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2016年5月31日 今すぐ瓦を外そう     

熊本大地震を視察に行ってきたうちの専務が先日の朝礼でこう言った。
「院長が以前言っていたことは正しかった。潰れていた家は例外なく重い瓦屋根の日本家屋でした。」

以前私が言ったこと、それは2007年の新潟沖中越地震を受けて書いた日記の一文である。その部分を抜粋して記す。
http://www3.coara.or.jp/~makoty/als/drdiary/2007diary.htm

また大きな地震が昨日中越地方を襲いました。3年前の最大震度7の大地震があったのは山側、今度は海側が震源地のようです。まあこれで歪は修正されて当分 地震が来ないのならまだましなのですけど。地震の映像を一日眺めて思うことは、古い日本家屋が、屋根だけ残して見事に潰れていることです。これはどう見て も屋根が側壁を押し潰したとしか思えません。日本家屋の特徴は瓦屋根ですが、これが木で出来た家の強度に対し、重すぎるのではないでしょうか。中東に大地 震が来ると、石積みの家が軒並み壊れて、多くの死者が出ることが報道されます。どうしてそんな危ない家を作るのか、という疑問が出ますが、実はわが国もほ ぼ同様の危険な状況ではないかと思わされます。なぜあんな重い石みたいなものを家の一番上に並べないといけないのでしょうか。瓦屋根全体の重量は相当なも のでしょう。これが家の一番上で揺すぶられて慣性重量を発揮したら、下の側壁や柱もひとたまりもないと思われます。古い日本家屋は即刻瓦を外すというの が、側壁を補強するなどの対策に比べて、有効かつ経済的な地震対策ではないでしょうか。あとはトタンか塩ビのスレートにしておけばずっと重量は軽く出来る と思います。家に、というか屋根に押し潰されないように、古い日本家屋は即刻屋根から瓦を取り除くべきです。 

もちろんその土地に震度7が明日来るかどうか誰にもわからない。しかし万一それが来たら、そういう家屋は必ず潰れることを覚悟しなければならない。そのようなロシアンルーレット状態で暮らすというのはメンタルにもよいはずがない。今回地震の規模の割りに、あるいは潰れた家の多さのわりに死者が少なかった。それは1度目の地震のあと、車中泊や避難所にいて家の倒壊にまきこまれずに済んだ方が多かったからと言えるのではないだろうか。家に戻って本震で家が潰れ、亡くなった方がいたとも報じられている。しかし逃れた方はさらに多数に上っただろう。その方々にとっては、前震が警告の役割を果たしてくれたわけだ。

そのような家に住まわれている方は、即刻瓦を落とした方がよい。無茶を言うようだが、かわりにブルーシートでも取りあえず張って雨露を防ぐとよい。そのことによって建物崩壊のリスクは大幅に減るはずだ。少なくともリスクは下がりこそすれ上がることはありえない。大分は先日の地震では別府や湯布院の一部を除いて特段の被害はなかった。しかし見渡してみれば、震度7が来たら倒壊するだろうなという家屋はまわりを見渡すと実に多い。とくに農村部ではそれが主流である。これらの重い屋根瓦の家屋は、そのような大地震が来たらまずもたないだろう。いつくるか分からない大地震である。だからこその即時の対応が望まれるのだ。建設業界の方々に申し述べたい。瓦屋根を軽い素材に仕替える工事をリーズナブルな価格で提案すべきだ。大きな需要があると考えるがどうだろうか。無論オプションとして柱の強度を増すとかいろいろバリエーションを組んで提案するのもよい。大きな仕事になるのではないだろうか。
でも私は取りあえず、今すぐ瓦を外すことを提案したい。すぐ出来ない方も絶対に下の階では休まれないでほしい。