー島生まれなので そこのカウナオアを、そして父親はハワイ島生まれなので ハワイ島のカウナオアを、一緒に編んで欲しいと頼まれたのです。

ナンシーはカウナオアを三種類よくねじって、レイを作りました。
ところが翌朝になると レイはほどけてしまっているのです。それは何度やっても同じです。不思議な結果に「カウナオアは同じ島の家族としか 一緒になりたくないでしょう。」と言うのがナンシーの結論です。


■次は、カホオラヴェ島のヒナヒナです。
カホオラヴェは 不毛の島と言われるだけあって、このヒナヒナを見つけることは大変です。
何故かと言うと、この島は第二次世界大戦の前に アメリカ海軍の爆弾投下の演習場として 接収され、島は荒廃してしまったのです。「カホオラヴェ・オハナ保護」と言うボランティアの努力によって、現在はハワイ州に返還されました。返還の日、400人のハワイアンは島に対して癒しの祈りを捧げ、ハワイ諸島の原産の植物を新たに移植しました。

そしてカホオラヴェ島は 文化と自然保護の場所として指定され、ハワイアン先住民の 健全な宗教の場として、教育・科学・そして文化活動に再出発する島となりました。
これからが楽しみな島です。ハワイアンの健闘を祈りたいと思います。

さてこの島の神話ですが、
この島はハワイ島の火山のペレの住家と並んで、海の神カナロアの神聖な住家だと信じられています。
従って、ヒナヒナは、こうした神話に登場すると思います。
ヒナヒナのレイをご覧になられたら、レイにかくされたハワイアンの歴史的な痛みに共感し、カホオラヴェ島の再建に応援歌をおくりたいと思います。


■次はピカケです。
この花は中国からハワイイに持ち込まれた花です。
華やかな行列が行進するパレードで、その昔、クイーンとプリンセスは、約150cm もしくは約180cmの長さの 20本もの ピカケレイを 付けたと言われています。ピカケは女性に捧げられた花で、結婚式では ほとんどの花嫁が人々から祝福されて、ピカケのレイを贈られました。
このようにピカケレイはロマンチックなレイで、1本もしくは2本は「友情」、3本もしくは4本は「ロマンス」、5本または6本は「求愛」、6本以上は「私は花嫁」という意味になるそうです。
勿論、「恋」のチャントにはピカケレイです。
(また この花は、フィリッピンとインドネシアの国家の花でもあります)


■次はマウイ島の象徴ロケラニです。
マウイ島の人々からこよなく愛されたバラは、島を象徴する花に 淡紅色でピンク色のバラを選びました。宣教師によって初めて持ち込まれたバラは、その蕾がレイを作るのに長持ちする事と、香りが素晴らしい事、美しい形がくずれない事で高く評価しました。



以上、レイに込められた 神々の「キノ・ラウ」のお話しをしましたが、キノ・ラウは ハワイだけのものでしょうか。実は日本にも太古の昔からあるのです。

大国主命や、三輪そうめんで有名な 大神(オオミワ)神社の御神体は、三輪山そのものが御神体なのです。
ですから その御神域の植物を取ることは 今でも禁じられています。
また 御神木の話では千早船の伝承があります。そして 東京 巣鴨のとげ抜き地蔵さんのお札信仰はキノ・ウラだと思います。お札信仰に似た話はハワイにもあります。

病気になったら、海でオリを朗唱して、リム・パハパハと呼ばれる海草を取ります。
それでレイポオを作り、首にかけ海に頭まで潜るように浸ります。すると首にかけたレイが浮かび上がりますが、これで、病気の源がレイと一緒に 病人から離れるのです。その海草のレイを煎じて飲むと 病気は一層よくなると言うのです。


 これでレイが、ただの装飾品でない事が お判りいただけたと思います。
 ハワイアンはレイをキノ・ラウ(神の化身)だと思ってきました。ですから本来は、レイはお店で買うものではなく、山野に入って大自然そのものの キノ・ラウに感謝のオリを捧げて 必要な分だけを戴き、オリを唱えながら編み上げるものなのです。

 そして、そのレイの使い方も厳密に言えば、どんな時期、どんな島で、また、どんなチャントに、と総合的に判断されて決まるのだそうです。二重、三重の条件を満足させて選ばれるレイ、レイの文化はすごいと思います。

 それから、レイをプレゼントするのにも決まりがあります。
レイを人に差し上げたりする時は、レイの輪をほどき一本にして渡してください。戴いた方は、そのレイの両端を結び輪にして、オリをとなえながら自分で身につけてください。
 (これはカウアイ島のレイづくりの伝承者でビショップ博物館にお勤めのディナ・カウアイ・イキ・オローレスさんのお話です。)

そうは申しても、レイを自分で作る訳にはいけません。そして、売られているものは、ほとんどが輪になっています。でも出来ることならフラの伝統は守りたいと思います。プレゼントするレイは一本物のレイを探しましょう。


 レイについての学習は、まだまだ奥がありますが、今回はレイは単なる装飾品ではなくキノ・ラウ>であることを学習してください。

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