今日の必ずトクする一言
-- TODAY'S REMARK --

Visitors since Aug,1995.(digits.com.)  ReadMe! JAPAN

●風水別館 Annex version 2017

日産e-powerの仕上がり具合のナゾ(アコードHVより上手編)

走行騒音はいかにしてドライバーの耳に届くのか?のナゾ(その2トーションビーム編)
走行騒音はいかにしてドライバーの耳に届くのか?のナゾ(その1山本式スプリング振動ダンパー(YSDS)編)
エンジン騒音はいかにしてドライバーの耳に届くのか?のナゾ(その2騒音伝達経路編)
エンジン騒音はいかにしてドライバーの耳に届くのか?のナゾ(その1超大量吸音材編)
新型プリウスPHVが失ったものナゾ(トヨタのメンツ編)

ハンマーオイルはオイル添加剤として使えるか?のナゾ
GPSが使えないスマホzenfone2 Laserの鍛錬のナゾ
MTバイクが好きになる山本式クラッチ保持装置YRRCSのナゾ(その3 小型化ver3編)
深夜練習用の山本式ピアノ最弱音装置のナゾ
新年早々プリウスユーザー車検にみる縦割り行政のナゾ


N産e-powerの仕上がり具合のナゾ(アコードHVより上手編)

過日NCで流していたらN産のディーラーでノートe-power試乗しませんか、的な旗が立っていた。NCで乗り付けるのもどうか、と思ったが今乗っている車の詮索を受けなくてすむかと思って試乗を申し込んでみた。

日産のe-powerへの意気込みは強く、ディーラーには2台も試乗車があった。いろいろ書類に記入するのかとおもいきや、すぐ試乗どうぞ、と案内された。

WebmasterはN産車を所有したことが無い。理由はN産車に乗る度に多数のアラを発見してしまうからで、正直ノートepowerにはあまり期待していなかった。同じくシリーズ型ハイブリッドのアコードHVはシステムONにしたとたんエンジンがかかりビッツクラスでも見られないほどのステアリング振動があって印象を悪くした記憶がある。

さて実車(e-POWER メダリスト)の外装は少々お化粧されているもののやはり見慣れたノートそのものである。座席のクロスや内装に若干の加飾があるがインパネは質素で、ハイブリッド特有の表示も小さく見づらい。この段階ではスペシャルな感じが無く既存のノートにリーフの部品を加えてでっち上げたという印象があった。

システムONするとエンジンが冷えていたので始動したが、3気筒エンジンながら騒音振動とも良く抑えられていてステアリングやペダルに振動は出ていない。アコードはステアリング振動など当たり前の問題が未解決のまま販売されたのと対照的である。

エンジンはすぐに止まり電池残量が半分以上となった。エアコンが不必要な季節のせいもあろうがエンジンが回っている時間はかなり短い印象だ。暑い季節ではあったが終始エンジンが回りっぱなしだったアコードとは印象が異なる。

店員が勧めるままにアクセルを深く踏んでみるとまずまずの加速だが、”ひと踏み惚れ”とか”スポーツカー並”とメーカーが言うほどの加速ではなかった。プリウスのパワーモードとさほど変わらない程度である。

当日は交通も空いていて20分ほどの試乗であったがかなりの距離を運転することができた。小さな車体としては予想以上にエンジン音と振動がおさえられ、時速20km以上では走行騒音にまぎれてエンジンのON-OFFもはっきりしないほどだった。

パワーの出方にも違和感が無く、リーフでの経験が生きているようである。N産が勧めるワンペダルドライブは、コスト的にハイブリッド協調ブレーキをケチる方策だと思うが、慣れればそれなりに使える。店員によれば、ワンペダルをうまくつかえるかどうかはドライバーによって相当に差があるという。普段から細かくアクセルを調節できる客であればすぐに慣れるであろう。

ただし、ペダルを戻した時のブレーキの効き具合は一定でなく、坂道や渋滞路での停止にはやはりブレーキの助けが必要なシーンがあった。マイナーチェンジではハイブリッド協調ブレーキが装備される気がする。フーガHVが協調ブレーキを装備しており技術が無いわけでは無いので、車が売れてコストが回収できれば装備する余裕がでてくるのかもしれない。

試乗前の予想と違って、エンジン騒音と振動が良くおさえられていて完成度は予想よりかなり高く、N産の本気度を感じさせるものであった。

ただし車格や内装がビッツ以上カローラ以下で、デザイン的には古さも感じる。価格的にもアクアやフィットHVよりコスパが劣る。それでもN産車ファンなら待望の本格的大衆HVとして購入したくなる理由は十分あると思った

さて試乗を終えて、N産が3気筒の小型車という制約のなかでエンジン騒音と振動をどうやって解決したか興味が湧いたのでチェックしてみた。

まずエンジンの3気筒特有の偶力はプーリーとフライホイールのバランサーでかなり消されている。また右エンジンハンガーが大きくマスバランサー効果があるようだ。クーラントタンクも右フレームとストラットタワーのマスバランサとして働いているのであろう。エンジンの吸気音も共鳴室と長めのパイプで抑えられている。

車体では、まずカウルトップに複数のシール材が追加されていて防音が図られている。また右フェンダーパネルとフロントピラーとの隙間も厳重に塞がれていて、フェンダーからドア経由の騒音対策が図られている。

特に目を引くのは板金間のシール材がオーバーに施されていることで、これは溶接面の剛性と振動対策を狙っているのであろう。騒音に関してはN産の技術の総力が注入されているようで、何となく作られている印象のあるN産車のなかでe-powerは特別な扱いなのだろう。この技術をN産のすべての車に投入すればもう少し売れるのではないかと思うのだが。

いろいろ観察すると、騒音対策は基本的にwebmasterがプリウスに施したものと多くの共通点がある。通常は完成度が微妙な車が多いN産であるが、e-powerのエンジンの騒音対策についてはトヨタはじめ他社も見習う点が多々あると思ったのである。

最初に戻る


走行騒音はいかにしてドライバーの耳に届くのか?のナゾ(その2トーションビーム編)

これまでの対策で現状のプリウスの走行は平和そのもので、エンジンが回っているのかどうかもタコメーターを見ないとわからない。NVHを含め走行音も減って運転感覚はますます希薄になり、眠気を催す程である。

ところで、前回のトピックで後輪のコイルバネの対策前は打撃後に寺の鐘のように長く鳴っていた。山本式スプリング振動ダンパーで著明に共鳴音が低減されたが、それ以外にも共鳴している部位があるのかも知れない。

リアサスで一番大きな構造物は左右のトレーリングアームを繋ぐトーションビーム(図中のアクスルビーム)で、これが鳴っているのではなかろうか?

そこで実験をやってみた。トーションビームの中央をタイヤチューブで仮に縛ってみて、その前後の響きの差を見るのである。個人的には大きく改善するのではないか、との期待であったが、、、、

期待は大きく裏切られ効果が薄かったようである。どうやらトーションビームは振動を伝達はするがそれ自体の共鳴は弱いようである。というか、対策前からお寺の鐘のような長い響きは無かった。

一つには、トーションビームはV字型のため、振動パターンが部位によって単一で無く全体として鳴りにくい可能性がある。確かに手元にある棒状や平たい鋼材はよく鳴るが、V字型の鋼材は鳴りにくい。

さて、前回のトピックで左後輪のコイルバネのみに対策して右後輪コイルバネを打撲後お寺の鐘の音は打撃後0.5ないし1.0秒後に最大となっていた。可能性としては右後輪コイルバネの振動がトーションビームを経由して左後輪コイルバネにも伝わったからではないか、と考えていた。

今回の実験では既に両側のコイルバネが対策済みなので、トーションビームに共鳴対策を施しても全体としてはあまり効果が無かったのであろう。

やはり、車体で一番振動し共鳴しその振幅を長く保持するのはコイルバネ、ということである。

自動車の発展で、サスの油圧ダンパーは比較的最近に出現した代物だ。それ以前の自動車やトラックはホチキスドライブと呼ばれる重ねた板バネを使用しており、ダンパーが無くても板バネ同志の摩擦で有る程度のダンピングが得られていた。

しかし板バネは大きなストロークがとりにくく、バネも固いために乗り心地が悪く、錆びや汚れでバネ定数やヒステリシスも不安定で異音も発生しやすかった。それでも70年代までの乗用車もリアは板ばねが普通であった。

その後、自由にバネ定数を設定でき摩擦要素を廃したコイルバネが主流になった。これで確かに周波数の低い凹凸に対する乗り心地は改善したが、高い周波数のNVHを伝えて共鳴する欠点が見えてきた。

原因の一つには、幅広でハイトが低く踏面の剛性が高いタイヤが主流になってきたことがある。さらに省燃費のためころがり摩擦が低いヒステリシス損の小さく固いコンパウンドを使うようになって、路面の微細なNVHを伝えやすくなっていることも原因であろう。またハイトの低いタイヤは空気量が少なく高い空気圧を要することも乗り心地の悪化に繋がっている。

そういう局面で、コイルバネの共振や振動の要素が騒音や乗り心地の大きな要因として浮上してきたと見るべきなのだろう。

さて、山本式スプリング振動ダンパーの対策後、エンジンの騒音も印象的には減っている気がした。試しに騒音計で測ってみたが差は0.5dBあるかないか、で有意といえるかどうか微妙であった。

しかし、工学的に考えると効果があってもおかしくない。それは、

エンジンの振動 → エンジンマウント → 車体フレーム → サス(コイルバネとダンパー) → タイヤ → 地面

のように、エンジンから車体フレームに伝わった振動は、最終的にはサスとタイヤを経由して地面に伝わりダンプされる。その経路のバネは、等価電気回路でのコイルと同様に共鳴するとインピーダンスが高くなり、振動がタイヤと地面でダンプされ難くなると考えられる。

やはり、車のバネはいろいろな振動を拾いやすい曲者なのである。

コイルバネに並列にオイルダンパーあり、それがバネの共鳴をダンプしてくれるように見えるが、コイルバネの両端を固定してもバネの途中はお寺の鐘のように振動する。バネは上等なバネ鋼製で内部損失が少なく、一度鳴り始めるとそれが長く続く。

それはちょうどピアノの弦のようなものである。ピアノの弦に耳を近づけると、環境音が勝手にのって振動しているのがわかる。歌唱ではピアノの天板を空けて、ピアノに向かって歌って響かせるという指示の曲があると聞いたことがある。ピアノの弦と同様に、車に4つついているバネもいろいろな振動を拾って共鳴する。

いずれにせよ、バネに貯まったエネルギーは容易には発散されない。そのバネにはNVHやエンジンに由来する振動エネルギーが絶え間なく流入するので、それらはダンプされることが無くビルドアップして車体にいろいろな騒音として伝わり耳に届くのである。

なお、この問題にはさらに新しいアプローチを現在研究中である。

Yamamoto Spring Dumper System YSDS (PAT PEND) applied to tosion beam of the Prius30 rear suspension

The rubber dumper was manually tied to the center of the torsion bbeam. However, there was no noticeable change in reducing the resonance of the torsion beam before and after attatchment.

This video shows that the torsion beam itself is not related to the long lasting resonance of the rear suspension. The long lasting resonance is mainly emitted from the coil springs of the suspension.

最初に戻る


走行騒音はいかにしてドライバーの耳に届くのか?のナゾ(山本式スプリング振動ダンパー(YSDS)編)

最近走行距離が減っているWebmasterのプリウスだが、2500-3000rpmで50dB以下まで低減されたエンジン騒音は相当に印象的である。ただし相対的に走行音、特に表面が荒れた舗装路の”ザーーバーーー”という音がより目立つようになった

走行騒音は軽量設計のプリウスの弱点で、相当な努力をしなければ低減できないとWebmasterは思っていた。相当な努力とは多くのユーザーがトライしているようにフロアやパネルに遮音ゴム材に貼付ける作業だが、そうする手間や重量増と費用対効果の点でペイしないと考えてきた。熱心なユーザーをみると、過去あらゆるオーディオ機器にブチルゴムを貼り付け重りをのせていたオーディオマニアを思い出す。

しかし、熟考に熟考を重ねた結果メタな観点からもっと優れた方法があるように思えて来た。まったく異なるアプローチが残っているのではないか?

その前に、タイヤの走行音がどうやってドライバーの耳に届くかは、大きく二つの経路に分けて考えられる。

1)タイヤの踏面からの空気騒音が車室に透過してドライバーの耳に届く。
2)タイヤの踏面からの振動がサスペンションを介して車体に伝搬し車体が振動して音となりドライバーの耳に届く。

この1)に対してはWebmasterやドアガラスの隅の隙間をスポンジで埋めているが、フロアやドアパネルを透過して入ってくる騒音の対策にはかなり手間を食うことが予想するので、今回は手をつけないこととした。なおwebmaserのプリウスはカーペットを二重にしてある。

一方2)は、タイヤからの振動がサスのバネとダンパーを介して車体に伝わり騒音となる、その振動はステアリングを握る手にもビリビリと感じられる。これに対してピンポイントで簡単にして絶大な効果を持つ対策、しかも作業時間は10分以下で費用は100円以下で車体全体の振動を根本的に減する方策を考えたいのである。そんなうまい方法があるのか?

さて、ダンパー経由の振動はかなりダンプされるが、金属バネはビリビリと伝わる周波数の高い成分を殆ど減衰することなく伝えてしまう。或いは共振して振動をむしろ強めてしまうことすらある。この点が、金属バネが空気バネに大きく劣る点だ。個人的にはレクサスLSのエアサス車に高速に乗った時にビリついた振動が少ないことは感じた。

で、メーカーは金属バネの伝えるビリビリとした振動については、スプリングの座面のゴム以上の対策をシカトしているが、これは一種の怠慢?ではなかろうか?

かつてwebmasterはS友金属の台車工場を見学したことがある。そこで地下鉄などで車輪の振動による騒音を抑えるためにゴムを被覆したコイルバネ(エリゴバネ)を見た。

しかしWebmasterの観点では、ゴム被覆の効果は費用対効果の点で劣るように思う。金属バネの微振動を抑えるためには、その固有振動数とは異なる固有振動数を持ち弾性要素で結合した質量要素(マス)が一番効果的で、単なるコーティングではそのヒステリシス損に依存しマスの要素が少ないので効果が薄いのである。

共振を共振でうち消す手法はエンジンの吸気騒音でも使われている。インテークパイプは管楽器のようにその長さに固有の気柱周波数を持つが、これを打ち消すために異なる固有振動数をもった蛸壺(ヘルムホルツ共鳴器)を複数付加している。Webmasterの考案した、

小さな穴により等価的に複数の異なる長さの気柱を形成することによって共鳴周波数を分散し効果的に吸気騒音を消している

しかして、自動車のコイルバネに弾性要素によって結合したマスを導入できるであろうか?それには、数万キロの走行に耐える弾性要素とマスが必要になり、しかもバネの収縮の邪魔になっていはいけない。そのため、バネ共振の問題はわかっていながら対策されていないのだ。

いろいろ考えている時にWebmasterの目に入ったのは、ロードバイクのチューブである。これは700x23cのタイヤを700x32cに交換した時の廃物である。チューブは丈夫でブチルゴム製なのでヒステリシス損が大きくて振動を吸収し易く、この用途に向いているように見えた。

チューブを20cmに切ったものをサスのコイルバネに結びつければ、コイルバネに弾性要素を介してマス(ゴムの結び目)を付加結合したことになるのではないか?もともと激しい振動下で使われることが前提のチューブは丈夫なので、少なくとも1万キロ程度の走行にも耐えるであろうし、バネの動作に干渉することも無い。また結びでできる羽根部分(?笑?)も空気によるダンピング効果を持つであろう。

スプリングとチューブの間、および結び目はゴム系ボンドで固定してある。

名付けて、山本式スプリング振動ダンパー(PAT. PEND.)である。

実はWebmasterは当初こんなささやかな物をバネの一部に取り付けることでバネ全体のビビリ振動をダンピングできるか?半信半疑であった。それはあなたも同じ思いだろう。

しかし、コイルバネは伸ばせば一本のトーションバーであり、鉄琴と同じように長さに応じた固有の振動数を持つ。その途中にマスをゴムの弾性要素で結合すれば、その異なる共振周波数によってバネ全体の振動を減らすことができるはずである。丁度バイオリンの弦の途中に輪ゴムを結びつければまったく鳴らなくなるのと同じで、エリゴバネのように全体をダンピングする必要は無いのでは無いか?

自分と皆を納得させるには実験しか無い。なお動画の100Hz付近の低音の共振音を聞くにはかなり上等なスピーカー(口径25cm級以上)かヘッドホンが必要で、音量も大き目の方がわかりやすい。スマホのスピーカーでは違いはまず聞き取れないだろう。まず前輪だが、

最初は未処理の左前サスのコイルバネをドライバーで叩いてみると鋭い金属音とお寺の鐘のように響くストラット全体の低音の共鳴音が聞こえる。バネ自体の振動と共振には油圧ダンパーは全く効果が無いのである。次に処理済みの右前サスのコイルバネを打撃すると金属音も長く響く低音も低減しデッドになっているのがわかる。

つぎに後輪だが、

今回は特に低音成分を聞いていただくためにドライバーの柔らかい柄で叩いている。対策前には数秒間にわたって長くうなりを伴うお寺の鐘のような音が聞こえる。油圧ダンパーはバネ自体の振動や共振には全く効果が無いのだ。処理後は打撃音も引き続く長い低音も早く低減している。なお低音成分のMAXは打撃後0.5秒付近にあるが、それは共鳴がカメラのマイクに近いトーションビームに及んだからだと思われる。

ひょっとして、リアのトーションビームサスのガタピシとした乗り心地と騒音に対する悪評は、NVHに由来する共振が減衰せずにビルドアップした結果では無いか?という気がしてきた。現在の各社のトーションビームはVWが開発したものをコピーしたもので、本質的な改良が行われていないからである。これらの音の波形を示すと

前輪では金属性の打撃のためバウンドして2発叩いた様子である。後輪は共鳴が著しく長く続いたため、時間軸は前輪の1/5としている。処理前はゴーンとお寺の鐘のような100-200Hzの成分が5秒間位減衰せずに鳴っていて、これがリアサス全体に響くようだ。

このように、タイヤチューブをバネの一部に結ぶだけでバネの全体の振動を大きく減衰できるというのはちょっとした驚き!!である。さらに効果を上げたいなら、もう1,2カ所ゴムチューブを結んだらどうだろう。後輪なら、子供が遊ぶのゴムボールをすっぽりコイルの内側に入れればさらに効果が上がると思う。

処理後試走してみると、なるほど荒れた舗装路のザラついた路面騒音は確実に小さくなっている。測定はしていないがザラついた騒音に関しては耳dBでは1ないし2dBダウンではなかろうか。ついに安車プリウスのザラついた振動特性が鉄バネのクラウンを上回った瞬間だろう。

ただし、騒音との戦いは果てしない

走行騒音が低減すると、今度はそこいら中の内装から軽微に摺れる音が聞こえてきた。さらに、座席に乗せた荷物と座面が摺れる音まで聞こえるようになってきた。一方、音楽の音量は低くて済みクリアになる。果てしない戦いではあるが、それなりにメリットがあるものだ。

今回のビデオをごらんになった方は、いかに大メーカーの騒音対策のレベルが低く怠慢であるかが実感されるであろう。騒音対策とは、何も重い遮音のゴムやアスファルトを貼り巡らすことだけではない。重要な振動パスのちょっとした工夫で騒音レベルを大きく低減できるのである。

メーカーもNVH対策の考え方やアプローチが硬直化しているのであろう。

Yamamoto Spring Dumper System YSDS (PAT PEND)

Coil springs of the car suspension are prone to resonate to the NVH and engine vibration input. This topic explains the effect of the rubber dumper of the automobile suspension coil spring(YSDS Yamamoto Spring Dumper System).

This apparatus is made of bicycle tire tube (700x23C) of 20cm in length. The tube was manually tied to coil spring of the Prius30 suspennsion and fixed with rubber adhesives.This apparatus dumps spring vibration by mass dumper effect, and decreases the NVH on the rough road.

First video show the effect of front suspension coils before and after YSDS attatchment. Harsh sound with succeeding low frequency sound decreasede after attatchment.

Second video show the effect of real suspension coils before and after YSDS attatchment. Extremely Long lasting resonating sound decreased after YSDS attatchment.

The wave form of the sound is shown. After YSDS attatchment, resonance is dramatically decreased.Thus,YSDS improves the NVH control by reducing spring resonance.

最初に戻る


エンジン騒音はいかにしてドライバーの耳に届くのか?のナゾ(その2騒音伝達経路編)

さて、前回の超大量吸音材編は失敗に終わった。エンジンルームに大量の吸音材を追加しても効果は薄かったのである。

そこで原点に立ち戻り、エンジンの騒音振動の車室への伝達経路を解析して対策を施すこととする。エンジンマウントは、

エンジンマウンティング インシュレータ FR
エンジンマウンティング インシュレータ RR
エンジンマウンティング インシュレータSUB-ASSY RH
エンジンマウンティング インシュレータ LH

と前後左右の4箇所ある。最初の二箇所はエンジンをフロントサブフレーム

の前後から乗せている。エンジン重量の大半を受けとめるマウントで車体にこれを経由して振動が伝わるが、サスペンションやステアリングラックなどのマスダンパー要素が付いているためにかなり振動は現弱する。

インシュレータ LHは、エンジンのミッション側とフレームを結ぶが、重いミッションのマスダンパー効果で振動はかなり減弱しているだろう。

問題の運転席側インシュレータSUB-ASSY RHはエンジン自体の回転方向を制御するもので、エンジンと右車体フレーム+右タイヤハウスを結ぶが、これが車室への振動経路としては一番重要のようだ。だからこそ、つくりが異様に頑丈でゴムは液体封入式となっているのだ。

これは右車体フレームに乗っているが、解せないのはクーランタンク下のタイヤハウスの薄い板金にもマウントされていることだ。この付近の振動に対しては、

プリウスダイナミックダンパー変造のナゾ
プリウスの冬しか鳴らない共鳴音退治のナゾ

が効果があった。右フロントフェンダーのドラミングと三角窓との振動音は不愉快なほど大きく、これでプリウスを降りたユーザーも相当数いると思われる。

今回もものぐさなWebmasterはネットの方々のようにそこいら中を分解して重い防音シートを隈なく敷き詰めたりするような手間のかかることはしない。Webmasterはピンポイントでもっとも効果が高く施工も簡単かつローコストな方法を選ぶ

しばし熟考した後で今回採用したのはエーモン静音計画スプレーである。これはワックスや鉱物油を含みチキソトロピー性をそなえた塗料で、本来はタイヤハウスの石ハネ音を軽減する目的のものだ。(写真はエーモンへのリンクより)

これをインシュレータSUB-ASSY RHと付近のフレーム+タイヤハウス板金に広く吹き付けた

写真は作業の途中で、この後右タイヤハウスにも幅広く塗布している。吹き付けにはエアインテーク(ネジ3個)をはずすと作業しやすい。この部はクーランタンクのため上からは見えないので見栄えを気にする方にもすすめられる。

なお、助手席側のインシュレータ LH付近にも吹き付けたが、インバーターやECUが邪魔するので部分的な処理にとどまった。

次は、スカットルの配管や電線、エクスパンションバルブなどの穴とその周辺のインシュレーター(吸音材)の処理である。穴の周辺ではインシュレーターがスカットル板金から浮いていて隙間があるので、これを厚めにスプレーして埋める感じである。電線ハーネスの隙間には木工用ボンドを含浸してあったが、さらにたっぷりとスプレーした。ここまでの処理でスプレー缶の2/3を消費する程度の量を使用した。

処理といっても吸気パイプをはずしてスプレーするだけなのでたかだか10分ほどの作業である。さてこんな簡単な作業で効果はあるのか?

驚いた事に、少ない努力のわりに効果は高く49.6dBと初めて50dBを割った。2dB減の効果はドライブしていても感じられる。

50dBを切るとエンジン音が聞こえるのは加速時のみである。クラウンハイブリッドのエンジンが運転席から1mの距離にあるなら、Webmasterのプリウスのエンジンは80cmの距離にあるような印象で、おそらくプリウス史上最低のエンジン騒音レベルであろう。

もちろんプリウス50の騒音レベルとは比較の対象にすら上がらない。ただし走行音の遮音はもともと設計段階で重量増を避けるために重視されていないので、それを改善する作業はあまりペイしないだろう。

ここで注意して欲しいのは、webmaeerはドアもフロアはまったく遮音していない。ただし、ボディーのドア開口部のぐるりの板金部へのアロンアルファー注入作業はしてある。

総じてこれまでの対策で一番効果があったのは、右フロントフェンダーのドラミング対策としてフェンダーとフレームの間にポリエチレンスポンジを挟みこんだことであろう。次がインテークパイプの対策、そして、今回のマウントとスカットルの穴への塗布である。これらはトータルでも1時間かからない作業の割りに効果が高い。

エンジン騒音が下がるとプリウスはドライブ感がますます薄い車になってしまった。Webmaserは普段はチャリ通勤なので雨の日しか乗らないプリウスはますまず距離が伸びなくなっている。しかし、雨の日に乗るプリウスは実に静かで平和なので、これはこれでいいのかも知れないと思えてきた。

最初に戻る


エンジン騒音はいかにしてドライバーの耳に届くのか?のナゾ(その1超大量吸音材編)

最近はWebmasterはチャリで通勤しているので、プリウスで通勤するのは雨天の日のみである。

Webmasterは新型プリウスが出たときには、あまりのデザインのエグさに躊躇ったものの、もし劇的な改善があれば更新も視野において試乗した。ところが、新型プリウスはエンジンの振動と騒音がWebmaserのプリウスより大きいことに気付いてすこし驚いたのであった。

確かにWebmasterの固体はCT200hなどの補強材やタナベの補強材、またフロントサブフレーム締結部補強、リヤゲートストッパー設定などで手ははいっている。しかし、新型プリウスより騒音振動が少なかったのは、ポリエチレンスポンジによるフロントフェンダーのダンピングが一番効いていると信じている。

プリウスは冬季に右Aピラー部からエンジンを吹かすとカタカタ騒音が出ていた。これは、

プリウスの冬しか鳴らない共鳴音退治のナゾ

に書いたように、フロントフェンダーとフロント三角窓が振動で接触することで出ていた。これでフロントフェンダーのドラミングがかなり大きいことに気付いて対策したのである。

ところが、トヨタにしては新型プリウスのフェンダードラミング対策がプアであったのは意外であった。

まあトヨタのこと、マイナーの頃までにはこのページも読んでいるであろうから、エグいフロントデザイン共々対策されであろうと思っている。もうひとつは、

アスリートHV試乗とプリウス騒音対策のナゾ(エアクリーナーインレットASSY 編)

である。これで吸気音が格段に小さくなった。

プリウス30後期型では途中でフェルトの窓を作るとか対策されているが、Webmasterの方法の方がはるかにエレガントである。これらの対策と種々の剛性確保策でwebmasterのプリウスは相当静かになったが、まだまだクラウンハイブリッドとは相当な差がある。クラウンハイブリッドのエンジンが100cm先にあるとすれば、我が家のプリウスは60cm先にある程度の感じである

そこで、今回はプリウスのエンジン騒音はどこからどうやってドライバーまで伝わるのか?を明らかにするための実験を行ってみた。きっかけは押入れを掃除して残っていたガラスウール吸音材を見つけたことである。通常は屋根裏や壁に敷設する代物である。

そこで、ガラスウール吸音材をエンジンの上面に隈なく敷き詰めてみた。なおWebmaserのプリウスはLグレードながらボンネットに純正フードインシュレーターを装備しボンネットとの間にはPET綿を充填してある。またダッシュパネルインシュレータアウタNo.2 の代わりにポリエステル製フェルトを貼付してある。

まず、基礎データとしてエンジンオフの暗騒音(Aスケール)を測る。

33dBSPLと非常に低い。

そこでギアPポジションでアクセルを目いっぱい踏み込むと2500-3000rpmでハンチングをはじめる。その時の騒音が、

おおむね52dBで、いろいろな対策のせいで相当低い。おそらく、プリウスとしては最高レベルの数字であろう。

そして50mm厚x288cmのグラスウール吸音材をエンジンルーム上面とスカットル前面に隙間が無いように敷いてみた。まあこれ以上は置けないというくらいキッチリと詰め込んだのでボンネットが閉まりにくい状態である。科学実験では、徹底的に大過剰にやってみて方向性を占うのが定石だ。そして2500-3000rpmのハンチング状態での騒音を測ってみた。

老婆心ながら書いておくが、絶対にマネしないで欲しい。プリウスにはベルトが無いので巻き込き事故が無いと判断して特に騒音計測の短時間だけ置いたものである。これだけ吸音材があれば騒音は軽くなったはずだが?

何と騒音は54.9dB前後と3dB弱大きくなったではないか!!!

エンジンルームを点検してみると、あまりに多いグラスウールのために、ボンネットとフェンダーの境目を完全に埋めてしまい、エンジンルームの音圧が抜ける部分を塞いでしまったのが原因のようである。

そこでエンジンルームの後半部だけを覆ってみたところ、52dBとまったく覆っていないのと同じであった。

今回の実験でわかったことは、エンジンルームにいくら吸音材を追加しても室内はあまり静かにならない、ということである。

どうやら、室内で聞こえる騒音はエンジンルームの空間由来ではなく、エンジンの振動がボディーを伝達して室内との境のスカットルを振動させて室内に伝わるものであることがわかった。

と言うわけで、次回はエンジン自体からフレームへの伝達とスカットルの防振対策を行なって見たが、その結果は次回のお楽しみである。

最初に戻る


新型プリウスPHVが失ったものナゾ(トヨタのメンツ編)

新型プリウスPHVが発売された。最大の改良点は前モデルが電池容量4.4kWhでEV走行距離は26.4kmだったものが、電池容量8.8kWhでEV走行距離が60.8kmと大幅に伸びたことがであろう。電池容量の全てを使えるわけでは無いので、通常容量が2倍となれば普段使える容量はそれ以上に増えるのだが、その割に距離が増えていない。

その原因の一つは重量であろう。前回のモデルが1440kgだったのに対し1530kg(+90kg)と増えているからだ。電池の重量は80kgから120kg(+40kg)に増加している。ただし、この距離があれば通勤距離が長いドライバーでも大半は納まるはずである。

WEBMASTERが見るかぎり、今回のモデルの問題点の一つは定員が4人のままということだろう。webmasterの場合は5人乗車がかなりの確率で発生するのでこのままでは候補にならない。また定員4人ではタクシーにも使えない。

トヨタは、定員を5人とすると、それに応じて車体やブレーキの変更が必要になるからだと言う。しかし、プリウスより重いプリウスαのコンポーネントを流用すれば出来無いハズが無い

確かに今回のモデルではリアゲートをカーボン製にするなど重量軽減が計られているが、その効果は4-5kgに過ぎないという。もともとプリウスのリアゲートはアルミなのでゲインが少ないのである。

もう一つの問題が、トランクスペースが360LとHV仕様の520Lから大きく減っていることだ。前モデルは2011年の改良でトランクスペースが443LとHV仕様と同等であった。同じ表示容量でもプリウス50のトランクは床面積がかなり大きいので厚みだけが異様に薄くなっている。webmasterは重量的に軽いが嵩張るバイク用品を積んでいるので、浅すぎるトランクは購買対象にならない。(写真はhttp://gazoo.comからのリンク)

トランクが前モデル以上に狭くなったのには理由がある。まずプリウス30ではリアサスがトーションビームで、その内側に電池を納めることができた。プリウス50ではリアサスがダブルウィッシュボーンとなりスペースを食うのだ。そこでHV仕様では電池をリアシート下に逃がすことで520Lを確保したのである。

PHVでは電池がシート下に納まらず、嵩張るダブルウイッシュボーンの上に置いたため、トランクスペースが薄くなったのである。おそらく大半の荷物はトノーカバーの下に収まらないだろう。ダブルウィッシュボーンが災いした例としてはアコードハイブリッドと似ている。

PHVだけにトーションビームを復活する手はあるが、あれだけTNGA+ダブルウィッシュボーンを宣伝した手前、少なくとも今回発表のモデルでは手を着けなかったのだろう。

ところで、プリウス50のリアサスはゴルフ7のデッドコピーである。ゴルフにもGTEなる8.7kWhの電池を積んだPHVがあるがトランクスペースはどうなっているのだろうか?

ゴルフにはトーションバーのモデルとダブルウィッシュボーン(VWは4リンクと称している)のモデルがある。Webmasterはスペースを稼ぐためにGTEではトーションバーを使っているのでは無いか、と考えたのだが、仕様を見ると4リンクとあった(写真はhttp://www.largus.fr/からのリンク)。

写真で見ると不思議なことに、トランクには結構な深さがある。この深さではダブルウィッシュボーンとトランクの底の間に電池を置けないが?

通常のゴルフではリアシート下に燃料タンクがある。しかしGTEではシート下に電池を持ってきて、トランク下に薄い燃料タンクを置いているのだ。(写真はhttp://www.volkswagen.co.jpからのリンク)

個人的にはVWは好きなメーカーでは無い。ディーゼル排気ガス対策ではズルするし、VWを所有している友人からの電話は常に故障の相談である。とにかく故障が多いのだ。彼はその後トヨタ車に買い換えてから毎晩ぐっすり眠るようになったという。

しかし、VWは少なくともゴルフGTEを売るに当たってプリウスPHVのような手抜きをしなかった。一つVWの利点としては、ゴルフにはe−ゴルフなる純粋なEVがあり、電池の一部はリアシート下にある。ゴルフGTEのフロアは通常のゴルフとe−ゴルフを混ぜた設計で、そのためリアシート下に電池が置けた。トランク下にe−ゴルフにない燃料タンクを造設してあるが、これは今後のレンジエクステンダー付きEVが設計の念頭にあるのだろう。

この点についても、プリウスPHVは完敗!である。トヨタの言い訳としては、プリウスの車体を使ったEVが現時点で無かったから、ということになるのだろう。

しかし、トヨタとVWは宿命のライバルである。このままトヨタが黙っているハズがないと思う。いやそうであって欲しい。いずれTNGAでもEVやレンジエクステンダーは作らなければいけないので、おそらくエンジニアは今頃設計しているところなのだろう。

可能性としては、

1)トーションバーとして電池をそこに納める。(しかしリアサスを格下にすると評判が落ちるかも知れない)。
2)電池の一部をリアシート下に引っ越し、残りはフロントシート下に置く。(こちらの方が現実的か?)

が予想される。その際にさらに車体を補強するか、あるいは軽量化して5人乗りにする可能性がある。なぜかと言うとゴルフGTEは定員が5名なのだ!

ようするに、プリウスPHVは定員とトランクスペースの両方がゴルフGTEに完敗なのである。これはトヨタにしては技術の鼎の軽重を問われる問題である。というわけで、現状のプリウスPHVは近い内に大きく変更されることが予想される。

Webmaterならこの際、前後シートの骨格をカーボン化し、天井のソーラーバッテリーを廃止、天井パネルもカーボンとする。当然ボンネットもカーボンにする。とにかくカーボンに交換できるところ全てすべてカーボンにして、一人分、おそらく70kgを軽量化する。補強作戦よりコストがかかるが、メンツがかかっているとしたら致し方ないのでは無いか?

カーボンでなくても樹脂でもアルミでもいいが、とにかくこのままの車体で5人乗りにする。このさい、トヨタとしては利益が出なくても何が何でも5人乗りを実現することメンツを保つ上では大事であろう。すでにリアゲートのカーボン化で相当儲けは減っているはずである。

初代プリウスは一台につき300万の赤字だったと言う。またプリウスαの7人乗りではリチウム電池をフロントコンソール下に置いている。今回も高価で殆ど売れないと思われるプリウスの最下級グレードに高価なリチウム電池をのせてきている。

トヨタにはメンツに拘って赤字にかかわらずモデル設定をしてきた歴史がある現状では完敗のプリウスPHVをトヨタのメンツをかけてゴルフGTEより良い車にする必要があるとwebmasterは思うのであるが、いかがであろうか?

最初に戻る


ハンマーオイルはオイル添加剤として使えるか?のナゾ

古くからあるオイル添加剤に、ス○コーの硫化モリブデン入りがある。比較的廉価で、入れた直後から確かにエンジン騒音が小さくなる(気がする)ので、webmasterも米国に行くまではレシプロエンジンやロータリーエンジンにずっと入れていた。

米国から帰って来たころには有機モリブデン入りの添加剤が登場していた。有機モリブデンは極圧が加わったときに硫化モリブデンに変化して混合潤滑領域や境界循環領域での循環性を改善するものである。特に、最近のエコカーに入っている0W-20などの低粘度オイルには不足する循環性能を補うために有機モリブデンが添加されている。

硫化モリブデンは未だにス○コーで売られているが、市場の中心が有機モリブデンに移ったのは、硫化モリブデンが沈殿したりオイル経路に詰まったりするという説があるからだろう。またオイルが真っ黒になることが嫌われることもあるだろう。

ス○コーは、

当社添加剤配合の固体の二硫化モリブデン粒子やグラファイト粒子は、フィルターの目を通過できる大きさに設計しており、粒子単体でフィルターの目をつまらせることはありません。”

と言っている。硫化モリブデンは層状の結晶で、層がずれて劈開することで鱗状になることで摩擦を減らす働きがある。ただし最終的には小さなかけらになって循環を良くする作用は低下してしまうらしい。

これがオイルパンに沈殿するのでは無いかと思ったが、オイルパンをからオイルを抜いた時に泥状物が出てきたことがない。またオイルフィルターがあってもオイルは黒いままなので、やはり入れられたモリブデンはオイルフィルターでは殆ど補足されないようである。

その後、webmaserはオイル添加剤に対する興味を失い、指定より粘度の高いオイルを入れる方針で過ごしてきた。一つには今時、一流メーカーのオイルには十分な添加剤が入って来るようになったこともある。

そこで登場したのが、ホンダNC700で、そのエンジン音が結構カシャカシャうるさいのである。webmasterの車だけかと思ったら、市内で見かけるNCはみんなうるさい。指定は5W-30であるが、webmasterは5W-40を入れていて、これで若干静かにはなるのだが、やはりうるさい。

音はエコカーに0W-20を入れたときに聞こえる音で、くたびれたエンジンのピストンリングから出る音に似ている。NCはエコカーフィットのエンジンの省燃費技術を流用して作られている。ピストンは薄く小型で側面に硫化モリブデンのパターンが印刷さている。ピストンリングも薄く低張力でさらに摩擦を減らしているが、どれもが基本的にはエンジンがうるさくなる方向に働いているのだろう

そこで考えたのが硫化モリブデンを入れる策である。

実は、多くのユーザーはエンジンオイルにハンマーオイルを入れている。しかし、彼らはそれを他人には言わないのだ。また他人にそれを勧めるつもりも説明するつもりも説得するつもりも議論するつもり無いようなのである。単に自分のエンジンだけが静かで長持ちすれば良いとだけ考えている様子なのである。

オイルフィルターは50ミクロン以下は殆ど通過させてしまう。○ミコーが、”フィルターの目を通過できる大きさ”ということなので、50ミクロンより小さいと思われる。さて、ごく一部で良く使われているA○社のハンマーオイルの粒子サイズは発表されていない。

○ミコーが外販している硫化モリブデンパウダーには4種類あり、平均粒子径がそれぞれ1.4、3.5、5.2、そして23ミクロンである。従ってハンマーオイルに入っているもののは数ミクロンと予想されるが、やはり自分の目で確かめてみないと確信は持てない。

なら実際に計ってみればいいではないか?そこで論より証拠の写真である。

光っている部分の直径が約70ミクロンなので、硫化モリブデン粒子は5ミクロンより遙かに小さいことが解る。比較としては赤血球のサイズがおおむね7ミクロンである。このサイズであれば沈殿せず、またオイルフィルターを楽々通過することが理解できる。

というわけで、自己責任でNCに100ml入れてみたが、やはりエンジン音は小さくなった(ような気がする)。一週間ほど回してオイルサンプルして顕微鏡でみたところ、3.4Lに100mlの量でもかなりの粒子が見えたので、量はこの程度で良いような気がする。この粒子サイズだと分子間引力で分散するだろう。

従って、殆どが沈殿する、とかフィルターに補足されるのはやはりウソなのだろう。

この文章を読んだあなたが信用するかどうかは解らないし、あなたに勧める気持ちはまったく無い。webmasterも基本的には説明するつもりも説得するつもりも議論するつもり無くて、単に自分のエンジンだけが静かで長持ちすれば良いとだけ考えているからだ。

最初に戻る


GPSが使えないスマホzenfone2 Laserの鍛錬のナゾ

スマホが当たり前の時代であるが、WebmasterのメインはシャープのSHL25で、性能自体は可も不可もないがIGZO液晶のため電池の持ちが良く、普段は週1ー2回の充電で済むところが便利である。

サブはFreebitのPANDA端末

文鎮化PANDA端末の復活のナゾ その3(ネットワーク認識編)
文鎮化PANDA端末の復活のナゾ その2(ドライバーの呪い編)
文鎮化PANDA端末の復活のナゾ その1(ポケモンGOの呪い編)

にsonetの0SIM、

デジモノSIMは使い物になるか?のナゾ

を入れて常時は車にナビがわりに置いている。実は車にはWillcom03(タダ契約)も乗せていて常時スマホが2台動いている。

ただしPANDA端末はメモリーが512MBと小さく反応がもっさりしている。そこで昨夏に楽天モバイルでzenfone2 Laserを入手した。携帯の割賦とSIM(200kbps定額)で月1000円をかなり下回るという安さが魅力だった。この速度でも3D表示のGoogleナビもポケGOも特に動作に問題ない。

しかしzenfone2 Laserが安く売られているのには理由があり当初GooglePlayStoreではポケGOがインストールできなかった。CPUはARM系(過去のZenfoneはATOM系)なので問題無いはずだが、どうやらコンパスを持っていないのが推奨からはずれた理由のようだ。

SHL25でダウンロードしたポケGOをインストール可能であったがコンパスが無いのでARモードがうまく動作しない。ただ通常は殆どがARモードを使用しないので問題ないようである。コンパスを持ったSHL25でプレイしてみてもコンパス機能は通常の動作では使われていない。

しかし一番困ったのはGPSの感度が非常に悪いことだ。まずGPSを捕獲するのに時間がかかり、建物の陰にはいるとすぐGPSを取り逃がしてしまい、そのままではナビにもゲームにも使えないのである。今時GPSが使えないスマホはジャンク同然なので、安く処分されていたのだろう。

そこでネットを検索すると、

zenfone2 LaserでGPSの感度が悪い時に試すべき事

というのがあった。さらに国外のサイトを調べてみると、このトラブルは2laserだけなくZenfoneシリーズ全部で良く見られるトラブルのようである。

詳しい対処方法は上記のページの通りだが、裏面の上方の右側に一カ所に封印シールがあるので、それを爪楊枝で剥がすとネジが見えてくる。全てのネジをはずすとアンテナを装備したカバーがはずれるが、本体との間にはフレキシブルケーブルなどが無いので作業の難易度は低い

写真のカバー上面にあるGPSと4Gアンテナの接点にコンタクトZを塗布し、これに対する端末の接触子を爪楊枝で少し起こせばOKである。これで格段にGPS感度は改善するが、もともと高層ビルの谷間などでは多重反射のためにGPSの精度が落ちて現在位置がぶれるのは致し方ない。

この問題は多くのzenfoneシリーズで報告されているので、カバー接点のクリアランスの僅かな設定ミスなのだろう。それを直さずに未だに売っているASUSの対応は理解しがたいものがある。

ただしzenfone2 Laserにはまだまだ悪癖がある。起動30回に一回くらいか、いくら待っても基地局を掴まないことがある。SIM接点などを清掃したが効果は無く、おおむね再起動で回復する。おそらく起動時にファームが要求したステータスがSIMまわりからタイミング良く帰ってこずタイムオーバーになるように見える。ステータス待ちループの時間設定が短すぎるのだろう。

また起動50回に一度くらいだがGPSをつかまないことがある。これもGPSまわりがタイミング良くくステータスを返してこないからだろう。どちらも一度認識にしくじると、後は無かったこととしてリトライもせず無視する設定のようである。システムが腐っているのかと思ってファームウェアをASUSサイトから入手し焼き直したがなおらない。なかなか癖の悪い端末である。

実はAndrod6.0に更新してみたのだが、やはり悪癖はまったく変わらない。しかもAndrod6.0ではAPP2SDが使えず、かといって内部SDエリアをメモリーエリアとして使う機能もうまく動作しておらず、メモリー残量が大きく減ってしまう。動作ももっさりしているので、バージョンが6.1になって安定するまではとてもアップデートはおすすめできない

もちろん、無駄なアプリやサービスは可及的に止めて常時1.2GB以上のRAMが空いているにもかかわらず、である。SHL25ではこのようなことが無いので、残念ながらビギナーにはこの端末は勧められない。ただし自分で裏を剥いで接触不良を直せて、時々の起動不良に癇癪を起こさない向きには、格安ならサブとして使うのは悪くないと思う。

不思議なことは、ZenfoneのGPS接点不良は高い確率(ほぼ全例)で起こっている様子なのに、メディアの記事には一向に出てこないことである。多くのサイレントなユーザーは”使えない”とだけ言って他の端末に移るのであろう。メディアのレビューは全く信用できないので、良質なネット情報を取捨選択して使うしか方法が無いようだ。

基本的にはスペック的にも液晶やカメラも十分水準を行っているが、肝心のツメが甘くてそのままでは使えない端末である。個人的には常時車に置いているが、無料SIMともども盗られても大被害にならないと考えて使っている。

SONYやSHARPなどの大手の製品は当初はバグ満載で使えなくても、モデル寿命末期にはまともになることが多い。ただし、不要なアプリが満載でメモリーやCPUを圧迫するのは困ったものである。

最初に戻る


MTバイクが好きになる山本式クラッチ保持装置YRRCSのナゾ(その3 小型化ver3編)

さて大寒の季節、ライダーの皆様にはつらい季節である。

webmasterの地方では例年零下になることはまれだが、この冬はすでに2日も零下を記録している。しかし、ユニクロのホットパンツと極暖タイツのおかげで元気にチャリやバイクで走り回っている。

さて、

冬休み記念プレゼント!MTバイクが好きになる山本式クラッチ保持装置YRRCSのナゾ(その2 種明かし編)
MTバイクが好きになるYRRCS金物のナゾ(その1 ナゾナゾ編)

を試しておられるライダーもボチボチ現れているようだ。

その後、YRRCSの形状はver.3に進化?させた。進化させた理由は、

1)ver.2までが全般的に大きすぎた (クラッチ保持部分を小さくしても大丈夫)
2)NC700Sにはステンレス4mmφが太すぎた (太いと回転動作が渋くなる)
3)ウインカー操作の邪魔になることがあった (手前の折り返しをもっと上に移動したい)

そこで形状を小型化し、太さも3mmφとしてグリップの根本側に移動してウインカー操作の邪魔にないように工夫してみた。ぶら下がっているときに手前の折り返し部分がなるべく上方に位置するほうがウインカーの邪魔にならないようである。

また赤丸の改良点を注目して欲しい。先端が内側に湾曲させてある。こうすると、

1)クラッチレバーのホールドがより確実になる。
2)ウィンカー操作などで不用意にYRRCSの先端が上がってクラッチレバーと干渉することがある。この形状で前方からクラッチレバーが先端に当たると下方に滑り干渉しなくなる

円滑な動作のために、特に紙やすりで加工時にできた凸凹を十分とっておく。

使ってみるとNC700Sでは3mmφでも大丈夫だったが、リッタークラスでクラッチが重いバイクでは4mmφが必要かも知れない。

設置はグリップの再内側にシリコンオイル(アライヘルメット付属のものを推薦)を塗りYRRCSが滑りやすくする。大きめタイラップで位置を規制する。全体が軽くなり戻りが悪くなったので、重り(ナットをボンドG16で接着)をつけている。

これでだいたい完成形かと思うが、グリップの太さやクラッチレバーの形状でクラッチの遊びを含め若干のチューニングが必要と思うが、うまく動くようになったらMTの操作が格段にラクになる。

老婆心とは思うが再々度ながら使い方を書いておく(結構使い方について質問のメールが来るので)。操作としては信号停止前に1速にギアダウンしながら左足で着地しYRRCSを動作させる。クラッチレバーを離せるので左手はフリーになる。

信号がそろそろ青になるタイミングでクラッチレバーを握るとYRRCSが自動的に解除されるのでそのまま握って待って、信号青とともにクラッチをリリースしてスタートすればいいのだ。

個人的には老化したWebmasterにとってクラッチ操作が疲れるので市街地でNCに乗るのが億劫だったが、YRRCSを装着してからはまだまだ当分は行ける気持ちがしてきた。ぜひ皆様も試していただきたい。

最初に戻る


深夜練習用の山本式ピアノ最弱音装置のナゾ

依然として、webmasterは毎日1時間程度はピアノの練習をしている。もちろんテレビのニュースを見ながらの練習なのであまり真剣にはしていない。一生懸命練習するより、ニュースを見ながらのほうが間違わないのはナゾだが、指を見たりすると余計な脳内処理が働いて覚えているシークエンスが狂うのだろう。

まじめに練習しているのは、1日休むと3日分ヘタになるからだ。webmasterも年なのでさらなる上達は望んでおらず、ヘタにならないためのプログラムである。練習は一応奇数日はプログラムA、偶数日はプログラムBとしている。

練習プログラムAは、

ドビュッシーの亜麻色の乙女(指慣らし)
ショパンのエチュード革命(左手のハノンのかわり)
ショパンの幻想即興曲(右手のハノンのかわり)
ドビュッシーの月の光
ドビュッシーの沈める寺
ショパンのバラード1番
ショパンのノクターン遺作

練習プログラムBは、

リストの愛の夢(モティベーション用)
サンサーンスの動物の謝肉祭「水族館」(グリサンドの練習)
スクリャービンのエチュード悲愴OP8-12(飛躍の練習)
ラフマニノフのプレリュード「鐘」op3-2(飛躍の練習)
ラフマニノフのパガニーニの主題による変奏曲第18番
ドビュッシーの「夢」
ショパンのバラード1番
ショパンのノクターン遺作

というメニューである。選曲のテーマは、「鐘」と「夢」である。

プログラムAは難易度が高めで疲れる曲が多いので奇数日は憂鬱だが耐えるしかない。プログラムBは好きな曲を集めているので偶数日はルンルンである。webmasterは若い時には飛躍が苦手でアルペジオが得意だった。年をとるとアルペジオが怪しくなった反面なぜか飛躍が得意になった。これも脳内処理の不思議である。

バラード1番はいろいろなテクニックが漏れ無く詰まっているので総合的な練習に役にたつ。世間ではバラード4番の方が評価が高いが、ショパンの溢れるばかりの才能と若い情熱が感じられる1番がお気に入りである。愛の夢はテクニック的に最初に弾くのに向いていないが、美しい曲なので練習のモティベーションが高まるために敢えて最初に持ってきている。

しか仕事や宴会で帰宅が遅くなると練習時間がとれなくなる。現在我が家の防音対策としては、ピアノ自体に山本式ピアノマスクver.2が施してある。

山本式ピアノマスクver.2のナゾ
山本式ピアノマスク製作のナゾ
山本式ピアノマスク設計目標のナゾ

これは紐の引き方で音量を調節できる便利な代物だ。また部屋はプラマードUで二重窓とし、屋根裏には断熱材を2重に、また床には厚手のカーペットを引き詰めている。

これでピアノマスクを締めた場合の建物直外での減衰量は音圧レベルにして40dBとなり騒音計には環境騒音と殆ど変わらないレベルに抑えられている。しかし騒音計には現れなくてもピアノを弾く人にはメロディーが聞こえるのが人体の驚異である。

そこで深夜に練習する場合にはさらに5−7dBの減衰が必要になるが、それを実現するのが山本式ピアノ最弱音装置である。

その品は、

図のように、2cm x 2cm x 8cmのゴム製の棒である。

この装置の利点としては音量が小さく柔らかくなるもののタッチが殆ど変化しないことだ。もともとピアノに備わった機能を使っているので、どこにも無理な力が加わらないのも利点である。

これで深夜の練習も安心である。是非試してみて欲しい。












































え、使い方が解らないって?

使い方だが、グランドピアノのペダルの一晩左の弱音(正確にはウナコルダ)ペダルの裏に写真のように嵌めこむのだ。実際には手で弱音ピアノを押し下げた状態でゴムを斜めに交うのである。

つまり弱音ペダルが常に踏まれた状態に固定される。これで、高音弦は3本の内2本が、また低音減は2本の内1本がハンマーで打弦されて音が弱くなる。低音弦1本の部分は普段ハンマーに当たらない柔らかい部分が当たるのでやはり音量が低下する。

欠点としては弱音ペダルがさらに踏めないことだが、そこは脳内的には踏んだつもりで処理しつつ練習するのである。

解除は簡単で、足先で払うだけである。そうするとどっかに行ってしまうのではないか、と不安になる方は適当なヒモでペダルボックス付近に結んで置いて欲しい。

弱音器を効かせる度にピアノの下に潜る必要があるが、毎日使うものでは無いので我慢できるだろう。最初はペダルボックスに指し込むウェッジを作ったのだが、ウェッジを指し込むより棒を嵌めるが簡単で確実であった。

なお我が家では8cmの長さだったが、ピアノの足にエアコン用の凹凸がついたゴム板をはさんでいるので、通常は7cm位になると思う。もちろんピアノの個体や足に挟んでいる板や絨毯の厚さなどによって異なるので、とりあえず8cm位で作って長すぎる場合はカッターで削っていただくのが良いだろう。

この装置を使うことで、深夜でも室外に漏れる音は環境騒音にマスクされ全く聞こえないようになる。ピアノ騒音で悩んでいる方、深夜も練習したい方に是非おすすめしたい装置である。

最初に戻る


新年早々プリウスユーザー車検にみる縦割り行政のナゾ

今年もよろしくお願いします。

新年早々プリウスの車検である。ユーザー車検自体は3回目だがプリウスは初めてだ。現在は雨天以外は自転車通勤なので走行距離は激減している。燃費は新車以来平均21-22kmと変化無いが、冬期の暖機、短距離走行、そしてタイヤ空気圧の影響が大きい。

今まではメンテ契約を結んでディーラーに頼んでいたのは、点検や車検の度にトヨタが公式非公式にバグを直してくれるという期待と、故障した場合にメンテ契約を盾に出費を抑える(ゴネる)計画だったからである。

トヨタ車の信頼性は素晴らしく新車一度も故障が無い。ただし前回のディーラー点検後にウインドウウォッシャー液やブレーキフルードが補充がされていなかった。プリウスではブレーキフルードが不足すると厄介なことになるので、ディーラーに対する教育的指導?として今回は車検を依頼しないこととした。また営業者などで過酷な使い方をされた固体も多数に上ることから、おそらく重大なバグも出尽くしたと推測されることも理由の一つだ。。

新型への更新も考えたが、試乗車のアイドリング騒音がフェンダーパネルに細工したwebmaseterの車より大きかったことが印象を悪くした。これは騒音や振動が右フェンダーパネルに共鳴することが原因だが、大トヨタともあろうものが詰めが甘いものである。

フロントのエグいデザインを含め多くの問題はマイナーで是正されるであろうから、更新するとしてもマイナー後になるだろう。CT200h由来の補強金具やフロアトンネルの補強材、ネジ締結部の補強などで車体剛性や乗り心地が耐えられるレベルに達したことも理由である。

車検の前にひと通り点検はした。トヨタ基準では7年でスーパーLLCを交換することになっているが、多くのディーラーはLLCの補充ですましているようだ。交換したLLCは老化しているようには見えなかったが、クーラントの交換はさまざまな故障予防に効果がある。例えば通常は10年10万kmでダメになる水ポンプも、毎年クーラントを交換するタクシーでは30万km持つ。

さて、車検時にはホイール中央のベアリング部分を露出させておくのがお約束である。下まわりも検査員にホコリが振りかかると失礼かと思ったので高圧洗浄しておいた。ピットでホコリをかぶりながら一日中車両をたたいている検査員の仕事は大変である。

車検には、まず外郭団体NALTEC 独立行政法人 自動車技術総合機構でオンライン予約を入れることが推奨されているが、予約がなくても空いていれば受付できる。予約には新規アカウント登録が必要である。予約時間より前でも空いていればすぐに検査ラインに並ぶように指示される。

車検に絶対に必須な書類は、

1)車検証
2)自動車納税証明書
3)24ヶ月適期点検記録簿

3)は新車についている点検簿から切り取るか、あるいはネットからダウンロードし、自分で記入すればよい。

次に

4)自賠責保険証明書(車検までの分と今後24ヶ月分)
5)自動車重量税納付書(印紙15000円を貼る台紙)

これは運輸支所の隣の建物にある陸運協会(地方によっては陸運振興センター)で当日にでも揃えることができる。なお自賠責の更新は期限の一ヶ月前から可能である。重量税は直接政府に行くので印紙で納める。重量税は重量や燃費によって異なる。

さらに、

6)自動車検査票(自動車審査証紙代1400円、および自動車検査登録印紙400円を貼る)
7)継続検査申請書(OCR読み込み)

車両審査代の1400円が印紙でなく証紙なのは検査が自動車検査法人という外郭団体が代行して行うからである。一方検査登録代400円は印紙で直接政府(国土交通省)に行く。検査は機関が代行するが、登録とステッカーの発行は役所が行う、という切り分けである。

ただ重量税が15000円と高額なのに比べ、審査代の1400円はディーラーの12ヶ月点検代よりも安く、経費としてバランスが取れていない。仮にライン一本で一日最大50台検査するとしても、一本のラインあたり3−4名の検査員と窓口事務の人件費、高価な検査設備、光熱費などを入れると殆ど儲けは無いであろう。今回の混み具合とペースだとラインあたり一日30台未満であろう。

個人的には時限立法である重量税が自動車取得税、自動車税と多重課税のまま本則より高い暫定税率のまま続いているのは納得が行かない。重量税の1/3は自動車重量譲与税として道路整備のために市町村に譲与されるが、残りの2/3は政府の取り分で使用目的が不確定のため財源余剰となっている。

一般のユーザーは車検といえば、まず10万はかかるもの、という認識がある。しかし真の車検代は登録とステッカー代を含め1800円に過ぎない。自賠責は仕方が無いとしても、重量税とディーラーの取り分の方が多いと知れば驚くと思う。

大きなディーラーは車検指定工場となっていて車両審査を代行できるが、ステッカーと登録は運輸支所に出向くことになっている。認証工場では車検は運輸支所に車を持って行くことになる。いずれにせよ、車検にかかわる審査料と代行の人件費として2万程度、24ヶ月点検とオイルや消耗品代などに合計3万程度、合計で10万弱というのが相場だろう。これでもディーラーの取り分は約4万あるので大きな収入源だ。 車検と同時にナンバープレートを交換する場合は代金を陸運協会もしくは陸運振興センターにキャッシュで納めることになっている。ここは自照式のナンバー販売や希望ナンバーの抽選などのおいしい業務が委託されている。

このように、自分で車検に持っていけば自動車の登録と重量税は国交省、自動車税は都道府県、車庫証明は管轄区域の警察署が管理という縦割り行政と、各種外郭団体の構造が見えてくる。違法な放置車両があっても管理が多くの役所に跨るため、これらに放置場所の管理者を加えて関係者一同が揃わないと移動すらできないと言う。

なお、以前は厚手のOCR専用紙で30円で販売されていた継続検査申請書が2017年から通常の用紙で良いことになり無料で配布されるようになった。要するに、書類はすべて無料である。書類に書き込む内容も遅々として進まなかった電算化のおかげか、少しずつ減少している。

書類を揃えて窓口で受付が済めば、検査ラインに並ぶことになる。当日は運輸支局に8時45分過ぎに到着し、書類を揃えて検査ラインに並んだのが9時10分だったので、混んでなければ朝一番に行って、自賠責更新、印紙購入、書類記入を含め30分弱と見ておけば良いだろう。ラインには前に6台並んでいて、一台の検査には5-10分はかかっていた。

ラインに近づくと検査員が外観、前後のライト類を一つづつ、またクラクションを支持して点検する。次に車台番号(前シート下)を確認し、最近はエアバッグやABSなどの警告灯がエンジンONで消えることも確認されるようになった。

エンジンルームは汚れていなければチラと見るだけである。オイル量もブレーキフルード量もクーラント量もチェックは無く、オイルが下に垂れていなければOKのようである。個人的には、昔から点検に出すときもエンジンルームは掃除をしてから出すようにしているが、そのことが無用な費用請求を抑止する効果がある。

ホイールやタイヤも車幅からはみ出ておらず、見かけが普通であればJWLの刻印も含めてチェックされないようである。車幅灯やライセンス灯がLEDに変えてあっていても白色で十分の光量があると判断されれば問題とされないようである。

基本的にはディーラーの認証工場よりチェックが甘いので、ディーラーで車検を断られた車でも合格する可能性がある。ただし前のハイエースでは高いところに付いているハイマウントストップランプの不点灯を検査員は目ざとく見つけた。2006年からハイマウントストップランプが義務化されているのでこのままでは不合格だが、叩いたところ点灯したのでお目こぼしされていた。

検査員は数をこなしているので、細かく見ていないようでも整備不良は第六感で微妙に嗅ぎ分けるのだろう。

ラインはマルチと呼ばれるシロモノで、ユーザー車検であると申告すると検査員は親切に案内してくれる。手順は、

1)速度計検査 40km/hでパッシング。その後ライトをすれ違いにして光量光軸検査
2)ブレーキ検査 フットブレーキ パークブレーキ
3)サイドスリップ検査
4)ピット検査(振動検査、ハンマー検査など)
5)排気ガス検査

である。ラインによっては途中で降りて自動車検査票に刻印する必要がある。なおハイブリッド車はラインに入る前にメンテモード(エンジン、水ポンプ類常時動作)になっていることを検査員が確認する。プリウスなどトヨタ車では、

1)足踏みパーキングブレーキを十分に効かす(安全のため)
2)ブレーキを踏まずにエンジン始動ボタンを2回押す。チェックランプが全て点灯しP(パーキング)モードになる。そこでアクセルを深くゆっくり2回踏む。
3)ブレーキを踏みながらN(ニュートラル)モードにしてアクセルを深くゆっくり2回踏む。
4)Pモードにして、アクセルを深くゆっくり2回踏む。
5)計器盤にメンテモードと表示される。

係員によれば、プリウスのドライバーにニュートラルに入れてくださいと指示してもドライバーが理解できない場合が多いという。プリウスでは通常はNモードにすることは無いからである。メンテモードは一度オールオフにすることで通常のモードに戻る。

多くの車がひっかかるのはライト検査の光軸と光量らしいが、今回もHIDを標準ハロゲンに戻しヘッドライトのクスミも取っていたので問題なく合格した。

自動車検査票に合格のハンコをもらって運輸支局の窓口に出すと10分ほどで新しい車検証と検査票(フロントウインドーに貼るステッカー)をくれる。これを貼って運輸支局を出たのが午前10時過ぎであった。全工程は問題が無ければ受付から約1時間30分ほどの工程である。検査員は親切で、窓口も検査員ほどでは無いが親切であった。

ステッカーをフロントウインドーに貼る時に、以前のステッカーを剥いだら数字部分が残ってしまった。糊がガラスのドットの印刷と癒合するようで、後でベンジンで拭いた後もうっすらと印字が残っている。ステッカーの糊の品質に問題があるのだろう。

このように、車検自体はごく簡単なもので、事故にならず他人に迷惑をかけず走行できる最低限のチェックであり、車検が取れたからといって整備状況を保証するものでは無い

個人的には、ユーザー車検は最低限のチェックができない人間にお勧めはできない。基本的にはオイル交換、ステアリングやドライブシャフトのゴムブーツの点検、燈火、タイヤ、ホイール、ブレーキ、ステアリング等の点検ができることが必要だと思う。初回は経験者と一通り点検すれば、自分でもやれるようになると思う。

そもそも法規的には車検は使用者が行うこととある。道路運送車両法に、

---------------------------------------------------------------------

第四十七条  自動車の使用者は、自動車の点検をし及び必要に応じ整備をすることにより、当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない。

第四十八条  自動車の使用者は、当該各号に掲げる期間ごとに点検の時期及び自動車の種別、用途等に応じ国土交通省令で定める技術上の基準により自動車を点検しなければならない。

第四十九条  自動車の使用者は、点検整備記録簿を当該自動車に備え置き、、前条の規定により点検又は整備をしたときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載しなければならない。一、点検の年月日 二、点検の結果 三、整備の概要 四、整備を完了した年月日 五、その他国土交通省令で定める事項

---------------------------------------------------------------------

このように、整備点検し車検を受けるのはディーラーでも整備屋でもなく使用者であり、業者はあくまで代行するに過ぎない。使用者本人が自動車を整備するには資格は不要で、他人の車を金をとって整備する場合に資格が必要というのが、法的な解釈である。ユーザー車検は確定申告と並んで大人の貴重な社会勉強の一つであろう。

自分で車検してみると、真の車検代金は1800円に過ぎず、重量税が15000円も取られていることにハラを立ってくる。自動車には取得に消費税と取得税、自動車税、重量税、所有には自動車税、車検には重量税がかり、燃料には関税に揮発油税、消費税がかかっているのである。

納税者としてユーザー車検で経費のいくばくかを回収するのは筋が通った権利でもある。ぜひ、社会勉強のひとつとしてユーザー車検に挑戦していただきたいと思う。

最初に戻る