定期的な分解洗浄作業(ギアまわり) 2001年3月28日(水)

自転車の駆動系のメカは、当然のことながら走れば走るほど汚れます。
「駆動系の汚れは、走り屋の勲章だ!」などと言わずに、日ごろから綺麗にしておきましょうね。

自転車の汚れ方はケース・バイ・ケース。それに伴い、洗浄方法もケース・バイ・ケース。
土砂降りの雨の中を長々と走った後であれば、フレームの中に水がたまっている可能性が高いので
ボトムブラケット(クランクの軸受け部品)を外して水抜きしなければいけませんが、今回は
そこまでのダメージを受けていないようなので、クランクは外さずにギア歯のみ外して洗浄します。



六角レンチで、チェーンリングを固定しているピン(5つあるので「ファイブピン」と呼ばれています)を抜き
チェーンリングを外します。インナー(小さい方)のチェーンリングは知恵の輪の如くクランクをかわして抜きます。



続いて、リアディレイラー(リアメカとも呼ばれます)のプーリーも外します。
この時に、二つあるプーリーのどちらが何処に付いていたのかを忘れないように確認しておきましょう。



もし判らなくなったときは....機種にもよりますが、最近のものでしたら
歯先が横方向に僅かにスライドする構造になっている方が「ガイドプーリー(或いはアッパープーリー)」で
そういう構造になっていない方が「テンションプーリー(或いはロワープーリー)」と見ていいと思います。
ちなみに、上の写真で六角レンチを差し込んでいる方のプーリーが「テンションプーリー」です。



ここまで分解したら、先に自転車本体の駆動系パーツの周りをウェスで拭くなどしてキレイにしておきましょう。
普段、手の届かないところにまで指が入りますからね。いい機会です。



さて、外したチェーンリングの歯先を洗浄しますが、この作業は
チェーンの洗浄と同じく、灯油を含ませた歯ブラシでブラッシングして汚れを落とします。



ひとしきりブラッシングしたら、ウェスで丁寧に拭きあげましょう。これでピカピカになります。



ところで、このシマノのDURA−ACEのチェーンリングですが
2年半ほど使い込んだら、下の写真のように表面のメッキが剥がれて来ました。
不思議と、歯先の方はなんともなくて、腕?の部分のメッキだけが剥がれ始めています。



同社の最高級グレードのパーツなのですが、なんともお粗末な表面処理です。
ま、見た目は悪くとも変速性能は保ってるようなので、このままでも十分使えますけど
磨いて、飾って、眺めて楽しみたい悦楽派サイクリストにはキビシイですね。コレ。

分解ついでに、ファイブピンの汚れも拭き取っておきましょう。



つづいて、プーリーの汚れですが、歯数も少ないのでウェスでせっせと拭い取るだけにしましょう。
もし、プーリーの回転軸付近のグリス(下の写真を参照)が黒ずんでいたり流れ落ちたりしていたら
歯ブラシで古いグリスを拭い取って、新たにグリスアップしておきましょう。



キレイになったら、それぞれ組み立てに入ります。まずはリアディレイラーから。
プーリーの種類と向きを間違えないように注意しながら組んで下さい。



チェーンリングにも向きがあります。裏表もさることながら、位相もあります。
このDURA−ACEのインナーチェーンリングには三角の刻印があり、それが
クランクの裏に隠れるようになっています。



この辺りはメーカーや機種によってまちまちですので、分解するときに確認しておきましょうね。
バラせたけど、組めない。....初心者が陥りやすい落とし穴です。

チェーンリングを固定するファイブピンですが、閉め込む時には(緩める時に必要になることもありますが)
六角レンチと共に、ナットの空転を抑える専用工具(ペグスパナなどと呼ばれます)を使います。



細かい話ですが、この5つあるピンを締める順番のお話。

まずは5つのピンを全て緩く仮止めして、本締めの段階では
「対角線に締めていく」という基本に沿って、星型に締めていきましょう。

それじゃ判りにくい? クランクを回しながら、一つ飛ばしに締め込んでいけば、自然とそうなりますよ。



歯先が全てキレイになったところで、先日から乾燥させていたチェーンを通しましょう。
このシマノのHGチェーンは専用のアンプルピンを使って繋ぎますが
他のメーカーのものなど、チェーンの銘柄によって違いますのでチェーンの取扱説明書を参照して下さい。



チェーンを繋いだ直後というのは(モノにもよりますが)たいがい繋いだ個所の動きが固くなっています。
そんな時は、下の写真のように六角レンチと千枚通しを使ってチェーンを軽くひねってやると
固く締まっていたリンクが開いて、緩く滑らかに動くようになります。



最後に、スプロケットもホイールから外してキレイにしておきましょう。
スプロケットが空転しないように「スプロケット回し」で保持しながら
専用工具でスプロケットのロックリングを外します。



スプロケットを外したら、フリーボディについた汚れをウェスで拭い取っておきます。
決して灯油などをかけて洗ったりしないように。内部のグリスが流出して傷んでしまいます。



スプロケットを外したついでに、まわりのスポークやハブを
ウェスでキレイに拭き上げておきましょう。



スプロケットの洗浄も、他のギア歯同様、灯油を含ませた歯ブラシで汚れを落とします。
歯数がダントツに多いので、けっこう手間がかかりますが、丹念に磨き上げましょう。



ひとしきりブラッシングしたらウェスで拭きあげるのですが、指の入らない狭い隙間は
下の写真のように、足でウェスの端を踏み、反対側の端を左手で持ってピンと張ったところに
スプロケットを差し込んで上下に動かすとキレイに拭けます。



キレイに拭きあげたら、再び組み戻しますが、ここで
フリーボディにグリスを薄く塗るか否か? ここは人により意見が分かれるところです。
塗らなくても支障は無いと思いますが、撥水効果を持たせる為に私は塗ります。



スプロケットは、差し込む順番さえ気をつけて組めば、フリーボディに独特のスプラインを切ってあるので
裏表や位相の間違いは起きないと思います。....が、ひろい世の中、例外はあるかも?



スプロケットを順序良くきちんと組めたら、ロックリングを締め込みます。



ちなみに、モンキーレンチの回転方向に関しては、
上の写真の使い方(時計回りに回しています)が正しいという人と
いやそれは逆だという人の両方が居りますが、某工具メーカーのサイトでは
可動する下顎が先を行く方向(上の写真の噛ませ方だと反時計回り)に回すようにと記述されていますので
それが正しいのでしょう。きっと。

実際のところ、私は時々モンキースパナの向きなど気にも留めずに使ったりしてますが
もう6〜7年ほど使っているこの300mmモンキースパナは、びくともしません。
さすがに、大きなトルクをかけるボトムブラケットの作業などでは向きを合わせて使うように心がけてますが
エンドユーザーがたまに使う程度なら、さほど神経質になることも無いかも知れませんね。けっこう丈夫です。

(終わり)


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