〜探訪記その1〜

清水クリニックが開業移転しました



 福岡緩和ケア研究会の世話人のお一人、清水大一郎先生のペインクリニック「清水クリニック」が、12月7日、福岡市南区横手に移転開業となりました。で、早速、その翌日「福岡緩和ケア研究会専属編集部員」は取材に行ってきました。小早川先生の新しいBMWに、やすらぎ病棟の宮尾和代主任と古野が同乗。

 「小早川先生、場所わかってます?」
 「うーん、この道でしょう、たぶん。香蘭短大を目指していけばいいって聞いたから」
 そうです。天神からでしたら、香蘭女子短大を目安に福岡筑紫野線をまっすぐ来ていただければすぐにわかります。「ぴーこっく」の角を曲がると、住宅地を100メートルも行かないうちに「博多温泉清水園」と屋上に大きな看板がかかった建物。
 「そうだ、ここは博多の奥座敷だったんだ」
 「お正月に近場でゆっくりなんていいなあ……」
でも、今日は取材。清水クリニックは温泉とセッティングされたように道をはさんで木の香も新しく建っています。ここは先生の「父祖の地」、那珂川の上流の田園地帯は古い土地柄と聞きます。そういえば、邪馬台国はここら辺だって力説してた人がいましたねえ。

 先生は白衣を脱いで待っていてくださいました。この日は土曜日、昼から休診で先生が世話人をされている「ファイナルステージを考える会」の定例会もあるのに、押し掛けてきてすみません。

 クリニックは2階建ての奥行きが深い細長い棟。所狭しとお祝いに贈られた植木が置かれていてちょっとお花屋さんみたいです。玄関は吹き抜けになっており、柔らかな自然光が差し込んでいます。
 待合室はぐるりと壁に添って作り付けの腰掛けになっていますが、座る部分は畳地。「あいた、た、た、た」と必死でたどり着いた患者さんが、「ああ、やれやれ。ちょっとすみません」と言ってごろんと横になる姿が目にうつるようです。正面に掛かる大きな絵は、日本画家・殿村進に先生ご自身が注文されたとか。「気」というテーマに緑深い山野と天空に日月、神仙が合い和した雄大なコスモロジーが描かれており、先生のバリアフリーな医療哲学が垣間見えるような気がします。

 院内ももちろんバリアフリー。診察室につづいて、診療ベッドが右側に5台、左側は理学療法を受けるためのベッド。淡いピンクとベージュのカーテンでそれぞれ仕切られていて、診察が終わった人に「ピンクのカーテンの2番にはいってください」などと、わかりやすく案内できるようになっています。通路を仕切るように太い白木の柱が間隔をおいて立っており、腰を伸ばして立とうとする人の助けになりそうです。

 清水先生に案内されて2階に上がると、大きなテーブルを中心に置いた広々としたミーティングルーム。間仕切りの向こうは、簡単なキッチンと冷蔵庫。その向かいはパソコンを載せた大きなデスク。ここは主に「ファイナルステージを考える会」の事務局として機能することになっており、いずれは地域の人のための健康教室の開催など計画されているようです。広いミーティングルームのドアの奥がスタッフの控室と院長室。控室は、ナースが足を伸ばして休めるように畳敷きになっています。

 病院の窓にかかるカーテンはすべて温かな黄緑色。全体にやさしいパステルカラーが基調となり、床や家具類の明るめの木肌によく合っています。それにしても、最近の病院のアメニティーはすごい。ひたすら白く冷たく清潔だった病院のイメージは前世紀のものになりました。
 清水クリニックの患者さんを包み込むようなアメニティーは、「痛み」という直接的で個人的な感覚をいかにやわらげるか、痛み治療のプロならではの細心の注意から生まれたもののようです。

 清水先生のお話では、往診や在宅ホスピスケアはもちろん、お隣りの博多清水温泉園などを利用した新しい滞在型ペインクリニックも将来の構想にはいっているようで、緩和ケアの南区の拠点となる病院になることは間違いなさそうです。(2001.12.25)



●所在地
〒811-1311 福岡市南区横手2丁目8番7号
TEL.092-502-6767
FAX.092-502-6868

●交通アクセス
 西鉄バス……天神〜横手1丁目バス停下車、徒歩3分
       大橋〜折立バス停下車、徒歩3分
 西鉄電車……西鉄井尻駅下車、徒歩10分

●付近の略図

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