「ツール・ド・祖母傾」の報告 2001年5月27日(日)

昨年、JCAの協力を取りつけてプレ大会の開催を目論んだものの、関係機関の許可が取り揃えられず
今年はショップ主催の走行会という形で第1回大会を行うこととなったツール・ド・祖母傾。
当日は雨が危惧されましたが、フタを開けてみればハードなコースを走るには絶好のコンディション。
地元大分とその近県から名乗りをあげた超健脚サイクリストの快走ぶりを御覧下さい。

屋根を打つ雨音を恨めしげに聴きつつ、私が家を出たのは当日朝の4時45分頃でした。

会場の「道の駅きよかわ」までは1時間余りで着くのですが、予め補給用の水を汲んでおこうと
名水百選にも選ばれている「竹田湧水群」の一つ、河宇田湧水へと車を走らせました。



ここで20リットルのポリタンクに溢れるほどの湧き水を汲みました。
スポーツドリンクやお茶などは前日に買い込んでいたし、携帯食は他のスタッフが用意する手筈。

さらに念のためにと、工具一式とグリス類、使い古しの各種タイヤをスペア提供用として積み込んであるし
これで補給準備は万端? ....あ、W/Oタイヤのインナーチューブを3本、準備していたのに
積んで来るの忘れちゃった。ま、いいか。



ツールの走行コースを逆走し、道路の状態をチェックしつつ会場の清川村へと向かいました。
私が会場に着いたのは午前6時45分頃だったでしょうか。受付開始時刻は7時30分からなので
少し早めの会場入りでしたが、既に参加者と思しき人の車が数台来ていました。

ほどなく、参加者から開催の問合せの電話が一件、入りました。
「こんなの、雨のうちに入りません。」 ....とまでは言いませんでしたが、開催する旨を伝えました。



時刻はまもなく受付開始の7時30分。しかし、この大会の仕掛け人でもあるスタッフの一人が
まだ会場に姿を現していなかったので、やむなく私一人で受付を開始。
ほどなくしてそのスタッフも到着し、買い出して来た携帯食を参加者に配り始めました。
発起人のクセに、オソイよ。肝心のプロショップ店主も運悪く子供の運動会と日程が重なって欠席してるし。
淋しかったよお。しくしくしく....



朝の雨の所為で参加を取り止める人が何人出るだろうと心配していましたが
12名の方が受付に現れました。運営体制が貧弱なので、このくらいが丁度いいかも?
予定時刻の8時を過ぎてしまいましたが、簡単なミーティングの後
先導車の誘導について、いよいよツール・ド・祖母傾のスタートです。

※当日配布したコースmapの縮小版をこちら(124KB)で御覧になれます。



 

先導車の誘導のもと、県道や広域農道を伝って清川村から緒方町を経由し、竹田市へと向かいます。
私は最後尾について伴走していましたが、集団はスタート直後からかなりのハイペースで走っていました。

オイオイ、頼むから後半でリタイア続出はカンベンしてくれよ?

早くも集団から千切れた数名を誘導しながら、県道8号(竹田五ヶ瀬線)に接続すると
直ぐに、私が朝立ち寄った竹田湧水群の河宇田湧水が見えてきました。
突っ走っていた先頭集団は、ここに立ち寄って一休みしている模様。やれやれ、と胸をなでおろす私。

 

全員が揃って、ひとしきり名水を堪能したところで再スタートを切ります。
この先は、オニのような急勾配を備えた一つ目の峠が待ち受けています。

 



県道8号(竹田五ヶ瀬線)を外れて神原渓谷にさしかかると、その先の大規模林道まで
豪快なヒルクライム区間が続いています。
補給用の飲料を積み込んだ私の車はここから一旦先行し、第1チェックポイントでみんなの到着を待ちます。
同時に、ヒルクライムで集団がバラけるこの辺りは絶好の撮影ポイント。一人一人の雄姿を狙い撮りします。

※当日参加された方々のクローズアップ写真をこちらのページに掲載しました。

先頭誘導役のスタッフと二人で、まだしばらく来ないだろうと腕組みしつつ話し込んでいると
山の奥深い自然の静寂を破り、自転車の走行ノイズが聴こえてきました。 まさか!?と目を丸くする二人。
私は驚愕の思いに駆られながら慌ててカメラを掴み、シャッターを切りました。



あっけに撮られる私の横をすり抜け、ブレーキも握らずに猛然と駆け抜ける先頭ランナー。
慌てて呼び止め、車で追いかける先頭誘導役のスタッフ。お願いだから皆が来るまで待って〜。

ほどなくして、次から次へと参加者が到着します。 みんなどういうスピードで登って来たんだ!?

実は、今年の参加者の中に、昨年の試走会で唯一フルコースを完走した人も来ていたのですが
その人が他の参加者全員にアッサリと千切られていたのでまたビックリ。
昨年は、逆に他の走者を全員振り切ってここを通過したのに....いったい、何が起こっているんだ?



第1チェックポイントでは皆、水分補給もそこそこに、人数がほぼ揃ったところで再スタートを切りました。
もう元気が有り余っている感じ。この人たち、いったい何者だあ?
私は最後尾のランナーを見届けるべく後に残り、ここで先導者に付いてゆく集団を見送ります。

後ろ姿を見送りつつ、脳裏をかすめた思い。「....トンデモナイ人たちを呼び集めちゃったかも?」

ここから先は、もう少しだけ坂を登れば、あとは豪快に坂を下って国道325号線に接続します。

 

高千穂町の第2チェック兼昼食ポイントまでは下り基調の道なので、ここで力尽きる人は居ないだろうと
私はいったん最後尾から前に出て、参加者の走行写真などを撮りつつ先行していたのですが
国道325号線を下っている途中で携帯電話がなりました。「誰からだ?」
車を路肩に停めて聞いてみると、最後尾を走っていた人が、スポーク切れで走行不能になったらしい。

わあい。リタイア第一号だ。

昨夜は貸し出し用にスペアホイールも積み込もうか思案していたんだけど
結局、積んで来なかったんだよなあ。やっぱ、持って来るべきだったかな?

車に積んである飲料をはやく昼食場所に届けなきゃと思いつつ、したたかにアクセルを踏み込んで
コースを逆走し坂を駆け上がる私。やがて、路肩にその姿を発見しました。
崩野峠の豪快な下り坂でスポークを折って、よくコケずに済んだものです。

 

再び、急いで昼食ポイントへ向かう私。他の参加者は、先導車の誘導のもと
全員無事にここへ到着していました。いや、迷子が出なくて良かったです。
参加者の一人が御厚意で自宅から持ってきたビワを、皆で食後のデザートに賞味しつつ
ここで大休止となりました。流石に、中にはこのコースがキツかった人も居たようで
ゴロリと横になって骨休めする人も居ました。大丈夫かなあ....後半はモットスゴイですよ?

 



さあ、食後の一休みを終えて、再スタートです。ここからしばらくは下り基調。
国道325号線から五ヶ瀬川沿いの県道237号線に下りて青雲橋の下をくぐったら
ふたたび杉ヶ越の峠を目指して緩やかな登り坂に転じます。さあ、ここらから体力差が露呈し始めるハズ。

 



杉ヶ越の峠の手前に見立渓谷があり、そこを第3チェックポイントにしていました。
緩やかな登り坂も、距離が長いと思わず知らず脚に疲労がたまるもの。ここで体制を立て直して
ここから先の急勾配を一気に駆け上がってもらおうという目論見。
走行距離の上でも、ロングライドに慣れていないと、ここら辺りから体内の水分量が不足し始める頃。
ひとしきり休憩したら、直ぐに出発です。さあ、皆さん、覚悟はよろしいか?

 

杉ヶ越の峠を全員が登りきったら、次の梅津越えの第4チェックポイントへ先行するつもりだったのですが
その杉ヶ越からの下りで本日二度目のパンクをした人がいて、チューブ(W/O)の修理に付き合っていたら
とても追いつける状況ではなくなってしまいました。先行した人たちは、梅津越えで待っててくれてるだろうか?

 

心配しつつ、狭い県道を駆け抜ける私。梅津越えの登りの途中で、一人の走者に追いつきました。
ちょうど紛らわしい分岐で迷いかかっていたので、しばらくそこから誘導し、更に先行しました。

第4チェックポイントに着いてみると、先導者を始め、他の参加者は全員揃っていました。これでひと安心。
ここが最後の休憩地点でしたが、少し多すぎたかなと思いつつ準備した飲料も
多からず少なからず、ここでほどよく飲み尽くしてもらえました。



天気の方も、朝からずっと、路面に残らない程度に雨がパラついていましたが
ここにきて陽射しが照り始め、路面に影を落とすようになりました。
朝からずっと陽射しが照りつけていたら、飲み物も途中で買い足す必要があったかも知れませんね。

ここで、二人のスタッフで再スタート時刻の思案。「何時に出る?」
それは再スタート時刻であると同時に、足切り時刻になるかも知れない。
時計を見つつ「3時45分まで、待とう。」と私。

しばらくして誘導役のスタッフが「もう出ようか?」と私に声をかける。
時計を見る私。3時42分。「あと3分待ってから、再スタートしようよ。」

最後尾を走っている(二度目のパンクをした)人は、間に合わないだろうな、と
ちょっと残念に思っていました。ここまで来て、強制回収なんて....

ところが、そろそろスタートしようかと思ったところに、なんと最後尾の人が姿を現しました。
一瞬、我が目を疑いました。いったいどれほどのスパートをかけて追いついて来たんだ!?

驚くやら、嬉しいやら。やっぱ、ここまで来たらそのまま完走して欲しいですよね。
ここからは、皆に迷子が出やすい道である事を説明し、のんびりペースでまとまって走ってもらいました。
後ろについて、皆の走りっぷりを眺める私。10台以上のロードレーサーが連なって走っていると
ほんと、カッコイイですね。こういう姿を見ると、自転車やりたくなる人も居るんじゃないでしょうか。

 

ゴール手前で、それでもやはり千切れる数人を見守りつつ、道の駅きよかわへと帰り着きました。

自転車のメーターというのは、タイヤ周長をミリ単位で実測し設定できるからか
車のトリップメーターよりは正確に距離を測れるのですが、それで147キロだったそうです。
参加者12名のうち、マシントラブルによるリタイヤ1名の他は全員完走という記録が残りました。
朝の8時を過ぎてスタートし、夕方の4時を少し回った頃に全員がゴール。約8時間を要しましたが
人海戦術?で各所に誘導員を立てて、最小限の休憩時間で回らせたらもっと速かったでしょうね。
ツール・ド・国東のAコースを走らせたら、全員6時間以内に完走できそうな人たちでした。

ゴール後は、全員で記念に写真を撮るなどした後に解散しました。

参加者の皆さん、お疲れ様でした。拙い運営で何かと不自由した事と思いますが
おかげさまで幾ばくかのノウハウが蓄積できました。次の機会にはそれを生かして
(コースも更に難易度を上げて?)お迎えいたしますので、よろしくお願い致しますね。
後日、参加者名簿として下記のフォトプリントを送付しますので記念にお受け取りください。



(終わり)


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