気ままにお花見ツーリング 2001年4月1日(日)

最近はイベントへの参加やクラブランが多く、久しぶりにソロでのんびりとツーリングを楽しみました。
自称「気まぐれ日帰りツーリスト」の気まぐれぶり全開!?な珍道中。たっぷりとご覧に入れます。

4月1日の朝。今日は竹田へ花見に行く予定を立てていました。
それが、目を覚ましてふと時計を見たら、なんと午前9時。

「あ、寝坊した。」

なんとも先の思い遣られる展開。しかし、そこは気楽なソロツーリング。
じっくりとストレッチングしながら、竹田までのスケジュールを考えます。

「正午までに岡城阯に着けば、出店のメニュー(食材)は全て残っているはずだ。」

真っ先に食い物の心配をするあたり、まさに「花より団子」である。
自転車の装備は昨晩のうちに済ませてあるし
ウェアもテーブルの上に畳んで置いてある。用意は周到。
準備できていないのは、鏡に映った寝ぼけ顔だけ。ああ、情けなや。
バタバタと家を出たものの、忘れ物に気がついてまた家に戻る。ああ口惜しや。
再び家を出たのは、午前10時でした。

「2時間で、竹田へ着くはずが無い。」

もう、どうにでもなれという開き直りの心境で、ペダルを漕ぐ。
今日の相棒は、ハンドルステムを取り替えたばかりのシクロクロスバイク。
このハンドルポジションのチェックも兼ねてのツーリングです。
今日は若草児童公園の横を通って河川敷のサイクリングロードへ接続しました。



この公園の桜もかなり見頃という感じ。今年の竹田は、期待できるかな?
少しだけ、ペダルを踏む足にも力が入ります。
番匠川のサイクリングロードは、菜の花で春の色に彩られていました。



今日のコースは、再走査が未完のままだった県道35号(三重弥生線)を使って
弥生町から三重町へと渡り、三重町から国道502号線で竹田市へと向かうというもの。
竹田からの帰り道は、その時になって考えようという気ままな旅です。

さて、そんなわけで県道35号(三重弥生線)に乗りましたが、
以前のレポートで取り上げた本匠村の大水車までは割愛しましょう。

その大水車のすぐ先に「小半(おながら)鍾乳洞」があります。
小さな頃に一度、中に入った覚えがあるのですが、既に遠い記憶の彼方。
どんなだったか、今となっては思い出せません。
近年、付近の河川敷が整備されて河川公園となっています。夏はここで涼むのもいいかも。



更に数キロ、県道を奥に入っていくと「ホタルの里」があります。
ここはホタルの生息地で、毎年6月ごろ、夜になると見物に来る人で賑わいます。
聞いた話ですが、車のライトを消して、ハザードを点滅させると
それに呼応して辺りのホタルが一斉に光り始めるとか。ホントかな?



「ホタルの里」を過ぎると、ほどなく分岐点にさしかかります。



ここから左に伸びる道は県道53号(野津宇目線)で、宇目町の千束という地区で
県道39号(小野市重岡線)へと接続します。
このコースは、私が組んだばかりのロードレーサーのテストに使うコース。
全行程60キロ余りのトレーニングにも使えます。そこはまたいずれ別レポートにて。

この分岐からそのまま県道35号(三重弥生線)の奥に入っていくと、
三重町との境界に至るまでは枝道天国?です。右に左に妖しげで魅力的な枝道がイッパイ。
ただし、どれを選んでも全て急勾配の登り坂が待ち構えているので
ギアレシオの高いロードレーサーで迂闊に乗り込むと、まさに天国(地獄?)を見れます。

思っていた通り、以前訪れた時に行われていた復旧工事は3月末までに終了したようで
通行止めの看板が取り除かれています。再走査を4月まで待った甲斐があったというもの。
我が意を得たり、とそのまま奥へ奥へと歩を進めていきます。



お気に入りのコースと言えど、そんなにしょっちゅう通っているわけではないこの道。
既にコースの状況など記憶の彼方で、走りつつ「ああ、そういえばこんなだったなあ」と
少しづつ記憶を蘇らせながらの再走査です。



まずは、野津町へと抜けている県道53号(野津宇目線)への分岐です。この道は
佩楯山と石峠山の間をすり抜けているのですが、これがセメントで塗り固めた急勾配の道。
もしお望みとあらば、このルートの途中に、佩楯山と石峠山のそれぞれへと登る枝道もあります。



さて、そんな極悪な枝道は放っておいて、このまま先へと進みましょうか。

弥生町から入って、最初のうちは初心者向けの緩やかな道。それが
奥に入っていくにつれて勾配はきつくなり、道幅は狭く、路面も荒れはじめて
だんだん中級コースといった風情になってきます。

 

三国峠への分岐を境に、県道35号(三重弥生線)は下り勾配へと転じます。

この枝道ですが、標識にも出ている樫峰の奥に「番匠川の源流点」があります。
ここもかなり勾配があるので、初心者がロードレーサーで入り込むと自転車を押して登る羽目になるかも。
逆に言えば、ここをロードレーサーに乗ったまま越えていける様ならあなたも健脚派の仲間入り?

さて、話は再び県道35号(三重弥生線)に戻ります。

弥生町から走り始めて、延々と登り基調だったのが
ここに来て下り坂の出現。やれ嬉しや、登り坂はもうここまでで終わりか?



そんな甘いことを考えていると、トドメを刺されますよ。

このルート上で最も過激な急勾配は、弥生町から三重町へと境界を越えていった、その先にあります。
ほんの僅かの区間ですけどね。



市区町村(県境もそうですが)の境界というのは、地形に則している事が多々あり
たいがいその境界線というのが峠や丘の頂上だったりします。
ところが、ここは少し違うんですねぇ。

境界を越えたからといって安堵していると、その先に
短い区間ではありますが、かなりの急勾配がついた登り坂。ここばかりは
ローギヤードに組んだシクロクロスバイクに救われる思いがします。

ルルルルル。

峠を登りきったところで、今日、熊本からやはり竹田を目指して走ってきてるはずの
知り合いのサイクリストに連絡をとりました。時刻は正午過ぎ。
今日は西寄りの風が吹いているから、熊本からだと意外に早く到着してるはず。
案の定、既に竹田を一巡りしてこれから帰るところだとか。片道92キロ?元気だなあ。

「あ。竹田(岡城阯)の桜、どうだった?」

聞かなきゃいいのに、つい口が滑るとはこういう事でしょうね。
返事を聞いて萎れる私。ああ、何のためにこれから竹田へ行くんだろう?

峠の頂上から心地よいダウンヒルに突入すると、そんなことは頭からすっかり消えてしまいます。
腕を畳み、上体を伏せると、みるみる車速が上がっていく。
サイクルメーターを見るまでも無く、耳を切る風の音で、それがわかる。
カーブの手前でブレーキをかける。急勾配のため
油断してると、ズルッと後輪が音を立てて滑ります。オモシロイッ!



この県道35号(三重弥生線)沿いにも、桜の木はけっこう点在していて
自転車で走っていると、まるで道標のようです。道端に、ポツリ、ポツリと立っている。
そんな桜ですが、ここ数年、花の色が白くなったように感じたことはありませんか?
大気汚染がその要因だという人も居るようですが、本当のところはどうなんでしょうね。
いずれにせよ、桜の花が桜色を失うというのは寂しい気がします。



大分県立三重高校。その横を通り過ぎたところで国道326号線に接続し
県道35号(三重弥生線)の終点となります。総延長は約40キロ。

さて、三重町にたどり着いたところで既にお腹がペコペコ。
時刻は既に午後1時を回っていました。ハラ時計は正直なものだ。
このまま竹田まで走るなんてとんでもない話で、どこかで腹ごしらえしないと
体が持ちません。どこで何を食べようか?

コンビニ飯だけはイヤだ。しばし考える私。

そういえば、先月のツーリングで、三重町にある
美味しいと噂のシュークリームを食べそびれていたっけ。
そのシュークリームを捕獲するのも今日のツーリングの課題の一つ。
よし、そこへ行ってみよう。

どんな店だか全く知らず、ただ「大原グラウンドの近く」とだけ聞いていた私は
JR豊肥本線・三重町駅そばの踏切を渡り、よいしょ、よいしょと坂を登ります。
食い物が絡むと、どんなにハラペコでも、どんな坂でも登ってしまう食いしんぼの私。

「シュークリームを作る店って事は....焼きたてパン屋さんみたいな店だったら
 ピザとか、サンドイッチとか、なにか食事になるようなものも置いてあるかも。」

大原グラウンドの辺りの高台をぐるりと一回りして、やっと
それらしき佇まいのお店を発見。その瞬間、金縛りに会ったワタシ。



「お、お菓子の店!?」

これは、お腹のすいた私には予想できなかった展開。

はたして、この中に昼ご飯になるようなものがあるだろうか?
店の前で見てると、なんだか若い女性ばかりが次から次へとやって来ます。
レーシングジャージ姿の私としては、非常に入りづらいシチュエーション。

「ええい、ここまで来て、食わずに帰られようか。」

意を決して、ヘルメットを脱いで店に入る私。
ショーケースの中には、ずらりと並んだショートケーキの行列。ああ、目眩がする。
甘いものが嫌いではない私としては、アレも、コレも、と目移りしてしょうがないが
まさか昼ご飯にショートケーキを食い散らかすわけにもいくまい。
一切れづつ包装された、ブランデーケーキやフルーツケーキなどを数個と
噂のシュークリームを2つ、紙袋に入れてもらい、店を出た私。
飲み物は売っていなかったので、近所の自動販売機で缶コーヒーを買って
ちょうど店の向かい側になる「大原総合公園」のベンチで試食?することにしました。



まずは噂のシュークリーム。大きすぎず、小さすぎず、程よいサイズです。



皮はサクサクとこんがり固めに焼き上げられていて、ひとくち、ふたくち齧ってみると
その中にはカスタードクリームが所狭しと詰め込まれています。これはウレシイ。



こちらは一切れづつ包装されたフルーツケーキ。ほかにも、ブランデーケーキなど
数種類が売られていました。しっとりとしていて、こちらも美味しかったです。



気温はさほど高くなかったのですが、日差しが暖かい春の昼下がりの公園。
食後のデザート、あるいは午後のティータイムに立ち寄ったら最高ですね。
美味しいシュークリームとケーキを食べ、すっかりゴキゲンになり
そのまま公園のベンチで、のほほんと、ひなたぼっこする私。気持ちいー。

さて、この後はどうしよう。と、あまり選択の余地は残されていないようです。
時刻は既に午後2時近い。三重町から竹田まで約20キロあまり。往復で2時間。
三重町からそのまま国道を使って帰っても約45キロ。やはり2時間強。
竹田まで行けない事も無いが、帰りが午後6時を過ぎるのは必至。

「そういえば、さっきの電話で、今日は見頃をハズしたって言ってたしなあ。」

聞いてよかったのか、聞かなきゃよかったのか。狙った写真が撮れないのなら
わざわざ竹田まで足を運ぶ甲斐が無い。日暮れまでの時間的な問題もあり
そのまま帰ることにしました。痛恨の撤退。来年からは、もっと早起きしなきゃだな。

帰り道? もう、過激な山道や遠回りをする余力もありません。
国道502号線で素直にのんびりと家路につきます。
にしても、ケーキ3つとシュークリーム2つじゃ、昼ご飯にはチョット物足りない。
三重町の国道を走り抜けながら、目が道路脇のお店を物色してしまいます。

幸か不幸か、どれもこれも焼肉とかラーメンとか、コッテリした物ばかりで
今しがたケーキをたいらげた私の食指を動かすようなメニューはありません。
フランチャイズ系のうどん屋もなんだかなあ。
そういえば、家に帰るには逆方向になるけど、国道326号線沿いに
少し坂を登れば豆腐料理か何かの店があったっけ。しかしそこまで登るのも面倒な話。
ま、いっか。お腹がすいたら野津町の吉四六ランドで蕎麦か何かを食べよう。



三重町の中心部を通り抜け、国道326号線と国道502号線の
分岐点を過ぎたところで一休みしました。
往路の県道35号(三重弥生線)でかなり脚を使わされてしまい
まだそのダメージが体に残っているようです。しかし、心地よい疲労感。

このまま止まらずに帰ったとして、午後4時過ぎには家に着く計算。
時間はたっぷりあるので、あせらずのんびりと春の陽射しを楽しみます。
よく晴れた日曜日の昼下がり。自動販売機に立てかけた
シクロクロスバイクを見つめながら、物思いにふける私。

思えば、これまでいろんな自転車に乗り、いろんな楽しみ方をして来たものです。
身を切るような北風に吹かれつつ、MTBで山の稜線を縫うようにダートを駆け巡り
600メートル級の山を行ったり来たりで100キロも走ってみたり、
降りしきる雨の中を、ロードレーサーで一日に300キロも走って県境を3回も越えてみたり。

でも、気楽に自転車を楽しむなら、今日みたいな気ままなツーリングがイイですね。
ちょっとガンバって、ちょっと美味しいもの食べて、ちょっとのほほんとしてみる。至福の休日。

缶ジュースを、一本。
空にしたところで、腰をあげて再びペダルに足をのせます。さあ、帰ろう。

三重町から野津町までの国道502号線は、全体的に下り基調となっているので
自転車でも心地よい快速クルージングを楽しめます。あっけなく野津町へと到着。
野津町の、国道502号線から国道10号線に接続する交差点で信号待ちしていると、ふと
吉四六ランドの桜が目にとまりました。



「なんか、手招きしてる?」

ふらり、と、そちらに向けてハンドルを切りました。
信号の手前から、町道と思しき道を伝って、吉四六ランドへと向かう私。
次の日曜日に来れば、ちょうどイベントも予定されていて、出店で賑わっているのでしょうが
私は次の日曜日は球磨川に行かなきゃならん。今日のうちにここの桜を見ておこう。

吉四六ランドは、国道筋からは少し坂を登った山の上にあります。自転車だと、結構キツイ。
それがわかっていて、見に行こうというのだから、自転車乗りってヤツは始末に終えない。
ペダルの上に立ち上がり、自転車を左右に振りながらペダルをぐいぐい踏み込みます。



敷地に入ってみると、斜面に沿って、桜の花が一斉に開いていました。これはこれで、壮観。
駐車場もかなりの数の車が入っていて、お花見客がかなり来ているようです。
この吉四六ランドは、私の家からだと僅か二十数キロ。....あと、30年もしたら
こういう近場へ花見に来るというのもいいかもね。もちろん、自転車で!



駐車場から、ふと「おへまハウス」を見上げる私。何か、食べようか?

ここはドジョウ料理を出しているので、いちどドジョウのから揚げだか天ぷらだかってのを
食べてみたい気がしているのですが、ただいまの時刻は午後3時過ぎ。もう売り切れたかな?

あと一時間もあれば家に帰りつくから、と、今日のところは
そのまま帰ることにしました。....いつか食っちゃる。どぜう。

国道10号線にのって、家路につく私。最後の最後に、
身の引き締まる思いのするトンネルが待ち構えています。



中の谷トンネル。全長一キロ余り。
弥生町側から野津町側へ向けて登り勾配がついているという、県南のサイクリストの鬼門?です。
おまけに、歩道が、無い。

自転車は、覚悟を決めて車の流れに巻き込まれつつ一気に駆け抜けねばなりません。
あちこちを走り回って疲れたあと、野津町から下り勾配で走り抜けられるのが
唯一の救い、か?

かくして、4月第一日曜日のお花見ソロツーリングは、志半ばで
竹田市にたどり着くことなく、三重町から撤退という不本意な結果に終わりました。

本日の走行距離は、約96キロでした。午前10時過ぎに出発して、午後5時に帰宅。
実走行時間は5時間少々で、メーターアベレージ18キロ台というトホホなペース。

ま、美味しいシュークリームを食べられたから、いいか? ....食い物には滅法弱い私でした。

(終わり)


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