今日の必ずトクする一言
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●Version January 2001

Jan. 29:新春特別企画春日大社のお告げのナゾ
Jan. 22:黄昏の24時間風呂のナゾ(バブルだった泡風呂編)
Jan. 15:飲めないソムリエのナゾ(究極の酒と最高の酒編)
Jan. 8:新春特別企画ヒトの時空間リソースは無限か?(i-modeの将来を占う編)
Jan. 1:新春特別企画スピーカーの定位を斬る(山本式定位検出差動マイク編 PAT.PEND.)



OVersion January 2001


January 29
 ●春日大社のお告げのナゾ

年末のマーケットは”みかか”の需給と某大手証券会社の投信のおかげでズタズタになっている。これで業績に相関した資金の流れも健全な投信の成長も、はたまた起業家へのサポートもぶっとぶだろう。特に投信の信用失墜は401kの芽を浮利のために証券会社自ら摘んでしまったようなものである。非常停止ボタンの無いマーケット破壊通信ロボットそして止める呪文を知らないマーケット魔術師の弟子の末路はいかに。

さて昨年の年賀状の住所データを漁っているうちに、ハードディスクにおもしろいものを見つけた。これはWebmasterが昨年の正月にネタにしようと調査していたが、データの欠損のためボツになったものである。その後の調査で穴を埋めたものが、本研究所マーケット部門謹製の春日大社のお告げ成績表である。本ページの読者に特に新春企画としてサービスするものである。

結論を先に言えば、春日大社のお告げの成績はまずまずのものであり、少なくともアナリスト予想の平均は上回っているようだ。お告げの由来は某証券会社のテクニカルアナリストと言われているが、それ以上書くのは無粋と言うものだろう。

ゴタクはともかく図は1997年〜2000年のyahoo由来の日経平均から作成したものである。お告げの表現は伝言ゲームのため若干のバリエーションがあり真正とは限らない。お告げをこのように作図したものは今まで見たことが無い。

1997年以前は情報が断片的なのでカットした。1997年のグラフは一部欠けているが、お告げは小波動を含め良く当たっている。ところが1998年は夏までは良いが後半がはずれている。欲目で読めば、お告げにある後半の回復は1999年にズレ込んだ、とも読める。

1999年は細部はともかく全体的にはまずまずである。2000年は前半はまずまずだが、後半にこれほどの押しは予想していなかったようだ。お告げは後半から穏やかな回復を予想していたが、米国の景気減速と国内のITバブル崩壊で回復が遅れているようである。

さて2001年のお告げはテレビでも流れたとかで有名だが、

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一月 小浮動
二月 急落
三月 底固め
四月 戻る
五月 乱高下
六月 不時安
七月 ジリ高
八月 反落
九月 保合い
十月 急伸
十一月 往来
十二月 押す
--------------------

だそうである。前半は冴えないが後半は回復するらしい。またコメントとして、

”新世紀に入り欧、米、は陽の極 日、亜、は陰の極 太陽は東から昇る 欲に限りなし 欲に底なし 散る桜、残る桜も散る桜”

とある。文面に沿えば、アジアは新世紀にはIT革命の立ち上がりが遅れて低迷するがその後回復すると読める。問題はが何を意味するかである。桜は扶桑の国のシンボルであることから、Webmasterは欲に憑かれた親方日の丸企業”みかか”を指しているように思う。それにダイナミックループのマークも桜の花びらに似て無くも無い。とすると残る桜は”みかかのこども”の事ではなかろうか。ちなみに2000年のコメントは、

”ニ、〇〇〇年は終わりか、始まりか 旧年の陋習を破り 新生を”新星”に 分を安んずる者は 常に豊かである”

だったらしい。これもWebmasterは”2000年はIT元年であり、みかかを中心としたITのアンシャンレジームを破りブロードバンドを確保すれば吉”と解釈する。実際には通信アンシャンレジームは政治的な配慮のため破れず、結果として我が国はブロードバンドで致命的に立ち後れ、国民は豊かになれなかった、と解釈すれば、さほどはずれていないように思うのだが、どうだろう。

注意:記載の真偽についてWebmasterはいっさい保証いたしません。また春日大社のお告げについて著作権問題がありましたら、webmasterまでお知らせ下さい。

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January 22
 ●黄昏の24時間風呂のナゾ(バブルだった泡風呂編)

思いがけず我が家にやって来た24時間風呂については、

   ●果たして24時間風呂は実用的か?

で取り上げたが、今や場所を取るだけの風呂場の不良資産と化している。それはなぜだろう。

まず24時間風呂は風呂を選ぶ。スペース的な問題はともかく、バスタブに穴が2個あいている自然循環式の風呂釜の場合はだめである。お湯は上の穴から釜に入って急速に冷却されて下の穴から降りて来るので、保温のため大量の電力が無駄になる。

Webmasterは対策として山本式廃CD-ROM風呂保温装置を開発したが、24時間風呂の噴流によって廃CD-ROMが踊ってしまう欠点があった。その後九九式も開発したが、現在は24時間風呂の使用頻度が減ったためにCD-ROM式に戻っている。

24時間風呂にはカタログに書かれていない隠れたコストも多い。まず汚れを取るプレフィルターは毎日洗う必要がある。寒い冬は面倒な作業だし、少なからずお湯もロスする。また1日に最低1回自動的に濾過材を逆洗浄するが、これにも一回に20リットルのお湯が使われる。

さらに一月に1回は専用の洗剤(過炭酸ナトリウム系)で機械とパイプを洗浄する必要がある。これには大量のお湯と手間を必要とする。

減ったお湯は追加する必要があるので、数日たてば事実上お湯は入れ替わってしまう勘定だ。通常の家庭なら24時間お湯を保温するよりは、残り湯を洗濯に使う方がはるかに合理的である。

というわけでWebmasterに24時間風呂を解体し撤去せよという命令が下った。三年使用した内部を見ると腐食した部品があり、かなり入念な手入れを要する状態だった。カタログには浴槽にオーバーハングしたような設置例があるが、電気製品の使用条件としてはかなり過酷である。

お湯はプレフィルターを通りポンプを経て紫外線殺菌装置を通って濾過剤に至り、浴槽に戻るようになっている。濾過剤は上から活性炭、珊瑚、麦飯石からなり、一日に1度お湯で逆方向に洗浄されるようになっている。

部品はどれも基本的には上質なもので、特にポンプは強力なものである。インペラは磁石を介して駆動されていてトラブルの原因となる回転軸のパッキングは無い。ポンプの外周は湿気でかなり腐食しているが、動作には問題ないようだ。

一番湿度に弱いのは制御回路だが、一流空調メーカーの設計になる制御ユニットは8bitのワンチップCPUが水位センサーと温度センサーを見ながらリレーを経てモーターやヒーター、電磁弁を制御するようになっている。ユニット念入りに防水されていて水が入った形跡は無い。

腐食が進んでいたのは循環経路を切り替える弁で、騒音を出さないようにシンクロナスモーター駆動である。全自動洗濯機と同じ部品だが、Webmasterの設置条件では3年が限度であろう。内部を見てしまうと浴槽にハングオーバーした設置はとてもお勧めできない。

というわけで、Webmatserの設置条件ではついぞレゾンデートルを見い出せずに終わった24時間風呂であるが、お宅ではどうだろうか。使ってみて初めてわかる面倒なことを買う前に誰も教えてくれないのが、良質なコンスーマーレポートの存在しない日本の悲しさである。

やはり泡風呂の流行も一種のバブルだったのかも知れない。

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January 15
 ●飲めないソムリエのナゾ(究極の酒と最高の酒編)

オークションを見ると動かない時計、鳴らないスピーカー、撮れないカメラといったジャンクが売りに出されている。壊れた代物でも機械式であって電子制御式で無ければ直せる可能性がある。部品に欠品があっても、二個一で揃う場合もある。同様に飲めないソムリエというのも役に立たないようで役に立つ。

もう随分昔の話だが、飲めないソムリエと言うべき友人Iがいた。もちろんプロでは無いが、おおよそプロが唸る程である。いつぞやはトゥールなんとかでIはプライスの問題を指摘した。ソムリエも思い当たるフシがあるらしく、ついでだからIが適当と考えるプライスを聞きたいと言う。Iが金額をサラサラと書き込んだ所、ありがとうということで、オマケのワイン(Mだったか)運ばれて来たのであった。

ところが、Iは飲めない。全く飲めないワケではないが多くは飲めない。しかしワインが飲みたくてしようが無い。しかもいろいろな種類のワインをのみたくてしようが無いのである。Iが数人分のワインを蒐集したところで、ワインを飲む会を開くことになる。Webmatserはワインにあまり興味が無いが、努力せずして良いワインのお相伴にあずかるのはボロい。

と言うわけで、わざわざ電車に乗って大分の馴染みの店を借り切って会を開くわけである。何回かの会の後、メンバーはやはり当代最高のモノを飲みたいと言う。しかし専属ソムリエIはハッピーでは無い。良いと解っているワインを高いカネを出して集めてもぜんぜん面白くない。”値段の割に良いワインを厳選している苦労が解らないのか”、と言うのである。

いやがる彼を説得して破格の予算で会を開くことにした。銘柄はシャンパンDから始まってM、L、Rとその他数本であった。料理もこの日に会わせて食材を空輸したとのことで、店主も乗り気である。ミーハーなメンバーは感激するわけだが、ソムリエはますます不興である。自分で集めた最高の酒を楽しみつつも、メンバーの考え方が根底から間違っていると言うのである。

ワインのチョイスが一巡したところで、日本酒にうるさいメンバーTが言った。”だいたいワインは高すぎる。日本酒だったら1万も出せば究極の酒が手に入るのに”、と言うのである。ワインは世界中の人間が競っているが、日本酒を競っているのは日本人だけなので、日本酒の方がコストパフォーマンスが良いと言うのである。そこでワインを飲む会は日本酒を飲む会に発展的解消することになった。

Tは熱心に日本酒を蒐集する。東北地方に出張の場合はタクシーに飛び乗り酒蔵巡りである。いつぞやはWebmasterも佐渡島までお付き合いした。お目当ての酒蔵に直行し、九州でその銘柄を愛飲している(事実なのだが)と言うと、当主は感激し精米所や酒蔵を案内してくれた。販売ルートに乗らない酒を仕込んで宅急便で送ると、嵐のように次の酒蔵を目指すわけである。

そのようにして1年ほど網を張っていたある日、幻の日本酒Kが手に入ったとのことで、急遽会が開かれた。幻の酒Kを中心にして特に逸品を揃えた。良い日本酒は水になると言われるが、なるほどそれは本当であった。その酒は一瞬のうちにカラになった。

そのころ吟醸酒ブームは過熱気味で、幾多の新しい銘柄が登場していた。しかし雑味が少ないがコクも無い。あるいは香りの割に腰が弱い。そういった不思議な吟醸酒が増えてきた。雑味を消しフルーティーな香りにするために、ある種の操作が行われているのではないか、とメンバーが言い出したのである。

そこで、その後日本酒を飲む会は発展的に解消し、厳選メンバーによる安くて旨い日本酒を発掘する会が開かれるようになった。酒は吟醸にこだわらず、幅広い等級のものが集まってくる。それは問題のある吟醸が蔓延しているからである。度々会を催すと、メンバーは一口含んだだけで出品者までが解るようになった。

Webmasterは友人Tといつも銘柄について議論になる。それは彼が辛口な酒を好むのに対し、Webmasterは仄かに甘い水のような酒を好むからである。ただ彼と一致するのは、”確かに究極の酒と呼ぶべき酒は存在するが、最高の酒と呼べるモノは存在しない”という論点である。

Webmasterも、やっと飲めないソムリエの気持ちが理解できるようになった気がする。思えば随分遠回りをしたものである。

(この話は一部フィクションとなっています)

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January 8
 ●ヒトの時空間リソースは無限か?(i-modeの将来を占う編)

世紀末を迎え、最近は医者兼イベント屋をやっているWebmasterである。多くのデッドラインを過ぎた書き物を前に呻吟している。ある日、Webmasterは意を決して本屋にむかった。内的情報が混乱した時には本屋で情報を探し、Webmasterが寄って立つ座標軸と自らのポジションを模索しようとするわけである。

多くの科学系雑誌だけでなく、最近は歴史のある週刊誌までが廃刊の予定と聞く。最近の週刊誌は断片的で脈絡の無い記事で満たされている。記事の短さに記者の質低下が相まって、多くは表面的な情報で終わっている。中でも文芸中心であった週刊誌(B春やS潮)の終末像はあわれであり、遠からず忘却の範疇に入る予感がする。

メディアとしての雑誌のレゾンデートルの一つは、情報の時空間的モードの不均一分布を均衡させることであるとWebmasterは考える。たとえば貿易は、物体の時空間的モードの不均一分布を均衡させる行為であると定義される。そしてその不均一分布の傾斜の大きさが、プレミアムとしての価格を決定する。同様に主として米国で発生する情報を伝達して論評し、英語を日本語にモード変換する作業の中で、情報が我が国で情報が一般化する速度と雑誌の記事との時間差がプレミアムの原資であった。

しかしインターネットでは発生源の情報は直接回覧できるし、また生産物であるソフトウェアやデータは場合によってはニュースリリースより先に入手することができる。それどころか、生産物が発表前に秋葉原に出現する始末である。それはバルクの出荷はメディアへのリークよりさらに先行するからである。結局、雑誌は多くの価値の無くなったニュースリソースの束とソフトウェアのアーカイブに成り下がったのである。

それを端的に表したのはi820の提灯記事であろう。多くの雑誌はi820のインサイダー情報を吟味することなくニュースリリース予定に合わせて横並びで出版した。ところが肝心のi820が致命的なバグのため延期されてしまった。雑誌は主を失ったまま、予定通り書店に並んだのである。

さらにメーカーの意図に沿って雑誌が持ち上げたRDRAMは、殆どのベンチマークで133MHzのSDRAMに負けている。それはメーカーが喧伝する表面的な帯域に惑わされてレイテンシーの重要性を理解していなかったからである。RDRAMの災禍はパソコンだけで無くゲーム機にも及んでいる。これらはインターネットによるレゾンデートル喪失を覆すための雑誌カルテル的行為が破綻した好例である。そして同時に深刻な雑誌不信ももたらした。

時空間的モード不均一にあぐらをかいていたメディアはインターネットへの進出を目指している。しかしインターネットでカネをとることは難しい。ホームページに貼るバナー広告だけでは、手作業集約的な高コスト体質を維持することができない。

Webmasterはi-modeを、機会を喪失しつつあるメディアと、同じ目的で始まりアングラ用途に終わったダイヤルQ2サービスの再来を狙うみかかのニーズがマッチしたものだととらえている。Webmasterはi-modeの有用性を否定するものでは無い。しかしi-modeにはもう一つの制約因子があると考えている。それが、ヒトの時空間リソースの払底である。

今や大量生産大量消費大量廃棄の前に、地球のリソースは風前の灯火である。同様にあふれる情報の押し売りにヒトの時空間リソースもまた風前の灯火である。もしみかかのこどもが、通勤客の多くが電車のなかで、各々の携帯に配信される動画を楽しむとする未来像を考えているなら、それは大きな勘違いであろう。Webmatserはi-modeの制約因子は帯域でもコストでも無く、ヒトの時空間的リソースであると考えている。

かつて高速な航空機の開発には3つの壁があると言われた。最初が音の壁、そして次が空気摩擦による熱の壁、そして最終的なものが金の壁であると言う。事実SSTは技術的には実用化されたが、金の壁を完全に突破出来ないでいる。

Webmasterが考えるに、メディアは紙の壁に直面したと考えられる。しかし紙への依存は放送メディアの登場により破られた。次がカスタム情報の壁である。しかし携帯電話やインターネットの発展により個人が望むカスタム情報が自由に得られるようになり、この壁も破られた。しかし最期の困難な壁がヒトの時空間リソースの壁である。

ヒトの時空間リソースは拡大再生産もできないし、何もしなくても刻一刻減少していく。そしてワラントのように寿命があり、最期はゼロに帰納する。唯一リソースの減少を遅らす手法は睡眠をとることである。メディアが残り少ないヒトの時空間リソースを削り取って利潤を得ることは、ゼロサムゲームのなかで余暇や睡眠を削り取って情報漬けにし、一人で考える時間を与えないことである。

その考えに沿って、Webmasterは移動時間のすべてを睡眠に割り振っている。従ってWebmasterはノートパソコンやPDAを持ち歩くことは無い。この貴重なリソースを易々と企業に売り渡す訳にはいかないからである。

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January 1
 ●スピーカーの定位を斬る(山本式定位検出差動マイク編 PAT.PEND.)

このページでは、オーディオの問題点を一貫して取り上げている。過去CDプレーヤーやアンプ、そしてスピーカーの解析を行ってきた。パソコンを除くと一番メールなどのレスポンスが多いのがオーディオである。住宅事情や経済状況、そして家族の目が厳しい折にも、隠れオーディオマニアは現に存在することを再確認した次第である。

理想的なスピーカーというのは、今や死語であるHiFi(原音に忠実)なスピーカーである。それには単に周波数特性や歪み特性、過渡特性、指向性がすぐれるだけでなく、定位が安定していることが重要である。それが動物に2つの耳がついている所以でもある。もし周波数特性が理想的なフルレンジがあれば、それが一番良いに決まっている。しかしフルレンジではレンジが狭く、マルチユニットには定位や山谷の問題が避けられない。

このため、TANNOYは古くから同軸型ユニットを用いているし、最新のスピーカーでもツイーターを上下のウーハーではさんだ形式のものが良く見られる。巨大なバッフルに懐石料理のように多数のユニットを思い思いの位置に配置したスピーカーではHiFiは絶望的であることは、このページを読んでおられる方には自明の理であろう。

webmasterは生来定位に敏感で、いくらレンジが広くても定位が安定しないスピーカーに違和感を感じるのである。しかし他のパラメーターと異なり定位を評価するスケールが無い。そこで、今回新春特別企画として山本式定位検出差動マイク(PAT.PEND.)を開発し、スピーカーの定位のナゾに迫る事にする。

音の定位に関してのパラメーターは3つ知られている。それは、音量、位相、そして伝達関数である。例えば波長が長くなる低域では位相差が小さくなるため、音量の差が定位を決定する。ヒトの会話域(300-3400Hz)では波長が短くなるため位相差と伝達関数の差が大きくなる。

伝達関数とは、例えば耳の真横前向きから聞いた音はほぼフラットな周波数特性を持つが、頭の反対側から回折してやってきた周波数はややハイ上がりになることである。もちろん音量と位相差も過渡特性と不可分の関係にある。

伝達関数の効果は携帯電話の呼び出し音で知ることができる。単音の呼び出し音ではどの携帯が鳴っているかは解らない。しかし和音になると携帯の方向の見当がつく。これは和音の持つ音域の伝達特性によって方向の情報が得られるからである。

従って定位を評価する上で、ほぼ人間の両方の耳の位置にマイクを設置し、それらの出力の差を評価すれば良い事になる。この際マイクは特性が揃ったものでなくてはならない。左右のマイクに届く音の音量、位相そして伝達関数に差があれば、それがFFTに山谷として現れる。

つまり、FFTに現れた山谷は1kHzの標準音の定位からの乱れの絶対値と考えて良い。読み方としてはグラフが上方にあって、しかも山谷が多いほど定位が悪いということになる。

計測の手順としては、まずマイクの片方で1kHzの約75dBSPLの音(マイク位置でグラフの-40dB程度)を拾い、次にマイクを極性が逆になるように直列接続し、1KHzで差成分がなるべく小さくなるように位置や角度を合わせる。入力としてホワイトノイズを加え、スピーカー前30cmで差動マイクの出力を周波数解析する。プロジェクトのトータル時間は約1時間というところだ。

ゴタクはともかく、結果である。まず差動マイクの暗騒音を測った。差動マイクでは音源が遠い環境騒音はキャンセルされるのでほぼシステムノイズと考えて良い。60Hzのハムを除くと全体的に-100dBと表示されている。

さて、最初は2wayとしては定位が優れているBOSE201(横置き)である。100Hz-2KHzの範囲は殆ど-60dB前後でフラットであり、それより高い周波数ではうねりがあるが全体的にはフラットである。

優れた定位の理由は、このスピーカーが16cmフルレンジに間接音のためのツイーターを後ろ向きに加えた構成だからである。低域の盛り上がりは側面にあるバスレフポートからの音が左右差として現れたものであろう。

次にフルレンジFE-103一発の密閉型を測ってみた。本来はオーラト−ンを使うべきだが、仕事場に出張中なので今回はFE-103である。同様に全般的にフラットで素直な定位特性である。たとえ小口径スピーカーであってもバッフルの回折などによって指向性の乱れが発生し、それが高域の差成分のが上昇として現れているようだが、山谷自体はBOSE201より少ない。

次がJBLのControlr-1(バスレフ、横置き)である。FE-103と同じく中音域はフラットだが、1KHz以上は差成分が上昇している。これはネットワーク特性が-6dBでツイーターのカットオフ周波数が低いせいだろう。このようにツイーターを加えるとレンジは広がるが、定位に問題が出てくる。特に300Hzから3400Hzの範囲にクロスオーバーが来るのは定位の面から望ましくない。低域がBOSE201ほど上昇していないのは、吸音剤が多めでバスレフのダンプが効いているからだろう。

というわけで、同じ2wayでもBOSE201とControl-1の定位特性の違いは一目瞭然である。こちらで書いたように、BOSE201の音は心地よい。自宅ではBOSE201がBOSE301やNS-10Mを押しのけてメインスピーカーに納まっている理由がデータ的にも見えてきたようだ。

さて今一つ定位がしっくりこないスピーカーを測定してみよう。モノは16cmウーハー、8cmスコーカー、2cmツイーターのMUSIC INPUT 80W、重量3.6kgのバスレフ型で、A社のミニコンポのオマケである。測定結果は見ての通りで、小型スピーカーと言えども大事な中音域にかなりの定位の乱れがある。これが大型懐石料理スピーカーの場合はどうなるか、くどくど書くのは蛇足だろう。

なに、差動マイクの製作方法が書いていない?いや差動マイクは作る必要が無いのである。2つの特性の揃ったマイクが両耳の距離にならんでいれば良い。さらにその2つのマイクユニットが極性を逆にして直列につながっていれば良い。

それはどこにでも転がっている。毎日使っているヒトもいるかも知れない。周波数特性もなかなか良いマイクである。おわかりにならない方は写真を見てほしい。このシロモノはユニットがねじれているので具合が良い。プラグの所でGNDを浮かしてR,Lの間をパソコンのマイク端子に接続して測定すると、左右の差信号が解析できる。

このプロジェクトはずっとWebmasterの頭の中で長い醗酵の時間を経ている。醗酵が熟成するに経つにつれて、機器は次第にオブジェクト化し、不必要な構成要素が脱落して行った。そして最後には山本式スーパーテレミンと同様に、いっさい特別なリソースを必要としない段階に結晶化した。

求めていた答えはどこの家にもころがっていたのである。それはヘッドホンに割り箸とセロテープを加えたものであった。これがWebmasterが追求する地球にやさしい風水学的オーディオ学である。

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