解説

日本で独自な発達をした照明具。細い割竹(ひご)をらせん状にして骨とし、それに紙をはって製作する。光源は、ロウソクを用いる。室町時代に禅家によってひろめられたので宋音によって「ちょうちん」とよばれた。室町時代の辞書<下学習>に「挑燈」の字があり、竹かごに紙を張って中にロウソクを点じたかごぢょうちんのようなものをさした。日本では16世紀後半に、たためるかごぢょうちん、17世紀初めに箱ぢょうちんができ、そして17世紀半ば過ぎには、ぶらぢょうちんができた。やがて円筒形のものや上下シンチュウ製のものも現われた。さおの先につけるちょうちんを高張(たかはり)といい、弓状のわくを取り付けたものを弓張ぢょうちんといった。盆用には、切り子灯籠といわれる異式のものも生じた。また風雅なものに岐阜ぢょうちんがあり、特に骨が細く紙は極めて薄く、それに花鳥、風景、人物などの絵を描き、その形は、球形、棗(なつめ)形で、観灯、装飾、盆ぢょうちんなどとして用いられた。小田原ぢょうちんは、神奈川県小田原に産するちょうちんで、引き伸ばすと細長い円筒状となり、用のないときには小さく折りたたむことができるもので、江戸時代に小田原に住む甚左衛門という者が、最乗寺山中の木材ではじめて作ったといわれ、18世紀初めごろから諸地方に広まった。
平凡社 刊  「国民百科事典」 より